チリ初の女性大統領ミチェル・バチェレさんが、2008年6月、アメリカ・カリフォルニア州バークレーを訪問した。ラテンアメリカ研究のバークレーセンターで講演をし、「男と女が同一価値の仕事をしているなら、男女同一賃金にすべき。そういう法律を制定する」と語った。

三井マリ子ワールドによると、2006年、チリ初の女性大統領となったミチェル・バチェレさんは、シングルマザーで社会主義者。政治犯として投獄されたこともある。「私が大統領になったら、大臣の半分は女性にします」というクオータ制を公約にしていたが、それを実行し、閣僚の半分を女性にした。就任にあたって「私たちはつらい時代を生きてきた。国民全員が愛せる国をつくろう」と宣言したという。

チリの国会の女性議員は15.8%で、IPUランキングでは94位である。女性半数内閣の組閣に際しては、国会議員以外から選んだと考えられる。女性閣僚はかならずしも国会議員とは限らないにしても、大胆な人事であり、女性運動家ならではの決断だ。

http://www.dailycal.org/article/101891/chilean_president_michelle_bachelet_visits_berkele
http://www.ipu.org/wmn-e/classif.htm
http://www.guardian.co.uk/world/2006/apr/02/gender.chile
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by bekokuma321 | 2008-06-30 14:46 | 中南米

アフテンポステン紙の石油エネルギー相辞任についての英語版報道を読んだ。僕の見解を述べ、この件について同紙とは別の見方があることを述べる。

同紙は、オースラウグ・ハーガ石油エネルギー相を、「違法建築計画」という表現で批判している。しかしそれは正しくない。彼女は、家の改築の際にすべき申請をし忘れていたため罰金を支払った。これは事実である。しかし、もし同紙がいうように違法だったなら、その改築部分を撤去させられたはずである。

彼女は、また農業用の小屋を他人に貸与し、その税金を支払わなかったことも追及されている。しかし、それが真実か否かはまだわかっていないのである。

さらに、同紙は、ハーガ石油相が、トロムソの冬季オリンピックに関する支持を獲得するため、「裏取引」をしたという疑念にさらされたとも書いている。この件は、中央党が2005年の国会議員選挙の際、オリンピック招致が公約だったことをさしている。ハーガは、当然、中央党党首としてこれを推進した。ところが、大臣として推進したと批判されている。さらに同紙は、彼女が裏取引をし腐敗が起きたかのように描いている。オリンピック招致をめぐって、辞任に追い込まれた中央党の同僚(女性)に、ハーガが、その後、あるポストを紹介したのは間違いだったと僕も考えているが、しかし、それは違法でもなんでもない。この件について、ハーガが党首として罪を認めなかったかのように書かれているが、それもおかしい。

彼女の辞任に関するノルウェー・メディアの扱い方について、今、議論が巻き起こっており、意見は多様だ。問題をことさら誇大に報道し、そのプレッシャーが彼女の健康に影響を与えたという意見も多い。

同紙は、彼女が党首として強い指導力を持ち、さまざまな政治的場面で右翼議員から批判を呼ぶほどだったことは言及していない。2005年の国政選挙後、初の左派中央党政権結成にこぎつけることになったが、その主要な役目を果たした人物がハーガだったことも触れていない。同政権は、この2,3年、福祉社会を強化させる政策を打ち出した。この政策を具体的に進めたのは自治体であり、ハーガは自治大臣としてその重責を担った。

ノルウェーは経済が好調であり、メディアや野党の議員は、マイナーな政治的問題をほじくり出す傾向にある。ハーガは、健康上の理由から数年前にも大臣職を休んだことがあり、今回、メディアの一方的非難が健康上のストレスを増大させたことは間違いない。結論を言えば、同紙の記事を書いた記者は、政治的理由から、ハーガを一方的に避難し、否定的に描こうとしていると、僕は考えている。

オーレ・グスタフ・ナルッド(ノルウェー・ヘードマーク県オーモット市市長)
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by bekokuma321 | 2008-06-24 13:11 | ノルウェー

子どもオンブズマン

大ニュース! ノルウェーの新しい子どもオンブズマンがやっと決まった。 新子どもオンブズマンは、レイダール・へルマン。30代。心理学者。実は、彼は新人ではない。前の子どもオンブズマンだ。つまり同じ人物が2期目続投をするだけ。何でこれが大ニュースなのか? 

ヘルマンは2期目続投を希望していたが、それが認められなかった。きわめて異例のことだ。そして新オンブズマンの名がマスコミで公表された。ところが、公明正大に選定作業が進められたはずが、次期オンブズマンに決定した人と子ども・平等相は、夕食をともにするような仲だったことが判明。蜂の巣をつっついたような騒ぎとなった。

ノルウェーではほぼすべての公的ポストは公募だ。とりわけオンブズマンという“大臣と裁判官を足して2で割ったような強い権限のポスト”は、メディアで過去の実績、発言、家族に至るまで情報が公開され、厳しい批判にさらされる。

マスコミは、新オンブズマンが大臣と弁護士仲間であり、親しい間柄だったことを調査し、それを叩いた。メディアの批判攻撃に対し、子ども平等相は「それほど親しい間柄ではない」と表明。さらにマスコミは二人のこれまでの付き合いを公表。大臣が嘘をついていたような具合になった。それが致命傷となって、初の黒人の大臣である子ども平等大臣は辞任に追い込まれた。

同時に、新オンブズマンに決定していた弁護士も辞任。こうして、数ヶ月間、子どもオンブズマンは空席だった。

今回、いったん職を追われた子どもオンブズマンが元のさやに戻った。どういう話し合いでこういう結論になったのだろう。この背後にノルウェー政界のポストを巡る権謀術策があったと各紙が報道している。

さて、子どもオンブズマンとは、子どもの利益のために行政や団体などを監視する国家機関。1982年に世界で初めてノルウェーに創設された。任期は6年で2期が限度。独立した第3者機関であり、行政の管理は受けないとされている。しかし、子どもオンブズマンの人事がスムーズに行かなかったのは、子どもオンブズマンと官僚との間に長年の軋轢があったからだと報道されている。

もともと官僚権力が強い国であるが、今回、その実態を見た。さらに、マスコミの政治権力批判の執拗さというか持続性にはかぶとを脱ぐ。

http://www.aftenposten.no/english/local/article2495405.ece
http://www.aftenposten.no/english/local/article2257982.ece
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802150879/1.php
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by bekokuma321 | 2008-06-20 23:49 | ノルウェー