カテゴリ:ノルウェー( 547 )

c0166264_2327754.jpg男女平等では世界の先頭を走るノルウェーでも、男女の賃金格差は、男100円に対して女85円だ。

ノルウェーの女たちはこの賃金格差に怒って、「同一価値労働同一賃金」を求める空前の大ポスター作戦に打って出た。ねらいは、国政選挙。

女性看護師が、鼻の下に横一文字の筆書きの髭を付けて微笑みながら「ひと筆で格差を減らせますよ」と国民に呼びかけた。

「髭」は男の象徴で、つまりは「髭のあるなしだけでこんな格差があっていいのか」と訴えたのである。ノルウェーを訪れた私は、大通りに面したビルのショーウィンドウに、このポスターを見つけた。

ポスターは、あらゆる駅や公共機関に貼り出され、新聞、雑誌、ネットにも登場。黒色の筆でサッと書ける簡単さ。子どもの落書きのように見えて、何だかおかしい。この「鬚キャンペーン」は大当たりし、一時は町からポスターが消えた。市民に持ち去られてしまった。

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叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち by I 女性会議
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by bekokuma321 | 2016-05-23 23:29 | ノルウェー

強姦被害男性の感情

1人のノルウェー男性が、ソマリアからの亡命申請者(男性)に強姦された。加害者は何年かの受刑後、国外追放された。それを知った被害者の男性は罪悪感を抱いている、というニュースが届いた。

私のノルウェー語の知識はまったく不十分であり、正確でない部分があるだろうことをお断りしたうえで、彼の言葉の一部を訳して紹介したい。彼の主な言い分は、

「加害者はノルウェーの地をニ度と踏めなくなった。命がけで逃亡したソマリアに強制送還され、何をされるかわからない。彼は、犯した犯罪への罰を償うべきだと思う。しかし、この世は、あまりに不公平だ。彼の行為は、戦争や略奪が続く社会(ソマリア)の産物であり、それが彼を犯罪に走らせた。僕は、被害にあったのち、長い間、苦しんだが、彼のように救いを求めている人たちに、これまでと同様、救いの手を差し伸べたい」

NRK(ノルウェー放送協会)によると、被害者はヘテロセクシャルのカールステン・N・ハウケン(1988年生)で、難民救済の運動家、フェミニスト。市議会議員候補(左派社会党)にもなった。加害者はソマリアからの難民男性。

ハウケンは、強姦被害者の心情について、
「被害を受けたあと、無だった。何年間も、うつ状態で、孤独でした」と述べる。

さらに、「男性が、強姦されたとは?」「僕は、女性差別や民族差別の嫌いな人間。その人間がソマリア人男性から強姦されたとは?」――彼は、気が変になりそうで、そうした問いから逃げることばかり考えていて、アルコールやマリファナに手を出したという。

事件後、数年たって、強姦被害者が集まって話し合うグループ・セラピーに行き、被害者たちの話を聞いて、自分の被害はまだましなほうだということに非常にショックを受けた。多くの被害者は、被害を受けたことを家族にも友人にも誰にも言っていない、ということも知った。

事件が起きた後、警察の適切な対応で、彼はオスロの緊急救命室の強姦受付センターに、連れていかれて、丁寧で配慮の行き届いた聞き取りをされ、セラピストからのケアを受けた、とも述べている。父親が迎えに来てくれた。その後の捜査も、一人の警察官がずっと担当していたという。

強姦加害者は、しばらくして別件で逮捕されて、DNAや指紋照合などにより強姦罪で4年半の刑に。ソマリアに強制送還されると聞いたとき、どれだけ安心したか、車の中で涙が止まらないほど、彼が自分から離れていなくなることがうれしかったと語る。

しかし、同時に、前述したような罪の意識から逃れられない、複雑な心境を語る。

彼の告白を読んで、私は、性暴力・強姦を受けた人間の誰にも言えない苦悩に少しだけ近づくことができたような気がする。「男は感情を外に出すものではない」という通念が残るこの社会で、男性が性被害の感情を外に出すことは、どういうことかについても、考えさせられた。

そして、カールステン・N・ハウケンのような男性を育ててきたノルウェー社会を、心から素敵だ、と思った。

Jeg ble voldtatt av en mann(I was raped by a man)

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▲オスロのヴィーゲラン公園
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by bekokuma321 | 2016-05-05 23:55 | ノルウェー

タブレットで、『ルポ:平等の国ノルウェーの選挙』の「第25話 これでいいのか日本の政治家」(注)を読んでいます。

映画「選挙」(相田和弘撮影・監督)を題材にして、三井マリ子さんが日本の選挙制度について書いたものです。 僕も映画「選挙」を鑑賞したことがあります。主人公の山内和彦さんとも数回会いました。

この映画をノルウェー人に見せたときの、彼・彼女らの驚きの反応を、皮肉たっぷりに紹介していて、実に痛快です。

「これが選挙? 彼はほんとに候補者?」、「“乞食”から“センセイ”に」「体操しても政策は広まらない」などなど、いやあ、もう、感動の連続ですよ!

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第25話を読了し、今、「第24話 死に票がない比例代表選挙」を読んでいます。ノルウェーは約100年も前から比例代表制。なぜ比例制に変えたのかが書かれています。これこそ、今の日本に広めていかなければならない著作です。

日本を救うのは、この三井さんの連載を読み、その主旨をつかみ、次に私たちはいかなる姿勢で、どんな投票行動を取ったらよいのかを考えて、行動することだと思います。日本の世直しは、この著作抜きにしては考えられません。

いつ単行本になるのでしょうか。あるいはブックレットにして出版ができないでしょうか? できるだけ早急に出版してほしいです。

選挙権が 18才以上になりましたが、主権者教育ばかり叫ばれていても、肝心の「選挙制度」については、いい情報がありません。大人も含めて、こんなにも民意を反映しない小選挙区選挙について、ほとんど誰もきちんと考察も批判もしていません。それなくして、ただ単に「投票に行こう」はない。口を開けば「無党派層をいかにとりこむか」なんて、おかしいです。

比例代表選挙に変革したいという人を増やすためにも、僕は 三井マリ子さんの、この連載を広げる運動をしていきたい。この連載を土台にして議論しあうのです。本当の世直し改革の方向性がここにあります。"共に"頑張りましょう。

田口 房雄 (緑の党 Greens Japan 会員)

【写真:第25話に登場するヒシュティ・グロンダ―ル。教員のとき保育園不足に悩み保育園増設運動から市議に。後、国会議員、そしてノルウェー初の女性の国会議長に。足もとにあるリュックサックを背負って電車通勤。女性運動家が議員になれるのも比例代表選挙のおかげ】

(注)さみどりの会ホームページ 「連載 衆院秋田3区の政党交付金」に保管されている。c0166264_15134969.jpg
2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。さみどりの会ホームページは女性と選挙・政治を考えるサイト。裁判は2015年11月和解で終わった
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by bekokuma321 | 2016-05-04 23:44 | ノルウェー

民主主義度が世界で最も高い国はどこの国? 

2015年は、ノルウェーだ。

英誌『エコノミスト』の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」による、「民主主義指数2015年」(Democracy Index 2015)

英文報告書によると、5つのカテゴリー別に、いくつかの項目を10点満点で採点して、世界167カ国を比較している。以下は質問を簡単に訳したもの。

① 選挙過程と多元主義electoral process and pluralism:
「国会議員選挙、首相選挙、地方議会選挙が自由に公平に行われているか」「政党の政治資金の出し入れは透明であるか、かつ一般に受容されているか」など12項目

② 政治機能functioning of government:
「自由選挙で選出された代表が政策立案にたずさわっているか」「国会が、他の行政機関よりも上位にある最高の議決機関であるか」など14項目

③ 政治参加political participation:
「投票率」「少数民族や少数派があげた声が政策過程に反映されるか」「国会議員における女性の割合」「政党や政治団体への参加率」など9項目

④ 政治文化political culture:
「安定した機能的な民主主義を支えることに世論は合意しているか」「議会や選挙を無視するような強いリーダー像を望んでいるか(筆者注:望む文化だと減点)」など8項目

⑤ 市民的自由civil liberties:
「インターネットや新聞を含むメディアが政治権力に支配されないか」「労働組合を自由に組織化できるか」「異なる政治的意見が公開で自由に議論されているか」など17項目

先進国であるはずの日本は23位。「不十分な民主主義の国」の仲間入りした。でも、私から見ると、23位でも評価が高すぎると思う。

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たとえば、①選挙過程と多元主義には、「政党の政治資金の出し入れは透明であるか、かつ一般に受容されているか」という質問がある。

政党支部(これも政党)の代表だった私は、選挙を体験して、政治資金の透明性は確保されていないと明言できる。私自身もそうだったが、一般の人にはとてもわかりにくい。年間320億円という巨額の公費が政党の政治資金に回っていて、どのように使われているかがわかりにくいのだから、「透明である」とは言えない。ましてや「受容されている」とは口がさけても言えない。

さらに、②政治機能には「国会が、他の行政機関よりも上位にある最高の議決機関であるか」という質問がある。つい先日、衆院の委員会で、選挙制度が改悪された。衆議院議員数の削減だが、比例区まで削減された。わずか3日間で・・・。内容は、衆議院議長の諮問機関にすぎない「調査会」の答申に沿ったものだ。これなどは、国会での権限を調査会に投げたようなものではないか。

そんな不十分なプロセスで、またまた女性の政治参画を阻む比例区削減が決められたのだ。比例区こそ、衆議院に女性が入り込める枠である。日本は並立制選挙で小選挙区制が中心なので、比例代表制の持つ特質が十分反映されているとはいえないものの、それでも、女性議員の当選者は比例区が多い。

それと、ノルウェーと日本でもっとも格差があるのは、「③政治参加」だ。その中の指標に、女性の国会議員率がある。ノルウェーは、国会の女性議員は約40%、日本はわずか9%(衆院)だ。

もとにもどってしまうが、この9%というわずかな女性議員率でさえ、比例区が削減されれば、上がる見込みなどなくなる。

おいおい、これでは、2年後の民主主義度で、日本はまた下がるぞぉ!

世界一民主的な国
世界一民主主義の国はノルウェー、日本は22位
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by bekokuma321 | 2016-05-03 15:35 | ノルウェー

c0166264_0231454.jpg「世界一住みやすい」極北の町ノルウェー・フィンマルク県バドソーに乗り込んだ三井マリ子さん。この極寒の町の人々が本当に住みやすいと思っているかを確かめるには極寒の季節だと、2011年2月に出かけた。

その「ルポ:平等の国ノルウェーの選挙」は、ノルウェーと日本の選挙文化の違いを改めて思い知らせてくれた。

2012年12月、秋田で衆院候補となった三井さんが受けたなんとも醜悪で陰惨な「いじめ」。裁判報告や連載で知った後だけに、ノルウェーの選挙の公明性・公開性に、隔絶の感がある。

政党の公認候補は密室の中で、票を集められそうな有名人を国会議員が一本釣りという候補者選びが一般的な日本。三井さんも国会議員から執拗なほどの要請があったものの、選挙区で党員会議らしい会議は開かれなかったという。

対して、ノルウェーの選挙候補は、推薦法という法律に即して、各選挙区の政党の「推薦委員会」で原簿が作られ、「推薦会議」で決定するのだという。

その政党の候補に、現役の高校生も名を連ねて、その高校生が議員に当選したと、三井さんはルポしている。驚き以外の何物でもない。

「第20話 高校生が市議になれる理由」(pdf)は、ノルウェーでは学校教育と政治がいかに共生しているか、「『政治に親しむ教育』がいかに日常的に行われている」かが書かれている。中高校生のスクールエレクション、小学生の政党候補者取材……。

日本では、唐突に選挙権年齢が引き下げられ、18歳から投票できるようになった。では、ノルウェーのように、政治に親しむ教育が行われているか。否。それとは逆の、学校教育から締め出してきた歴史がある。今回も、高校生の政治活動を学校に報告させるという教育委員会もあるらしい。18歳の高校生に政権側に票を入れてもらいたいだけで、主権者として政治的意見など持ってもらいたくない政権側のもくろみが、私には見えてくる。

それに引き換え、全高校の8割以上もの高校が実施するという、ノルウェーのスクールエレクションは垂涎である。実際に学校内で選挙運動や投票を経験することは、高校生の自主性と政治意識をどれほど涵養することだろう。堂々と質問し主張する高校生と、彼・彼女らにしっかりと答える政党代表者や候補者。こうした光景を日本で見られる日がくるのだろうか。

♪世の中のジョウシキ何も知らなくていい
 メイク上手ならいい
 ニュースなんか興味ないし
 大抵のこと 誰かに助けてもらえばいい♪
(「アインシュタインよりディアナ・ロス」作詞・秋元康、歌・KKT48)

こんな歌が売れる日本だ。しかし、「この歌詞がひどすぎる!」とネットが炎上した。そこにわずかに望みがあるのかも――と考える私だが、それではあまりに哀しすぎる。
 
木村 昭子(さみどりの会 *)

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▲おそろいのTシャツで、労働党候補を応援する高校生。オスロ市内(撮影三井)

「ルポ:平等の国ノルウェーの選挙」は、連載「衆院秋田3区政党交付金」にはいっている。
■第23話 庶民の足元に根をはる政治
■第22話 むかし魔女、いま大臣
■第21話 酪農をとるか、市長をとるか
■第20話 高校生が市議になれる理由
■第19話 極北の町を見捨てない国
■ルポ:平等の国ノルウェーの選挙
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(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。さみどりの会ホームページは選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイト。裁判は2015年11月和解で終わった
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by bekokuma321 | 2016-04-17 19:57 | ノルウェー

ノルウェーのキリスト教民主党党首が男性から女性にかわった。

理由は、党首が育児のため父親休業(パパ・クオータ)にはいったからだというから、これまたノルウェーらしい。

ノルウェーは、今回の人事変更で、主要8政党のうち5政党の党首が女性となった。主要政党とは、国会に議席を有する政党。地方議会もいれるとゆうに20は超える。

5政党とは、保守党、進歩党、自由党、緑の党、キリスト教民主党。残る3政党は、労働党、左派社会党、中央党だが、この3党は、すでに何度か女性を党首に冠したことがある。

ついでながらノルウェーは、現在、首相、経団連会長、労働者連合代表、最高裁長官という、政・財・労・法の世界のトップが全て女性である。

5 out of 8 Parties in Norway are Led by Women Now
Eriksen tar over KrF mens Hareide tar pappaperm
Hyller KrF-Hareide for åpenheten
連立の3政党党首全て女性
「ノルウェーが幸運なのはノルウェー女性がいるからだ」―首相

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▲2009年の主要政党党首。当時すでに7政党中4政党が女性。
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by bekokuma321 | 2016-04-06 22:59 | ノルウェー

c0166264_2524547.jpg2月のノルウェーのニュースだが、先住民族の権利について考えさせられたので、かいつまんでお知らせする。

現在、ノルウェーは保守党と進歩党による右派中道政権。その進歩党の議員が、2月6日の「サーミ国民の日 Sami National Day」に、「サーミが自分たちの国を持っているとは。なら、サーミ議会やサーミ文化は、自分たちのカネでやるべきだ」とツイッターした。

サーミ人は、トナカイ遊牧民として知られれる先住民族で、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアに住んでいる。かつてラップ人と呼ばれていた。

進歩党議員の発言に数多くの反論があった。ノルウェー放送協会NRKはサーミの代表的意見を大きく報道。

「祝日を傷つけ、勢いをそぐものだ」

「異なった民族へのいじめであり嫌がらせである」

「政権を握っている党の国会議員から出た発言だからこそ、深刻である」

「サーミ議会を矮小化し、サーミ語、サーミ文化を弱体化させることになる。20年間、サーミ人について、ノルウェーでは理解が高まり支持も増えてきたが、現政権は、ほんの数年で、その多くを変えてしまった」

「サーミ嫌いの焼き直しがまた表れた。失望したが、特別に驚きはしなかった。進歩党からこのような考えが出たことは新しい動きだ。彼は歴史を理解し、使う言葉の背景をもっと知る必要がある。だが、彼のような考えは、現在では珍しくなっている」

サーミ議会議長アイリ・ケスキターロ(Aili Keskitalo、写真上)はさらに激しい怒りを示した。19世紀にサーミ人の権利のために命を賭けたエルサ・ラウラ・レンベルグ(Elsa Laula Renberg)が、彼女を奮い立たせると言う。こう語った。

「この政権で、私たちはどんどん否定されてきています。予算のつけかたが違ってきています。サーミの優先課題から予算を削減することは、組織的差別です」

「2月6日は、大勢の子どもたち、音楽、ダンス、料理と最高に素晴らしい日でした。私が子どものころは、2月6日はなんにもなかった。でも、サーミ議会が1989年に創設され、変わってきました。サーミの文化、歴史、シンボルが花開いた。サーミコミュニティを強くするために、サーミ国民の日は必要なものです」

19世紀半ばの、サーミ人への残酷かつ徹底した搾取を描いた、「カウトケイノの叛逆」という映画を観たことがある。ノルウェーでも、先住民が言語を奪われ文化を抹殺されかかったのだ。

しかし、サーミ議会議長が尊敬する組織運動家エルサ・ラウラのように運動を続けたサーミ人が、その歴史を変えてきた。

資料によると、1917年2月6日、エルサ・ラウラは、サーミの権利擁護のために、初めてのサーミ大会を組織化し、開会スピーチをした。国境を超えて連帯しようと、力強くよびかけた。

時代は、20世紀初め。サーミであり、しかも女性が、権利の擁護を講演して回る姿は到底理解してもらえず、批判の嵐。なかには、彼女を「キチガイinsane」と書いた新聞もあったそうだ。

しかし、彼女が提唱した2月6日は、ノルウェーでは1992年から、サーミ国民の日とされた。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアでも共通に祝われる。

ノルウェーは、国会にもサーミ人が選出されているが、別途、カラショークにサーミ議会があり、全国からサーミ議員を選んで、教育、文化、暮らしの課題を審議し決議する。議会の男女比はほぼ半数。

憲法には、「サーミの民族集団がその言語、文化、生活様式を維持・発展させることができるよう諸権利に関する条件を整えることを国家機関の責務とする」(第110条のa)(訳:小内透北大教授)と、明記されている。

他方、日本のアイヌ民族代表は、萱野 茂さんが初めて国会議員を1期つとめたあと、誰も選ばれていない。
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Vi trenger nasjonaldagen
Sami still battling discrimination
Elsa Laula Renberg (1877-1931)
Q&A: Aili Keskitalo on Saami Land Rights in Norway
Hendelsen mot samisk ungdom er veldig grov
サーミ 4ヶ国に暮らす民族
サーメ社会を仕切る女性市長
サル・バランゲル市の女性市長
ノルウェー地方選レポート4:北部ノルウェーを支えるサーメ女性たち
164年間の男性独占の歴史を破り市長に
映画「カウトケイノの叛逆」
速報:国連女性差別撤廃委員会が日本審査をうけて総括所見を採択。マイノリティ女性に関する勧告多数あり

【写真上:サーミ議会議長のアイリ・ケスキターロ、下:サーミ議会。どちらもKarasjokにて】

追記:ノルウェー王国大使館によると、Samiの日本語表記は、
「サーミ語の発音では『サーミ』、ノルウェー語では『サーメ』となることから、『サーミ』『サーメ』の両方の表記が存在します」。FEM-NEWSは、これまで「サーメ」を使用していたが、今回「サーミ」とした。サーミ国民の日はノルウェー語でSamenes nasjonaldag
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by bekokuma321 | 2016-03-28 03:33 | ノルウェー

ノルウェー・ペン協会は、エドワード・スノ―デンにオシエツキー賞を授与すると決定した。授賞式は11月18日。式に参加できるよう全力で働きかけると語っている。授賞理由は、命がけで米政府のインターネットと電話回線による情報傍受を告発した勇気ある行動。

オシエツキー賞は、表現の自由ために傑出した業績を残した人に授与される。オシエツキー賞は、カール・フォン・オシエツキー (Carl von Ossietzky、1889―1938)をたたえて設けられた。

オシエツキー は、ドイツの平和主義者であり、ジャーナリスト。1931年、ドイツがヴェルサイユ条約に違反して空軍に関して再軍拡を進めている事実を暴いた。そのことで国家反逆罪に問われた。ナチス政権となってからも、軍拡とナチズムを非難する文章を表したことによって逮捕され、強制収容所に送られた。1936年、ノーベル平和賞を受賞したがドイツ政府が国外に出ることを許可せず、授賞式に参列できなかった(wikipedia)

このような賞を設けているノルウェー・ペン協会の姿勢に、深い敬意をささげたい。

Edward Snowden wins 2016 Ossietzky Prize
Edward Snowden – Ossietzky of our time
スノ―デン、ノルウェーの表現の自由賞を受賞 
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by bekokuma321 | 2016-03-20 23:54 | ノルウェー

c0166264_1514528.jpg今年、5663人がノルウェー警察大学校に志願したが、その半数が女性だった。このうち何人の女性が合格するだろうか。楽しみだ。

警察大学校の校長ニーナ・シャルぺネ(女性!)は、こう取材に応えている。

「今年、ふたたび、大勢の志願者が出てたいへんうれしい。これは、もちろん、警察官の仕事が魅力的だからだと確信しています。それに、女性志願者がどんどん増えていることも喜ばしいことです。大学校の目的は、学生の少なくとも40%、警察官の少なくとも40%を女性に増やすことですから」

オスロ警視庁総監に女性が初めて就任したのは、確か1994年ごろだった。その女性初の警視庁総監インゲリン・キレングリーンに直接取材したとき、彼女は「警察学校の40%を女性に増やすことです」と言っていた。

ノルウェーはあらゆる分野への女性の参加を奨励していたが、警察分野も例外ではなかった。

1995年の志願者 2980人のうち47人がマイノリティ。入学者250人。うち9人がマイノリティ。女性ゼロだった。徐々に変化してきて、2011年は3369人が志願し、うちマイノリティは131人。入学者は720人で、うち25人がマイノリティ、8人が女性。

すぐに変化は起こらないが、目標をたてて、確実に変えようとする政治的意思が感じられる。

Rekordmange søkere til Politihøgskolen
5663 vil gjerne slå følge - og bli politi
叫ぶ芸術「警察官のセクハラ防止会議」
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by bekokuma321 | 2016-03-20 15:02 | ノルウェー

「恐ろしくきつい。おなかはペコペコだし、体はくたくたです。何もかも、もう限界です」

10代の若者が言った。

「でも、本物の難民だったら、もっともっとひどいのは、わかっています」という言葉で、正体がわかる。

彼はエッベ・シェールドロプ。ノルウェーに住むノルウェー人だ。普段は洒落た格好でスマホを手放さないノルウェーの若者の1人だ。

難民体験学習に参加して、難民一家の父親役をした。場所は、空港のあるガ―ドモエン近くの軍事基地で、金曜から日曜に行われる。

「私たちは、なんて幸福なんでしょう」と、ひどい過労で目をショボショボにしてこう言うのは、参加したビルギッテ・ソ―リという少女だ。

今年の難民体験学習は、ヨーロッパの難民問題の深刻化の影響もあってか、各国で大きく報道された。そのおかげで私の元にも、今朝、ニュースが届いた。で、簡単に訳してみた。

かねてからノルウェーには、難民体験学習というユニークかつ有意義なプログラムがあった。難民問題にむきあうために、難民体験学習プログラムを続けている。

「難民とノルウェー」が主催する。2004年ノルウェー北部の都市トロンハイムで創設された非営利団体だ。

外国人に対する恐れやいらいらが増えている社会の現状に対して何かすべきだと考えた人たちによって誕生した。難民体験学習は、教育者たちとの共同で生まれたあたらしい概念で、プログラムの目標は、難民であるということは実際どういうことか、難民は政府や市民からどんな待遇を受けるのかについて、本質を見抜く力と感情を持ってもらうことだという。

空腹と寒さと安眠できない体験をしたところで、難民本人にはなれないことはもちろんだ。しかし、多感なテ―ンエイジャーの体験は、難民問題への理解を一歩進めるに違いない。ノルウェーの知恵に驚くばかりだ。

Nye konfirmanter klare for Camp Refugee
Norwegian Teens Play Refugees Day
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by bekokuma321 | 2016-03-12 23:27 | ノルウェー