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c0166264_1116543.jpg大学1年になる親戚の男の子が、「18歳になったので今年から選挙権があるんだけど、よくわからないから結局棄権してしまった」と言ったのが気になっていました。

そんな時、三井マリ子さんの「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」に参加しました。

まず、高校生議員が生まれる背景を知りたかったのですが、何と小学生から授業の中で実際の政治に触れ、政党への政策アンケートを小学生自身が作成したり、高校では立候補者を学校に招いて選挙討論会も実施されるという。やはり高校生が議員に立候補するまでには積み重ねがあったのだと実感しました。

ノルウェー公職選挙法では、18歳から投票できるだけではなく、立候補もできるとのことですが、「18歳になったら、原則として誰もが立候補する覚悟をする」という言葉が印象的でした。

投票ができるようになった日本の18歳も、もっと選挙や政治を身近なものにしていくことが必要だと思いました。ただ、落選確実と思って立候補したら当選してしまったというノルウェーの女子高生、1期やって政治家は向かないと2度と立候補しなかったようですが、彼女は任期中、どんな仕事ぶりだったのかを知りたい気がしました。

もう一つ驚いたのは、ノルウェーなど北欧諸国では、基本的に地方議員はボランティアであるということです。ボランティアだから、様々な職業の方が議員を務め、女性議員が3分の2を占める議会も出てきているのだろうという気がしました。

日本ではお金がなければ選挙にも出られないし、政治とお金の事件は後を絶ちません。比例代表制という民意が反映する選挙制度で、候補者は選挙にお金をかける必要がまったくないから、高校生も立候補し、当選できるのでしょう。

そんなノルウェーの議会も100年前は男性がほとんどだったことが、当時の写真からわかりました。まだまだ課題は山積ですが、日本でももっと女性議員が増え、過半数を超えるような時代が来るのを期待したいものです。

近江 真理(元都立高校教員)

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小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
ノルウェーの2013年国政選挙
スクール・エレクション

■ノルウェー王国大使館「ノルウェーの地方選挙レポート 2011」
第1回 「女のクーデター」再び -平等・反差別オンブッドは語る
第2回 選挙運動を担うソーシャル・パートナー
第3回 女性参政権100周年から子ども参政権へ
第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち


【写真上:高橋三栄子撮影、下:三井マリ子作成PPTデータより】
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by bekokuma321 | 2016-11-26 11:29 | ノルウェー

ダウン症の人「毎日幸せ」9割超――今朝の朝日新聞の見出しだ。私まで幸せな気分になった。

知的発達の遅れや心疾患を伴うことの多いダウン症だが、「豊かな感性や知性を発揮して活躍する人も多い」という。記事(岡崎明子)を読みながら、2011年秋、ノルウェーで出会ったニュースがよみがえってきた。

ノルウェーでは地方議会選挙と同時に、キリスト教区議会議員の選挙も行われる。その教区議員に初当選したダウン症の女性が紹介されていた。

当時の報道によると、教区議会に当選した女性はハンナ・アースタ(Hanne Aarstad, 29歳)。オスロの南部にあるフレデリスタに1人で住んでいるワーキング・ウーマンだ(注1)。小・中学生向けキリスト教クラブの指導者をつとめている。

フレデリスタを含むキリスト教教区の議会の議員候補になってほしいと言われた彼女は、すぐ「いいですよ」と。「とてもわくわくするような、挑戦的な仕事だと思ったから」だという。

取材に応えた彼女の言葉をいくつか和訳してみた。

「ダウン症がくれたチャンスを生かすことは重要なことです」

「あまり自分がダウン症だと感じたことはないのです。多くの人は私をずっと他の人と同じように見てきたと思うし、私も自分の症状のことばかり考えてはいません。中学の頃は考えましたが、今は、あまり考えることではありません」

「私はごく普通のワーキング・ウーマンです」

「私たちには何でもやれる能力があります。することに少し時間がかかりはしますが」

「議員に当選して、今日は自分にケーキを買って自分にお祝いをします。教区議員の仕事については今はまだよくわかりません。でも、教会をよくするために何ができるか考えたいです」

「私に、議員候補になってほしいと声をかけてくれたことに感謝します。ソーシャル・インクル―ジョン(障がい者などが社会に溶け込むこと)には、必要なことです」

ドキリとさせられる珠玉の言葉の数々。ノルウェーの徹底した平等教育の賜物に違いない(注2)。


【注1】ハンナは、2003年ごろ、FASVO社でサンドイッチなどを作る仕事をしていた。FASVOはフレデリスタ市が出資して1993年に創設された会社。日本でいうハローワークと連携しながら、障害の具合に適応した就業形態をつくりあげて、障がい者を雇用している。訓練のほか、パン、ケーキ製造販売や宅配、カフェテリア経営など、いろいろ。

【注2】ノルウェーには、障害を持つ子だけを集めた特別の学校はない。他の生徒と同じように一般の学校に入学して学習する。大きな特徴はその生徒に補助教員がつくことだ。しかし心身障害の程度もさまざまであり、教科によって対応が難しかったり、教員不足だったり、問題がないとはいえず絶えず議論されているようだ。ハンナは、Glemmen videregående skole卒業と書いているが、これは一般の高校である。

Til topps med Downs syndrom
日本ダウン症協会
Norsk Nettverk For Down Syndrom
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          ▲ノルウェーのStave Church.(本文とは関係ありません)
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by bekokuma321 | 2016-11-24 23:56 | ノルウェー

久しぶりに三井マリ子さんの講演「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」を聞いた。政党交付金にまつわる厳しい裁判を終えた三井さんは、すっかり変貌していた。

「政党交付金や選挙制度について勉強しましたから、今はよくわかります」と、苦悩の衆院選体験を笑って語り、タフさが戻ったかのようだった。

衆院選とその選挙にまつわる裁判を闘った三井さんは、講演の冒頭で「1 小選挙区制は悪い制度である」と、石川真澄と阪上順夫の本から引用した。そして、「2 比例代表制は民意を反映する」と言った(左下Moreをクリックして末尾PPTを参照)。この2点を証明するかのように比例代表制をとる「ノルウェーの選挙制度」が紹介された。

c0166264_20443766.jpg講演の最後のほうで、ノルウェーの小さな自治体「オーモット市」の議員一同がアップされた。100年ほど前のものだという。女性は端っこにただ一人。男性は一様に黒っぽいスーツにネクタイ姿。年齢も似たり寄ったりの高齢層。表情さえ似たり寄ったりの強面だった


c0166264_20482020.jpg次に映されたのは、100年経った、同じ「オーモット市」の現在の議員一同だった。その前列は、女性で占められ、男性は後ろの列に並んでいる。多様な年齢層。服装もカーディガンにパンタロンの女性あり、ワンピース姿の女性あり。男性もセーターあり、ワイシャツ姿あり、ジャケットあり、といった具合だ。年齢、性別、服装、のどれをとっても一色におさまらない。このオーモット市は地方選挙後、女性の当選割合68%である、と大きく報道されたとか。
 
北欧諸国のみならず、ヨーロッパの多くの国々では、地方議員は無報酬のボランティアが多いと三井さんは言った。報酬はないが、住民からの強い信頼と尊敬の念を得て働くのだという。

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by bekokuma321 | 2016-11-16 21:30 | ノルウェー

日本でも18才以上に選挙権が与えられるようになりましたが、被選挙権がないことは議論にすらなっていません。そんななか、三井マリ子さんの「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙制度」という講演会があり参加しました。

もし日本で主権者教育が高校生になされているならばの話ですが、その主権者教育には「どんな選挙制度があるか、その比較やプラス・マイナス」を取り上げるべきです。現行の、小選挙区中心の選挙制度を前提した教育ではダメだと思います。

FEM-NEWSの読者に高校教員がいたら、僕に連絡してください。三井さんが作成したレジメをお渡します。そのレジュメにある「1: 小選挙区制は悪い制度である」 「2: 民意を反映する選挙は比例代表制」 を生徒に知らせて、こういう意見があるが、どう考えるかと、みなで議論をすることが今、きわめて大事だと思います。

議論の参考資料として、ノウェーの比例代表制選挙をわかりやすく説明した、「3~6:女子高校生議員」 「7: スクールエレクション」 「10: 選挙は人を選ぶのではなく政党を選ぶ」などを見せるといいと思います。

ノルウェーの投票は人に入れるのではなく政党に入れるのですから、候補者は名前や顔を売る必要が全くないため、候補者に1円の負担もかかりません。選挙期間もなく、戸別訪問や政策討論会がメインですから、日本の選挙戦での騒がしすぎる名前の連呼をしなくてもよい。地方議員は完全ボランティア(無報酬)ですから、さまざまな職業の人や学生が議員になって、多様な意見がとりいれられる。代理議員がいるから、現職議員は休職して出産、介護、病気治療などを当たり前にできる。

こういう具体的なノルウェーの事実を知ると、日本とノルウェー、どちらが人に優しい選挙制度なのか、を生徒たちは自然に理解すると思います。

「集団的自衛権」「TPP」「原発」といった課題を学校で扱うことは大切ではありますが、党派的に偏ることを恐れる教員たちが敬遠してしまいがちです。しかし、「どんな選挙制度があるか? その選挙制度のプラス・マイナスは?」は公共的領域の問題であり、政治的に「中立」ですので、学校で扱いやすいのではないでしょうか。

もちろん「全ての議会を人口比と同様に男女半々にする」ことを世界が目標にしているときに、日本では約370自治体にただの1人も女性議員がいないことを、生徒たちに知らせて、なぜなのか、どうすべきかを議論させて欲しいです。かならず選挙制度に行きつきます。

「選挙制度を変えること」と、理想的政治に一歩近づくこととは因果関係があります。もしこれを読んでいる高校教師のかたがいたら、頑張って下さいね

田口 房雄(元公立中学校・社会科教師)
連絡先:danjyohanhan-gikai(A)docomo.ne.jp  (A)を@に変えてください。

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▲「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙制度」(三井マリ子作成PPT)より


「これでいいのか日本の政治家」を読んで
比例を切るな!
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2016-11-15 02:36 | ノルウェー

来年はノルウェー国会議員選挙がある。それに向けて、今秋、県の政党は候補者リスト原案を固める。

最大の選挙区はオスロで、19議席ある。そのなかで最も票をとる政党は労働党。そのオスロ労働党がやっと候補者(原案)を決めたようだ。

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ノルウェー国会

オスロの国会議員定数19をめぐって8,9政党がしのぎを削る。比例代表制なので政党の獲得率に比例して議席数が決まるのだが、労働党はだいたい6議席をとっているので、6番目までは「安全地帯 safe seat」だ(注)。

そのオスロ労働党1番から6番まで、誰になるのか、さまざまな憶測が飛んでいた。というのも、首相だったイエンス・ストルテンベルグの引退に加え、ベテラン女性議員マリット・ニーバックが引退し、パキスタン系の女性国会議員ハディア・タジク(労働党副党首)が地方に移籍することになり、新人の入り込む余地が多いからだ。

ノルウェーのメディアや友人らの話によると、前首相に代わる1番は、党首ヨーナス・ガール・ストーレ(元外務大臣)と動かない。問題は、女性国会議員2人の空席を誰が埋めるからしい。少数派の女性を探しているのだという。

そして、今日、メディアでオスロ労働党の候補者リスト案が公表された。6番目までを見ると、性別は、男→女→男→女→男→女の順番となっていた。

1位ヨーナス・ガール・ストーレ(党首、前外相)は予想通りだった。2位マリアンヌ・マッテンシェン(国会議員)、3位ヤン・ブーリル(国会議員)、4位シーリ・ゲ・ストーレセン(国会議員)、5位エスプン・バース・アイダ(前外務大臣)、6位サイネブ・アル=サマライ(弁護士)だ。

感心したのは、6位にサイネブ・アル=サマライをすべりこませたことだ。

彼女は、典型的少数派イラク系ノルウェー人だ。7歳のとき、ノルウェーにやってきたイラク移民の家庭に育ったという。現在は弁護士として活躍し、オスロ市議会代理議員に選ばれている。ハディア・タジク(労働党副党首)もそうだが、サイネブ・アル=サマライは、移民家庭の子どもであっても最高レベルの教育を受けてきた。これは、ノルウェーでは教育費が小学校から大学院まで無料であるからだろう。

そして、繰り返しになるが、政党中心の比例代表制選挙だからこそ、彼女のような女性が国会議員の有力候補になれるのである。


Espen Barth Eide gjør comeback i norsk politikk
あざやかな歴史
何と爽やかなノルウェーの選挙!
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
小選挙区制は女性の声を捨て去る
2014衆院選 比例制に変えるしかない
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】政党は、候補者リストにできるだけ多くの候補者名を載せ、広範囲の集票を期待する。2013年の国政選挙で、オスロ労働党の候補者リストは25人(定数19+6)だった。男13人 (52.0%) 、女12 (48.0%) とクオータ制を守っている。 最高齢74 歳、 最年少20 歳、平均45歳と年代も広い。日本の実態からすると議員は市民の代表という基本を堅持しているように見える。しかし、ノルウェーの新聞には、政治家や政党関係の職業が多く、一般市民の代表とはいえないと厳しく批判した記事もあった。
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オスロ労働党が10月末に公表したオスロ選挙区の候補者リスト原案。7番から25番までは割愛。意見があれば1ヶ月以内に出せる。その後、「候補者選定委員会」で議論・決定され、年内には2017年秋の国政選挙候補が確定する
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by bekokuma321 | 2016-11-02 18:38 | ノルウェー

c0166264_22573811.jpg10月10日は、世界精神保健デーだ。この日、ノルウェーはオスロの国立劇場で、「オープンネス賞Openness Award」の授賞式を大々的に催す。マスコミも大きく報道する。

この賞は、大変な努力の末に勇気をふるって自らの病気を公にして、精神病へのステグマ払拭に貢献した人に与えられるものだという。入賞すると、入賞者の希望にそって1万クローネを寄付する権利と記念品が与えられる。

今年のオープンネス賞は、ポップ歌手アグネッタ・ヨンスン(Agnete Johnsen、22歳)が受賞した。

アグネッタ・ヨンスンは、今春、ユーロヴィジョンにノルウェー代表で出場して、「アイスブレイカー」を歌った。しかし、ファイナルには出場できず、最優秀賞は逃した。「ひどい精神的病いに悩まされて、体も心もボロボロで歌どころではなかった」と語っている。

報道によると、14歳のときから、ひどい欝(うつ)の症状が出始め、高校を2度中退せざるをえなかった。テレビ番組を降板したこともあり、その際も欝や他の精神病に苦しんでいることを明かしたという。

アグネッタ・ヨンスンは、ユーロヴィジョン後、仕事も記者会見もすべてをキャンセルしており、10月10日も本人は授賞式に出られなかった。「オープンネス賞」の受諾スピーチは代読された。それによると、「両親は、私たち子どもに、自らの否定的側面や苦しい日々について話していいのだと教えてくれた。そんな親に感謝したい」と述べた。

アグネッタは、ノルウェーの先住民族サーミである。1万クローネは、彼女の自宅近くの「ヴァドソー(Vadsø)若者センター」に寄付する予定だという。 Vadsøは北部フィンマルク県の自治体で、北緯70度という厳寒の地にある。

精神病に対する偏見はどこにもある。だからこそ、WHOは世界精神保健デーを設けたのだろう。精神病への偏見を少しでもなくそうと、国ぐるみで工夫しているノルウェーの姿勢に打たれる。

ところで、わが日本政府は、いったい何をしてきたのだろう。

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▲Vadsøの港。2011年、ノルウェーの平等政策が本物かを確かめたくて、最も過酷な地と考えられるVadsøを取材した。ルポ「極北の町を見捨てない国」参照。


Agnete Johnsen (22) er vinner av Åpenhetsprisen 2016
Ailing Eurovision singer wins prize
「むかしMattoの町があった」と金子準二精神科医
精神疾患を公表したノルウェー現職首相の思い出
映画「むかしMattoの町があった」
先住民サーミのファイトバック
ノルウェー地方選挙レポート2011_第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち
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by bekokuma321 | 2016-10-28 23:21 | ノルウェー

あざやかな歴史

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2016年のオーモット市議会

先日、市議会議員19人のうち女13人、男6人、女性が68%も当選したオーモット市議会に行った。上が、その議会の写真である。

オーモット市は、ノルウェー内陸部にある森林業が主産業の、人口約4500人の町だ。

選挙が行われたのは1年前だった。当時、新聞は、「女たち、議会を支配」という見出しで大々的に報道した。「全国的にどうかはいちがいに言えないが、きわめて珍しい」とリリハンメル大学の選挙専門教授がコメントしている。

ちなみに政党は、中央党が第1党で、労働党、左派社会党、保守党、進歩党とつづく。人口5000人に満たない小さな市にもかかわらず、4党から議員を出していて、多彩に見えるが、ノルウェーでは一般的だ。

選挙から1年たって、写っているのは、よく見ると女性議員11人、男性議員8人だ。「あれっ、女性議員が2人足りないのでは?」。オーレ・グスタフ・ナルード市長は私にこう説明した。

「選挙後、ある女性議員の職場がオスロに変わって、彼女がオスロに引っ越したため、そのポストに代理議員(男性)がつきました。さらに、この日だけのことですが、海外出張だった女性議員がいて、彼女の代わりに代理議員(注1)が出席しました。その代理議員は、たまたま男性だったのです」

オーモット市は、市長は男性だが、行政のトップである事務総長は女性だ。ノルウェーは選挙で選ばれる市長とは別に市の幹部のナンバーワン・事務総長がいて、市政は市長と二人三脚で運営される。

市長は、大勢の女性に囲まれて「いよいよ男性のクオータ制(注2)を本気で考えなくてはいけないときがきました」と、私を見て笑った。

しかし、このオーモット市議会も、男性だらけの時があった。

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1926年のオーモット市議会

上の白黒写真は、90年前の同じオーモット市議会の集合写真である。みな同じような黒い背広を着てネクタイをしめている。ネクタイなしは、女性議員1人だけだ。

2016年と1926年の2枚を比べて、多様な社会にふさわしいのはどちらだろう? 市民の代表者で構成される場にふさわしいのはどちらだろう? 保育園、小学校、ナーシングホーム、公園、身近な生活道路などの課題を議論する場にふさわしいのはどちらだろう? それはあまりにも明らかだ。

このあざやかな歴史をつくった主役は、比例代表制選挙によるクオータ制だと確信している。

さて、わが日本。女性たちが選挙権を獲得して70年たった。しかし時計の針がとまったかのように、この国には、女性議員の誰ひとりいない「女性ゼロ議会」が約370もある。


【注1】ノルウェーの地方議員は、仕事や学業を持ちながら職務をこなす、いわばボランティアだ。議員報酬はない。議会は夜行われることが多く、仕事を終えた後、議会に出る。そんな議員が、仕事から離れられなかったり、子どもが病気になったり、育休や教育休暇などで、議会に出られない場合、その議員職を代行する人を代理議員という。選挙は比例代表制だから、政党の獲得票率に比例して当選者数が決まる。その議員数(当選者数)と同数の代理議員が選ばれる。常に、ピンチヒッターがスタンバイしているといえる。また、国会議員の場合、ノルウェーでは閣僚と議員の兼務はできないので、閣僚となった議員のポストは代理議員によって埋められることから、代理議員が国会議員となるチャンスは小さくない。
【注2】物事を決める公的な場は、一方の性が40%を下回ってはならないとする制度。男女平等法で定められている。政党に直接同法は及ばないものの、ノルウェーの場合、政党の多くは選挙候補者を決める際、クオータ制を率先して実行してきた。そのため、候補者の4割から6割は女性である。比例代表制なので、当選者もほぼ4割が女性となる。オーモット市議会19議席の男女数は労働党(3、2)、進歩党(0、1)、保守党(0、2)、中央党(3、6)、左派社会党(0、2)だった。

参考リンク
■ノルウェー王国大使館「ノルウェーの地方選挙レポート 2011」
第1回 「女のクーデター」再び -平等・反差別オンブッドは語る
第2回 選挙運動を担うソーシャル・パートナー
第3回 女性参政権100周年から子ども参政権へ
第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち
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by bekokuma321 | 2016-10-21 22:16 | ノルウェー

c0166264_13381888.jpg10月14日(金)、オスロの国立博物館の「警察医務室前のアルバーティン」前には、高校生が大勢いた。解説者の話を聞きながら絵を見つめていた。

「警察医務室前のアルバーティン」は、1880年代、ノルウェー政府を公娼制廃止に導いたとされる絵画である。

2016年のノルウェーは、法で、買春する側(男性がほとんど)とあっせんする側を禁じている。金でセックスを買う人を罰することでプロステチュートを減らそうというものだ。しかし、オスロのある地区では、夜になると売買春婦らしき姿をよく見かけると友人たちは言う。移民難民の増大も要因のひとつだともいわれている。さらに、ネットによるポルノ写真の拡散は深刻な社会問題だ。

ノルウェーの性の商品化は、日本など多くの国々と同じように、加熱するばかりだ。そんな21世紀のノルウェーの高校生たちは、19世紀の歴史的絵画をどんな思いで見たのだろう。

さて、今から88年も前に、この絵画を見て感動した日本女性がいた。海を渡ってノルウェーを訪問したクリスチャン久布白落実である。

前回も報告したが、さらに今日は、帰国後に久布白落実が著した『女は歩く』(1928年11月)をもとに紹介する。その本のノルウェーの章は、こう始まる。

「諾威は、スカンディネビアの北端だ、彼等の先祖はデーンス・ノルマンスと云われて多く海賊を業とし欧州の西部の恐れとなって居た」

諾威とはノルウェーのことだ。久布白落実は、訪問の目的をこう書く。できるだけ本文のまま引用する。

「北欧の訪問に特に一つの使命を感じて居た、それは、この地方に於ける、廃娼後の情況を視察することであった、此地に来て以来、真向にこれをかざして、案内を乞ふた。」

久布白の使命感にただちに答えたのは、「船中の友、G宣教師と其家族」だった(注1)。オスロのG宣教師夫人は「では先ず第一に、国立美術館に御案内しませう」。彼女の不審顔に笑いながら「私についていらっしゃい。いいものを見せて上げますから」。

クリスチャン・クローグによる大きな絵画で四方を囲まれた国立博物館の大部屋は、2016年10月現在もそのままのかたちに残されているのだそうだ。

ということは、久布白は、今と同じ青の壁紙の部屋に連れて行かれたのだろう。G宣教師夫人は、久布白を「警察医務室前のアルバーティン」の前に誘った。そしてG宣教師夫人は、こう断じた。

「サア、此処に御座りなさい、そしてあの画を御覧なさい。あの画がこの諾威の国から、公娼制度を取払わせたのです」

目の前の絵が、ノルウェーにも存在していた公娼制を政府に廃止させることになったというのだ(注2)。久布白の衝撃はいかばかりだったか。

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「アベルテイナ クリスチャンクロッグの画きしもの・これにて諾威の廃娼成る」

本物の絵画は211 x 326 cmの大作だ。久布白は、その白黒写真(上)を本『女は歩く』に載せている。そして、G宣教師夫人から聞いたと思われる絵画の意味を解説する。

「この画の中心人物は、警官に連れられて、今や検査場に入ろうとして居る田舎女アベルティナである、彼女は純な田園の家庭から、都会へ出た、何処でもある通り、都会の生活の浪にもまれて、終に誘惑に陥った、彼女は売春の行為に陥ったのだ、当時諾威にはまだ数十軒のそうした家があった、然し町での売淫はゆるされなかった、見咎められた彼女は、警官の手から、今や検査場に連れてこられたのである。」

私の調査では、中心にいる少女は田舎女でもなければ、純な田園家庭にいたのでもなく、オスロに住むお針子だった。それはともかく、絵についての記述のあと、画家クリスチャン・クローグについて短文が書かれ、それは、こう終わる。

「彼はただ画だけに安んぜず、更に小冊子を発行した、然し小冊子は、其過激な説の為めに没収されて、然し画は其目的を達し、諾威の人心を揺り動かして遂に、制度の撤廃を見るに至った、時に一八八七年、英国の廃娼完成の翌年であった。」

次に『女は歩く』には、売春からはいあがった女性たちの駆け込める施設が、ルポされている。

「各々学科の外に、裁縫、料理、家事、織物等、種々手芸を教えられる、彼らは其仕事を選ぶ事を許される、そして好き好きによって其処に長く止まり熟練する事を許される」

「宿舎は、悉く独居の式にしてある、三畳位の小部屋に寝台一個、これには皆鍵があり、内外からかけられる」

久布白は、公娼制をただ廃止するだけでなく、廃娼後の女性たちの将来まで視野に入れて運動をしていたことがよくわかる。モデル国として訪問したノルウェーは、国や地方の公的政策として、「女性のホーム」を運営していた。彼女の視点は、ノルウェーの福祉制度に及ぶ。

「ここの職員は教師助教師、外回りの作男まで十七前意を数えて居る、皆政府よりの俸給を受け、年過ぎしものは、恩給もつく、凡てが至れり尽くせりだ、一人の娘の費用は、月々六十円に上ると云う、然し国庫と、州とは、惜しみなくこれを支出して国家の禍を未然に防ぐことにつとめて居る。丁抹(デンマーク)はこれを学び、直ちに採用し更に多くのホームを持って居るそうだ」

帰国後、久布白落実は、矯風会を拠点にして、公娼制廃止運動と女性参政権運動にまい進する。

敗戦後、参政権が認められると、久布白落実は初の選挙に立候補した。久布白の講演に刺激された和崎ハルら女性代議士39人が誕生した、あの1946年衆院選である。久布白は落選したが、めげずに2回立候補する。結局、計3回立候補して全て落選した。

2012年のことだが、私も落選して選挙にまつわる裁判までせざるをえなかった。奈落の底に突き落とされるような体験だった。が、久布白ら敗戦直後の女性運動家たちからは、「あら、そんなのたいしたことないわ」と笑われそうだ。

なお『女は歩く』は絶版。矯風会が設立した慈愛寮の熊谷真弓施設長のご好意で慈愛寮所蔵書から読ませていただいたことに深く感謝する。

ノルウェーの芸術から思う日本の女性運動
オスロの絵と日本の廃娼運動
買売春禁止、北欧にならうEU諸国
EU買売春禁止モデル国のねじれ

【白黒写真は、久布白落実著『女は歩く』より接写したもの】
【注1】『女は歩く』には、G宣教師について興味深い描写がある。船旅はエルサレムで開かれる宣教師の会議参加のためで、久布白は神戸から乗った。Gは上海から乗船した中国代表のノルウェー人だった。白人としては小柄なうえ、いつも前かがみで、風姿至って引き立たない、などと描写している。ところが、恒例の船中会議の最後に、中華民国にいる宣教師の保護についての議論がやまなかったとき、Gはいつになく「議長」と呼んで立ち上がった。そして「中国伝道に捧げたこの体を、われわれ宣教団は、各々自分として分はつくす」と言い放ったという。久布白は「Gのうちに犯しがたい権威の光がひらめいた」と評している(p30)。
【注2】クリスチャン・クローグ作「警察医務室前のアルバーティン」が公娼制廃止の起爆剤となったことは、ノルウェーの芸術から思う日本の女性運動を参照。
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by bekokuma321 | 2016-10-18 14:33 | ノルウェー

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今、私は、オスロの国立美術館で、絵画「警察医務室前のアルバーティン」を見ている。1886年~1887年、社会派画家クリスチャン・クロ―グChristian Krohgが描いた絵だ

今から88年前の1928年の春、同じ場所に立って、同じ絵を鑑賞した1人の日本女性がいた。

彼女は、絵を鑑賞しながら、この絵がノルウェーの公娼制度廃止へと導いたことを知らされた。

その女性は、キリスト教徒の久布白落実(1882-1972)。矯風会(注1)で、公娼制をやめさせる運動(廃娼運動)をしていた。当時の日本では、公娼制は野放しのうえ、女性には選挙権がなかった。その上、治安維持法によって政治的集会は厳しい弾圧を受けていた。

一方、久布白が降り立ったノルウェーはどうか。公娼制は19世紀に廃止され、女性の参政権は、1913年に確立していた。その公娼制反対への道を拓くきっかけとなったひとつが、絵画「警察医務室前のアルバーティン」だった。

アルバーティンという貧しいがお針子が、医務室のドアを開けて性病検査を受けようとしている瞬間が表されている。ドアの前で、警察官に促されて中に入ろうとする少女アルバーティン。最左の白い服の女性は看護婦だろうか。右奥にはアルバーティンと同年齢らしき少女が見える。絵のほぼ全てを占めているのは、派手な服、帽子、手袋を身につけた8人の売春婦たちだ。

c0166264_2211325.jpgこの絵は当時のノルウェー社会に一大センセーションを巻き起こした。

作家でもあったクリスチャン・クロ―グは、同じテーマで1886年、「アルバーティン」という小説を表し、女性が貧しさゆえに売春婦とならざるえない社会を告発した(注2)。

小説の主人公アルバーティンは、貧しいお針子である母と、朝から晩まで一心不乱に働いた。しかし雀の涙程度のお金はすべて病気の弟の薬代に消えていった。ある日、アルバーティンは、警察官に騙されて酒を飲まされた末に強姦される。自暴自棄となった彼女は、売春婦の道に入っていくというストーリーだ。

本は出版と同時に発禁処分を受けた。人々の道徳心を損なう恐れがある、という理由だった。それに怒ったジャーナリストの1人は、その内容を大勢の人の前で伝えた。また新聞紙上では、売春問題について大論争が展開された。それが絵画の人気を高め、公娼制廃止を求める運動に勢いを与えることになった。そして首相は、ほどなく公娼制廃止に踏み切ったという(注3)。

この絵の前に立って、その社会的背景を聞いた46歳の久布白落実は、どんな思いを抱いただろう。

絵が訴える意味、発禁された小説、そしてノルウェーの廃娼運動。久布白落実に、日本での公娼制反対への力を与えたことは間違いない。さらに制度変革には女性の参政権が不可欠との確信を持たせただろう。

その証に、1928年9月秋田市で行われた「第1回 公娼廃止大演説会」で、久布白は、参加者1000名を前にして「昭和維新」と題する講演を行った。

翌1929年8月に、久布白は再び秋田入りして、秋田婦人連盟・矯風会秋田支部が共催する集会で講演。「公娼問題よりとき伏して、婦人参政権の必要なることを力説」した。これこそ、秋田県初の女性参政権要求講演会だった。

久布白落実は、日本列島津々浦々を回って熱弁をふるったのだろう。そのひとつが秋田だった。その演説に影響を受けた1人が、秋田初の女性衆議院議員和崎ハルである。

ノルウェーの誇る芸術を鑑賞しながら、日本女性史のエポックメーキングとなった公娼制反対運動と女性参政権運動を思うーー2016年の秋。


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【注1】1886年 世界キリスト教婦人矯風会の日本版として東京婦人矯風会発会(初代会頭矢島楫子)。1893年 日本婦人矯風会と改称(会頭矢島楫子)。1916年 公娼廃止を優先課題に。1917年 公娼廃止運動の挫折から婦人参政権運動を宣言。1920年 世界婦人参政権協会に出席(久布白落実)。1921年 全国常置員会にて日本婦人参政権協会設立。1930年 第1回全日本婦選大会。--出典「日本キリスト教婦人矯風会年表」
【注2】オスロの国会議事堂横のメイン通りに、クリスチャン・クローグの銅像がある。過去に何度も見ていたが、久布白落実を知ってから見たら新たな発見があった。彼の足元には右に「書類の入った鞄」、左に「絵筆が何本もはいった筆立て」が添えられているのだ。またクローグの妻オーダ・クローグも画家で、日本に影響を受けたらしき絵を描いている
【注3】小説『アルバーティン』の出版は1886年12月20日。翌日警察が没収。これに対してVG紙を中心とする論壇、労働組合、女性団体などの抗議がさかんとなり、1887年1月の市民や学生5000人による首相官邸前デモにつながった。ーー出典Albertine
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by bekokuma321 | 2016-10-16 07:27 | ノルウェー

c0166264_7172863.jpg「女の子はヨーナスが好き」。

10月10日(月)のノルウェー紙第1面の大見出しだ。ノルウェー労働党の党首ヨーナスが、にっこり笑っている。

保守党・進歩党の現連立政権の人気が落ちて、労働党支持が高く、とりわけ女性は労働党が好きだ。こんな世論調査結果が報道された。

「もしも今日、投票するとしたらどの政党に入れますか」――女性の回答は、労働党45%、保守党20%、進歩党10%、中央党7%、キリスト教民主党5%、左派社会党4%、自由党4%、緑の党3%、赤党1%、その他2%(円グラフ)。

ノルウェーの国会議員選挙は4年に1回行われる。解散はない。2013年に当選した現国会議員は、来年2017年9月11日に改選を迎える。選挙区は19の県だ。冒頭の世論調査のとおりなら、今、野党である労働党・中央党・左派社会党の連立による赤・緑連立政権が再登場する。

ちょうど10月は、各選挙区の政党の「候補者選定委員会」が候補者リストを提案する時期だ。選挙区ごとにある政党が、性別、年齢、どこに住んでいるかなどを考慮して偏りのないように作る。中央の政党が介入することはない。

政党の多くは。候補者選定にクオータ制(一方の性を40%以上にする)を守っているうえ、上から男女交互に並べる。

選挙区の政党会議でリストにのる候補者を決めたら、それがマスコミで報道される。だから日本から来たばかりの私にも候補者名がわかる。比例代表制選挙なので、当選者の察しもつく。

c0166264_7194988.jpg19選挙区のひとつへ―ドマルク県を見てみる。国会議員169議席のうち8議席がここから選ばれる。

小さいながらも、政権の一角を占めそうなのは左派社会党だ。10月8日(土)、地方紙に「トップはカーリン・アンネシェンに」という記事が載った(上)。トップとは、「国会議員候補リスト」の第1番目の候補という意味だ。リストには彼女をトップに13人の候補者が並ぶ。左派社会党の当選者は1人だが、有権者にアピールするためにできるだけ多くの候補者を並べる(注)。

比例代表制なので、小さな政党でも普通1人は当選する。トップの候補者つまりカーリン・アンネシェンは再選される可能性が高い。

さて、最も支持の高い労働党はどうか。

へ―ドマルク県からほぼ毎回4人は当選してきた。しかし大所帯ゆえ、リストはスンナリ決まらないようだ。最終的には、リストは一本化されるが、今は、いくつかのリストが提案されている。現国会議員アネッテ・トレッテバルグステューエンの上位に登載されるらしいものの、今のところ彼女を8番目(絶対当選しない順番)にした自治体もある。アネッテは、発言力のある若手国会議員で、2012年、仙台市に招かれて講演した。

首相を出している保守党のへードマルク県候補は、まだ決まっていない。トップの座を狙う男性2人がし烈な争いをしているからだという。

野党の中央党は、このところ支持を伸ばしている。1番は現職国会議員と決まったが、2番目をめぐって2人が譲らず、まだリストを提案できないらしい。

提案されたリストに沿って12月に開かれる各県(=選挙区)の政党の候補者選定会議が、最終リストを決める。そして、12月から翌年9月まで延々と選挙キャンペーンが続く。

政党を選ぶ選挙だから、候補者個人が名前を覚えてもらう努力など無用だ。もっとも強調したいのは、個人が選挙にお金をかけることはありえないから、奨学金で生きている大学生が立候補したりできることだ。小選挙区制中心の日本の選挙とは大きく違う。

リストの上位に登載されたら、育休中でも障害者でも移民出身でも学生でも無理せずに当選できる。男女が交互に並ぶので、女性は、大政党なら当選者の半分、小政党でもトップなら1人は当選する(上のカーリン・アンネシェン参照)。

こうして女性議員が4割を占めるノルウェー国会の誕生となる。

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Ostlendingen
Glomdalen_Ingen tvil om Karin på topp
Løten Ap vil vrake Trettebergstuen fra Stortinget
【ノルウェー地方選挙レポート 2011】

【写真はノルウェーの森】
【注】ノルウェーは、長期夏休みを始め労働者の休暇が潤沢であることや、育休や教育休暇もあり、議員も休む。さらに国会議員の場合、閣僚と国会議員の兼任は禁じられているため、大臣になった人の国会議員ポストは空く。すると、大臣になった人の選挙区から補充される。このように、空いた議員ポストを補充する人ーーそれが”代理議員”だ。選挙で4人当選したら、代理議員も4人選ばれる。また、政党は、できるだけ広範囲に票を集めようと、リストに候補者を多く並べる。以上のような選挙だから、当選を考えず、政党への票を積み上げるために立候補する人がほとんどだ、と言える。
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by bekokuma321 | 2016-10-11 07:54 | ノルウェー