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c0166264_2362234.jpg希望の党の小池百合子党首に、記者が「前原さんをだましたんでしょうか」と尋ねた。9月29日の記者会見だった。彼女はそれを否定せず、首を斜めに傾げて満面の笑みを浮かべた。その後、笑いの浮かぶ口元から出てきたのは、「(リベラル派は)排除いたします」発言だった。

小池は根っからの右派政治家だから、これは予想されたことだ。むしろ私は、民進党の節操のなさを呪った。選挙で勝つために、結党精神もイデオロギーも、国会での過去の発言も、日本津々浦々で頑張ってきた地方党員の縁の下の活動も、きれいにご破産して、他党に身売りを申し出たのだから。

しかし、もっとも呪われるべきは、20余年前に「政治改革」とやらの熱狂の中で成立した「小選挙区制中心の選挙制度」だろう。

選挙は、国会に主権者の意思を反映させるために行うものだ。それなのに、小選挙区制は民意を反映しない。

小選挙区制は最高得票をとった一人しか当選しない。食うか食われるか、究極の弱肉強食の制度である。1001票とったら当選し、1000票なら落選する。その1票差で負けた次点候補に投じた1000票は、すべては死に票となる。他のミニ政党候補に入れた票は言うまでもない。つまり自分の1票が政治に反映されない可能性があまりに高いのだから、馬鹿らしくて投票所に行く気になれない人が出るのは、当たり前である。

2012年の衆院選で、自民党は小選挙区で得票率43%だったが、議席の79%をとった。投票した人の2人に1人に満たない票で、8割近い議席をとった。その結果、死に票は3730万! 2014年も似ていて、自民の得票率は48.1%だが、議席は75.3%、死に票は約2541万! 3730万人、2541万人という人たちの投票用紙がゴッソリどぶに捨てられたようなものなのである。

小選挙区制導入は、“健全な2大政党制”を根づかせる制度なのだそうだが、もはや2大政党政治どころか自民1強政治に落ちぶれた。こんな無節操選挙制度のなにが健全だというのだろう。

自民党の衆議院議員鈴木貴子は、2012年衆院選で新党大地から立候補して自民前職に敗れた。2014年には民主党に移って民主党公認で立候補。僅差で落選したが比例区で当選した。その後、自民党に入党した。

民進党の衆議院議員長島昭は、2017年の都議選前、離党届を提出した。民進党公認で都議選に立候補した人物2人も長島と行動を共にし、離党した。長島は希望の党の結成メンバーとなった。

希望の党結成メンバーには、民進党の要職にあった松原仁や細野豪志がいる。松原仁は都議時代自民党だったが、その後、新進党→自由党→民政党→民主党→民進党と所属を変え、都知事選では、民主党東京都連会長となって小池百合子の対抗馬である鳥越候補の旗ふり役をした。細野は民進党幹事長、副代表を務めた党を代表する人物だ。

今回は、個々人の離党ではない。野党第1党の民進党が事実上解党されて、できたてほやほやの小池党の軍門に下った。その心根にあるのは、「都知事選・都議会議員選で連勝した小池党なら自民党に勝てるだろう」という打算だ。その打算は、野党共闘運動のなかで交わしてきた公党同士の約束すらほごにした。

さらにニッポンの悲劇を増幅させているのが、小選挙区制と抱き合わせで導入された政党交付金制度だ。

政党交付金は、全国民が1人250円を出し合った国費で、年額が320億円。これは世界一の高額だという。その配分は、各政党の得票数に加えて、民意を反映しない議席数に応じて計算される。当時、「250円なんてコーヒー1杯で政治がクリーンになるなら安いものじゃないか」と言われたが、クリーンどころかキャバクラ代、ガソリン代、妻への給与、顔・名入りワイン代など、野放図な使われ方は底なしだ。

政党交付金は、政党中心の比例代表制選挙に使われるならわかる。しかし小選挙区制では政党の公認候補は1人であり、その人物が代表する「政党支部」に政党交付金が送金されるので、その組織を牛耳る1人の人物の自由になるのだ。もっとはっきり言うと、「政党活動の自由」を盾にすれば、何に使ってもいいのだから、寄付の形をとれば、「私腹肥やし」も可能なのである。おそらく、希望の党に移った多くの国会議員は、政党交付金が原資のカネを貯めこんでいると想像できる。

民進党本部には、約140億円が貯めこまれているらしい。2017年分87億円余りは、4分割されて4月、7月、10月、12月の各20日に振り込まれるので、形式上、民進党が存続していれさえすれば、10月分も振り込まれる。12月分は10月22日の総選挙後、新たに計算されるのだが、民進党が解党していなければ、衆議院議員がいなくても参議院議員の分は振り込まれることになる。その間、民進党に残った政党交付金を政治団体に寄付してしまえば、国庫返還せずに民進党代表の管轄下に置くことが可能となる。

20年経って、「結果として、政党の活力が奪われました」と言ったのは、細川内閣で制度設計に関わった成田憲彦さんだ(朝日 2015.10.17)。

「小池百合子都知事 男社会をリセットします!」などともちあげるメディアも有罪である。小池百合子は憲法改正に賛成し、日本の核武装を容認する発言をしてきた右派の政治家である。そして女性差別撤廃条約や男女共同参画推進法を目の敵にする「日本会議」につらなる政治家でもある。つまり彼女は男社会を維持補強するチアリーダーすぎない。リセットとは、ちゃんちゃらおかしい。

c0166264_2315745.jpg1970年代、社会学者のアーヴィン・ゴフマンは、女性は、首を傾けるというしぐさで、相手に対して従順であり、警戒心がないと印象づけることを明らかにした。多くの男性は、それを愛らしいと感じるのだという。この21世紀に、微笑んで首を横に傾げるという“女らしさの武器”を使って印象操作をする女性に騙されるほうが悪い、と私は思う。

そういう人物に騙されようとも、辱められようとも、選挙に勝つためには背に腹は代えられない。これが小選挙区制の正体なのである。ああ、絶望。

この絶望の淵からはいあがるただ一つの道、それは、比例代表制選挙に変えることである。


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▲両グラフとも出典はFEM-NEWS「国会議員年収も政党交付金も世界最高額」。グラフのもとになった統計資料も同記事参照を。

「どうする政党交付金」
女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」
共謀罪可決と選挙制度:イギリス選挙から考える
豊田真由子議員の暴言暴行と選挙制度
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
小選挙区制は女性の声を捨て去る
政党交付金裁判
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
男女平等を嫌う反動勢力の実像
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by bekokuma321 | 2017-10-06 23:41 | その他

女たちの映画祭が、今年も大阪府豊中市すてっぷにて開催されます。映画に描かれる女性は古今東西、若い女性ばかり。男性監督が男性の視点で作っているからでしょうか…。でも、この映画祭は「シニアの女性監督の作品、シニアの女性が描かれた作品を上映」すること。何という挑戦的試み! ぜひおでかけください。詳しくはSister Wavesを。

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2017シニア女性映画祭・大阪 プログラム
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by bekokuma321 | 2017-10-03 12:20 | その他

山上千恵子監督のドキュメンタリー映画「たたかいつづける女たちーー均等法前夜から明日へバトンをつなぐ」を多くの人に見てもらいたい。そんな上映運動がはじまった。フェイスブックもできた。

c0166264_10555181.jpg働く女性の全国センター(ACW2)の伊藤みどりさんたちが、9月15日先陣をきって上映会を企画。30人ほどが三鷹市の市民協働センターに集まった。私も参加して、初めて映画を見ることができた。

映画は、1980年代、職場の男女平等を求めてからだを張って声を上げた運動をハイライトに、現在、マタハラ・セクハラに苦しみながら働き続けなければならない女たち、働くという行為によって命を削りとられる女たち・・・そんな女たちの生の声で構成されている。

1970年代、国連の国際女性年が始まった。「女性差別撤廃条約」がつくられ、多くの国が次々に批准していった。一方、日本は、国籍、雇用、教育において歴然とした性差別があった。世界の国々にまじって女性差別撤廃条約を批准するには、少なくとも、国籍法の差別撤廃、雇用の男女平等法、家庭科を女子だけに必修にしているカリキュラムを改正する必要があった。国籍法、家庭科はかろうじて改正され、残るは雇用における女性差別撤廃だった。

政府は、国際的メンツからも雇用の性差別撤廃法をつくって批准したかった。しかし、企業の圧倒的な力に対し、女性の側の力不足は歴然としていた。平等がほしいなら保護を捨てろーーこれが男社会(男になびく女も)の言い草だった。

そんななか、女たちは動いた。

デモ、ハンスト・・・ハイライトは、「イブ・リブ・リレー」だ。クリスマスイブの日、ウーマンリブの女たちは、真の男女平等法案(自分たちで作った)をバトンに入れて、新宿区から労働省まで、走る、走る、走る。

しかし、女たちの声に国会は微動だにせず、できたのは、女たちの対案とは似ても似つかないザル法だった。

1985年、政府は女性差別撤廃条約を批准した。いま、働く女たちの多くは、男女不平等に加え、”身分制”による女女格差に苦しむ。多くの女たちには「女性差別撤廃条約? 何それ?」だろう。

非正規と呼ばれている女たちを、大阪の女性が映画のなかで「当時は、未組織の女たちと呼んでいた」と言っていた。とても印象的だった。

「未組織の女たち」を組織化し、ひとりではあげられない声を集めてたたかい続けなくては、と強く思った。

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ドキュメンタリ映画「たたかいつづけるおんなたち」上映活動をしたいかたへのノウハウ
映画『たたかいつづける女たち~均等法前夜から明日へ』
試写会『たたかいつづける女たち』
姉妹よ、まずかく疑うことを習え
ビデオ工房AKAME DVDリスト「生き方」
Sister wave_山上千恵子監督の3作品
日本はどんなに早くても世界98番目

【写真上:上映会で挨拶する山上千恵子監督(右)。2017年9月15日三鷹市にて】
【2017.9.17 一部加筆更新】
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by bekokuma321 | 2017-09-16 11:32 | その他

c0166264_13323170.jpg私はかねてから労働組合で活動していたため女性問題について触れる機会が多く、「勝訴 最高裁が認めた藍住町女性議員追放の違法性」の報告会には、大変興味がありました。

私の住む阿南市は、議員26人中女性は5人で、26%という比較的高い割合を占めています。現議長は、2人目の女性議長です。

しかし、全議員の4人に1人が女性であっても女性議員の置かれている現状はなんら変わりません。いまだにセクハラ・パワハラに対する認識の低い議員が多いと聞いています。

例をあげますと、阿南市にはセクハラにあった1人の女性議員がいて、彼女は、数年前から被害を議会でも訴えてきました。しかし改善されることはなく、その女性議員は心に大きな傷を抱えているようです。

こんな現実を見聞きしてきた私は、まだまだ男尊女卑の風潮は厳しく、女性が政治家になるということは、茨の道ではないかと考えてしまいます。

それに、知識階級の男性の中には、ただ単に「ジェンダー」という言葉を「単語」として使って、いかにも女性問題に理解者であるかのようなそぶりを見せて、実際に自分に不利益が発生するとわかると手のひらを返したように女性差別をする人がいます。いや、そういう男性を私は少なからず見てきました。

女性には、常に「女性の・・・」「女性・・・」といった冠がまず付きます。私はこれが耳障りで仕方ありませんでした。また、女性が政治を目指すとき,「女性の視点」「女性の感覚」というキャッチコピーを使うことがよくあり、それにも抵抗がありました。

c0166264_13351492.jpgしかし、先日、徳島市で、三井マリ子先生の「XとOのお話」を伺って、少し考えが変わりました。

大勢のXのなかにOがポツンと入っていくと、どんなことが起きるかという話でした。Xが男性でOが女性だったら、XはOを、「チアリーダー」、「女房役」、「セックスシンボル」と見る。その3つの役にあてはまらないOは、Xにいじめられ、排除されると伺いました。

藍住町議員の西岡恵子さんは、Xの気にいる役とかけはなれたOだったため、Xから排斥の対象にされたというのです。

「XとOのお話」から、阿南市のOには、セクハラを受けたOを応援するより、X側を応援するチアリーダー的な役を選んだOが多かったようだと聞いたことを思い出しました。Oは、そのほうが得だと思ったからなのか、それともX世界で生き延びるためには、そうせざるをえなかったのか・・・。どちらにせよ阿南市は、女性議員(O)の数が多少多くても、いまだ男性(X)優位の世界なのではないかと思います。

では、どうしたらいいのか。

それには、やはり、Xが多い議会にOを増やすことしかないと思います。多様で多彩なOが増えてくると、Oに味方するOも出てきます。Oが集まって「おかしいのはXのほうだ」と言うこともできます。するとXは、気に入らないからと言ってOを排除できなくなります。

そのためには女性の勇気と、男性の理解がもっとも必要ではないでしょうか。「女性は席に座る勇気を、男性は席を譲る勇気を」ですよね。道のない大草原でも,誰かが最初に歩けば足跡はでき,その後をまた誰かが歩けば草が枯れて,またその後を何人かで歩けば道になり,いつかは広く歩きやすい道になると私は信じたいです。

瀬戸内 美香(8.6 集会「勝訴 最高裁が認めた藍住町女性議員追放の違法性」参加者)
  
【写真上:西岡恵子議員 下:三井マリ子講師(林広撮影)】

藍住町長・町議会議長に謝罪要請(フェミ議連) 
速報「徳島県藍住町女性議員追放の違法性」
女性議員追放の藍住町で町課長らが女性職員にセクハラ
どこまで女を食い物にするのか
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by bekokuma321 | 2017-08-15 13:50 | その他

c0166264_947352.jpg速報『徳島県藍住町女性議員追放の違法性』」で紹介したように、8月6日、藍住町町議の西岡恵子さん(左)の完全勝利を祝い、未来につなげようという会がもたれた。

主催は「女性ゼロ議会を無くす徳島の会」(諏訪公子代表)。

西岡原告の代理人を務めて裁判を勝利に導いた弁護団の木村清志、大西聡、篠原健弁護士は、西岡議員失職訴訟の解説と意義を熱っぽく語った。

c0166264_9504231.jpg西岡原告は、勝利に至るまでの苦しい闘いを感動的に語った。藍住町議員小川幸英さんは、議会における西岡議員つぶしの背景と思われる数々の不穏な動きを語ってくれた。

元参議院議員の乾晴美さん(左)は「西岡さんにならって、目の上のたんこぶになろう」と元気に訴えた。

徳島の会と連帯しながら、西岡さんを応援してきた市民運動団体「全国フェミニスト議員連盟」から世話人3人が駆けつけた。その1人、名古屋からやってきた岡田ふさ子世話人(右下)は、藍住町の石川智能町長、森志郎町議会議長あてに届ける「要請文」を読み上げ、会場から拍手喝さいを受けた。

c0166264_9555651.jpg翌8月7日、町の責任者と面談の約束をしていたが、強い台風のため、藍住町役場に出向いての要請行動はキャンセルとなった。

過日、要請文は、全国フェミニスト議員連盟の日向みさ子代表によって町長と町議会議長に郵送で届けられた。以下はその要請文の内容。

■■■■ 徳島県藍住町女性議員資格剥奪の違法確定と今後についての要請 ■■■■

徳島県藍住町町長  石川 智能 様    
徳島県藍住町議会議長 森 志郎 様
                           
徳島県藍住町は、「男女共同参画プラン」を策定し、それには「男女が共に個性と能力を発揮できる社会の実現」が明記されています。

私たち全国フェミニスト議員連盟は、この藍住町の理念とほぼ同様の理念を掲げて、「女性ゼロ議会」をなくす運動、女性議員を増やす運動を続けている市民と議員による団体です。当然ながら西岡恵子会員の裁判については関心を持って見守って参りました。

2017年6月20日、最高裁判所は、裁判官5人全員一致で、藍住町の上告を門前払いしました。これによって高等裁判所の判決通り、藍住町議会による西岡恵子さんの議員失職決議は違法であることが、司法の場で確定しました。

ことの始まりは、唯一の女性議員西岡恵子さんの光熱水費が少なく生活実態がないようだから公職選挙法の定める被選挙権はないに違いない、という突飛なことを言い出した議員がいたことでした。そして、西岡さんの議員資格を問う「資格審査特別委員会」が設けられ、賛成多数で議員失職を決めてしまいました。

西岡さんがこの理不尽な議決を覆すには、法廷にゆだねるしかありませんでした。裁判では、外出・帰宅時や自宅内で見たTV番組、食事などを撮影した写真310枚のほか警備会社の設備を自宅に導入して、外出・帰宅・在宅の時間記録書類を提出しました。その結果「少なくとも半数以上の日数、夜間から翌朝まで自宅にいた」事実が証明されました。

8月6日、徳島市内で「最高裁が認めた藍住町女性議員追放の違法性」と題した集会が開催され、西岡原告をはじめ木村清志・大西聡・篠原健弁護士の報告や、裁判を支えてきた諏訪公子、乾晴美、高開千代子、東條恭子の発言、三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟世話人)の講演がありました(敬称略)。

この会で、最高裁判所に「違法行為をした」と指摘された藍住町議会は、西岡さんに壮絶な苦しみを与えてきたこと、さらに長年西岡さんを当選させてきた町民の意思を踏みにじったに等しいこと、加えて女性の視点と住民目線で頑張る西岡さんの議員活動を結果的に阻害してきたことが、浮かびあがりました。このようなことが続いては藍住町にとって計り知れない損失となります。藍住町の名誉回復と、ニ度とこのようなことが起こらないよう切に願って、以下の要請をいたします。

1 藍住町ならびに町議会は、司法判断を尊重し、裁判所で認定された事実を真摯に認めて、西岡恵子さんに対して謝罪をすること。

2 女性が1人しかいない男性偏重議会では、圧倒的少数派(女性)は偏見の目で見られたり排除されたりしかねない。女性議員増は、藍住町「男女共同参画プラン」の要請でもある。よって町は、女性が政策決定の場に男性と等しく参画することを促す啓発・研修や広報を活発に行うこと。また町議会議員は、1人でも多くの女性候補を増やすよう努力すること。

全国フェミニスト議員連盟(共同代表:ひぐちのりこ仙台市議 日向美砂子小平市議)
事務局 小磯妙子(茅ヶ崎市議)


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    ▲裁判の報告をする木村清志弁護士。耳を傾ける諏訪公子代表 (8月6日、徳島市)

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    ▲藍住町の正常化を訴える小川幸英議員。聞き入る西岡恵子議員と諏訪公子代表

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件
悪しき慣習に一石を投じた
「政治とカネ」、秋田衆院選から考える 
「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
 
【2017年8月15日更新】
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by bekokuma321 | 2017-08-13 10:31 | その他

c0166264_11421172.jpg8月7日、宮城県の村井嘉浩知事は、「8月末には、壇蜜さんにわざわざ宮城におこしいただいてプレゼントキャンペーンを行うことになっている」として「今後も配信を続けたい」と公言した。

県知事の発言は、全国フェミニスト議員連盟による観光PR動画への抗議と即時停止を求める要請を受けて、行われた。同連盟は、「女性は、男性の性的欲求を満足させ男性に奉仕するために存在するものだとする性差別的思い込み」でつくられているとし、「公の機関が公金でつくるものではない」と主張。しかし、宮城県知事はまったく意に介さなかった。

問題の動画は、7月5日から始まり、8月現在も流されている。宮城県に寄せられたメールや電話の9割が批判的な意見だったという。また宮城県の全女性県議からも抗議が寄せられている。全国フェミニスト議員連盟が村井知事に出した要請書は以下。

■■ 動画「涼・宮城の夏」に抗議し、即時配信停止することを求める要請書 ■■ 

仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会
会長・宮城県知事 村井嘉浩様

私たち全国フェミニスト議員連盟は、「仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017」におけるPR動画「涼・宮城(りょうぐうじょう)の夏」に対して、抗議ならびに即時配信停止要請をいたします。

この動画は、伊達家藩主末裔役の女性(壇蜜さん)に、「殿方に涼しいおもてなしをすること」が使命だと言わせて、男性(ぬいぐるみ)を誘わせます。着物姿で正座した女性は、寝そべる男性をなでまわします。「(みやぎ)いっちゃおう」という女性の台詞の語尾「お、お、お」という発音とともに、女性の半開きの唇のみがアップにされて、男性が鼻血を出します。「よくじょう」としか聞こえない言葉がかぶります(竜宮城からつくった涼宮城をあえてこう発音させたのだろう)。その後も似たような性的描写が繰り返されます。

私たちは、この動画は、ジェンダーの感受性に著しく欠けた表現であり、復興関連予算2300万円という公金を使って県が作成公開する広告にふさわしくないと考えます。すなわちこの動画は、男性の性を満足させるための表現を明示・暗示することによって男性観光客を引きつけようという意図のようにしか見えず、客の多くを占めるだろう女性に不快感を抱かせます。また多くの男女平等を求める男性にも侮辱的でさえあります。さらに宮城の観光資源を男性の性を満足させる商品として描くことは、宮城の歴史・文化に貢献してきた女性たちに違和感を覚えさせる表現だと断じざるをえません。ひいては、少年少女にも性役割や性について偏った情報を与えかねないと考えます。

一方、報道によると、宮城県河端章好副知事は、「動画に問題はなく、県の男女共同参画推進条例の基本理念に反したとは考えていない」との認識を示し、宮城県村井嘉浩知事は、「可もなく不可もなくというものは関心を呼ばない。賛否両論あることは逆に成功につながっている」と続行を表明しています。しかしながら女性は、男性の性的欲求を満足させ男性に奉仕するために存在するものだとする性差別的思い込みをなくすことを期待されている公的機関が、そうした思い込みを土台にした動画を作成・広報し続けるのは、言語道断です。

この宮城県のPR動画ならびに、批判を受けた後の県の対応に対し、私たちは、抗議の意を表明し、本動画の配信の即時停止を強く求めます。また今後、このような動画が流されないよう、県幹部ならびに職員は、抗議した宮城県議などの趣旨に耳を傾けるとともに、「国連第4回世界女性会議行動綱領234条~245条「J項女性とメディア」を研修することをここに要請いたします。
以上

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 ひぐちのりこ(宮城県仙台市議会議員)/日向美砂子(東京都小平市議会議員)
事務局 小磯妙子(神奈川県茅ヶ崎市議会議員)


c0166264_1210999.jpg抗議要請は、全国フェミニスト議員連盟のメンバーである樋口典子仙台市議(共同代表)、伊藤美代子山形市議、岩佐孝子宮城県山元町議3人が、直接、宮城県に出向いて行った。

伊藤美代子市議は経済振興観光部部長に「男目線だ。制作過程は男性ばかりだったのではないか」と質問したら、「女性もはいっているように思います」とあいまいな答えだった。「やばいのではという意識はなかったのか」には、部長は答えはなかったという(写真は、経済振興観光部部長に要請文を手渡す3人)。【写真提供:樋口典子】


女性議員連盟が動画配信停止要望(NHK)
<壇蜜さん動画>全国女性議連が配信停止を要請「公金で制作すべき内容ではない」
(河北新報)
女性は男性に奉仕する者と決めつける宮城PR
仙台市地下鉄のポスター
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by bekokuma321 | 2017-08-09 12:30 | その他

「私はちっとも悪くないという気持でここまでやってきた。皆さん本当にありがとうございます」と、西岡恵子さんは、目に涙を浮かべながら、会場を埋めた人たちに深々と頭を下げた。

8月6日の午後、徳島市で開かれた「最高裁が認めた藍住町女性議員追放の違法性」と題する集会。藍住町町議の西岡恵子さんの完全勝利を祝い、未来につなげようと支援団が開いた。

代表の諏訪公子さんは「10年という長い裁判を闘い抜いた西岡さんの不屈の精神に驚き、感銘を受けている」とあいさつ。弁護団の木村清志、大西聡、篠原健弁護士からの西岡議員失職訴訟の説明が続いた。それをもとに以下にまとめる。

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第1回は、9年前の2月選挙後だった。議会に「議員資格審査委員会」が設置され、そこで「西岡さんの被選挙権がないという理由で失職議決」。理由は、水道や電気の使用量が少なく、町内に住んでないようだというとんでもないもの。地裁では全面的に西岡さんの主張が認められた。敗訴した藍住町は控訴。高裁は「水道、電気、ガスの使用量(使用料金)のみから、生活本拠が藍住町にないと判断」。西岡さんの敗訴だった。

敗訴という痛手を受けた西岡さんだが、再び議会で働くことに挑み、2012年の選挙に立候補した。そして4期目の当選。たった1人の女性議員西岡さんを落選させてはならないという住民の強い意志が反映した貴重な議席だった。

ところが、である。藍住町議会はまたしても議会から彼女を追い出しにかかり、「議員資格審査委員会」を再び設置した。そして再びの議員失職議決。西岡さんが、この議員失職議決を覆すには、またしても法廷に訴えるしかなかった。「第二次訴訟」の始まりだった。

今度は、地裁、高裁と勝訴が続き、今年6月20日、最高裁が「藍住町からの本件上告を棄却する」と決定した。勝因は「2012年の選挙の際、自宅を外出するとき、帰宅したときの写真や食事の準備状況などを写真撮影して残していたこと」「2014年、2度目の失職後、セコムを導入して、自宅にいる時間をより客観的に証明した」ことだった。

弁護士は、「唯一の女性議員の西岡さんを狙い撃ちしたものだ」と言った。そして「与党が圧倒的に強い議会で与党に対決して、裁判闘争に勝利した」「これだけの攻撃を受けながらも、2016年の選挙で5期目の当選を果たした」と強調した。

三井マリ子は、Xという多数世界にポツンとOが入っていくという話(ロザベス・M・カンタ―著、三井訳『Oの物語』)を今回の事件をもとにして紹介し、実は誰にでも起こりうることではないかと話した。

多数派Xと少数派Oは、今回の事件では男性議員対女性議員。XはOを、チアガール、または女房役、またはセックスシンボルとして見る。チアガールはXを持ちあげXが失敗しても許す。女房役はお茶くみやコピーとりを率先してこなす”職場の妻“。セックスシンボルは・・・ご存じの通り。

この3つの型にはまっているOは、X世界から排斥はされない。だけど、3つの型にはいっていないOは、どうなるか。Xは、そんなOを「こわい女」「わけのわからない女」と見る。うざい、けむたい、やっかいだ。

それが西岡さんだ。町議会は西岡さんを何が何でも追い出したかったのだ。理由は何でもよかった。そうでなければ、光熱水費が少ないだけで町民が選挙で選んだ議員を追い出せるわけがない。

彼女は壮絶な闘いの上、今回、勝利した。勝因は310枚もの写真とおびただしい文書による証拠だった。自宅に住んでいることを証明するために、帰宅したとき、自宅でTVを見ているとき、食事をしているとき、家を出るときを記録し続け、プライバシーをさらけ出すことを自分に課した。

ここまでやらないと、勝てないのか。セクハラ事件を訴えた被害女性が、裁判で、どんな服装をしていたか、どんな風に抵抗したかなどと執拗に問われることを思い出し、憤りに体が震えた。

そういう意味で、西岡さんの事件は、日本の社会で、弱者とりわけ女性が強者に抵抗するときの縮図だ。

いま世界は、多様性の時代、統合・包摂の時代だ。移民・難民への対応、障害者差別撤廃への動き、先住民族の人権獲得などーーー。舵とりをする場は政治だ。その政治の場で、たった一人の女性をいじめ抜き、排除したことは、深刻きわまりない。

だからこそ、西岡さんの闘いは、西岡さんだけの闘いではない。私たちが記憶にとどめ、このようなことは二度と起こらないよう、未来へつないでいかなくてはならない。「さあ、本当の闘いはこれからだ!」

(2017年8月8日 一部更新)



西岡・藍住町議 失職取り消し訴訟 西岡町議「議会正常化を」 勝訴の報告会(毎日新聞/徳島)
祝!藍住町”紅一点”議員、最高裁で町に勝利
唯一の女性議員を追放した藍住町議会
まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件
徳島県の男女共同参画センター訪問記
阿波女60人、男女共同参画復活求め県庁へ
3.8 国際女性デー 徳島
女性ゼロ議会の阿波市・吉野川市を訪ねて女性ゼロ議会の阿波市・吉野川市を訪ねて
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by bekokuma321 | 2017-08-07 15:57 | その他

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by bekokuma321 | 2017-08-05 12:17 | その他

c0166264_9584372.jpg宮城県の観光キャンペーンPR動画には、呆れた。

女性は、男性の性的欲求を満足させるもの、女性は男性に奉仕するために存在するもの、と言わんばかりだ。こうした思い込みは、性による役割固定化であり、性差別だということがわかっていないだろうか。

つくった宮城県知事はじめ観光行政に携わる幹部は、猛省してほしい。復興関係の公金2300万円を使ったと聞く。全額返還し、県民復興関係に直接役立つことに使うべきだ。

PR動画は、伊達家藩主末裔役の女性(壇蜜)に、「殿方に涼しいおもてなしをすること」が使命だと言わせる。着物姿できちんと正座した女性は、畳にごろんと寝そべった労働着姿の男性(ぬいぐるみ)をそっとなでまわす。装い・態度の男女の際立った相違は、見る人にさまざまなことを思わせる。

しかも、台詞がひどい。「(みやぎ)いっちゃおう」という女性のことばの語尾「お、お、お」という発音にかぶさって、女性の半開きの唇のみがアップにされる。男性は鼻血を出す。

さらに、竜宮城からヒントを得たらしき涼宮城(りょうぐうじょう)という造語を、あえて「よくじょう」としか聞こえないように女性に何度も言わせる。その後も、牛タンやずんだ餅という名産品を使って性的描写が繰り返される。

男性の性を満足させるような表現で明示・暗示して、男性観光客を引きつけようという魂胆が見え見えだ。品位に欠けること極まりない。一方、観光客の多くを占める女性は眼中にない。女性が不快感を覚えるのは当然だ。いや、男性は性的な満足をめざして観光に行くものと決めてかかっているのだから、心ある男性への侮辱でもある。女性はもちろんカップルでの観光も、これでは減るだろう。

1970年代から、女性運動団体は、こうした広告に抗議をしてきた。日本だけではなく、世界的潮流だった。こうした女性たちの声を受け、国連は、女性差別撤廃条約などさまざまな国際規約を策定してきた。日本も採択批准した。こうした国際規約を守るべき責務を持つのは、一義的には中央政府・地方政府だ。しかし、日本政府はまともに啓発や研修に取り組んできていないため、こうした広告が野放しだ。

このような動画が2度と流されないよう、宮城県幹部ならびに職員は、少なくとも、「国連第4回世界女性会議行動綱領234条~245条「J 女性とメディア」をよく読み、研修を徹底すべきだ(注)。


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仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017 東京メトロ配信動画(7月3日から1週間流された同種のPR動画)
志布志市:水着少女にうなぎを擬人化してPR

【注】最近イギリスの広告標準局から出た報告書「広告におけるジェンダーのステレオタイピング」では、ジェンダーによる決めつけを6種類あげて調査して警告している。6つとは、①ある特定のジェンダーに関連づけた職業や職種  ②ある特定のジェンダーに関連づけた特徴や動作  ③固定的性役割とはいえない言動をとる人、またはそう見える人をバカにする  ④際立って性的な方法で人を描写する  ⑤人の体や体の一部を特別に指摘して表現する  ⑥健全とはいえない体のイメージを描写する
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by bekokuma321 | 2017-07-28 20:08 | その他

徳島県藍住町の健康推進課長ら2人の男性が、町の女性職員にセクハラをして、4月7日、処分を受けていたという報道が飛びこんできた。女性職員が提訴を決意したから、男性たちの非道な行いが知られることになったようだ。

徳島新聞によると、男性上司らは「女性に性的関係を迫ったり、手などを握ったりした」。女性職員は、損害賠償を求めて徳島地裁に提訴するという。「訴状によると、女性は2010年、同ステーションに配属された。2013年ごろから、性的な内容のメールを送られるなど複数の同僚からセクハラを受けるようになった。しかし、被害を町側に訴えても、しかるべき対応は取られなかったと主張している」

職場の女性を同僚と見ないで、性的対象と見る下劣な男性がまだいる。セクハラは女性の尊厳を奪い、働く意欲をそぐ行為であり、労働権の侵害だ。

藍住町といえば、町民が選んだ唯一の女性議員西岡恵子さんが、「電気水道の使用量が少ないので町内に生活実態がない」などという変な理屈で、町議会から議員職を奪われた。許せなかった西岡さんは、徳島地裁に町を提訴。本年6月、町の変な理屈は最高裁によって門前払いにされた。西岡さんの完全勝利だった。

この最高裁の決定は、苦しい闘いを続けてきた西岡さんに大きな喜びを与えただけでなく、数の力を背景にした横暴な言動に苦しむ日本中の少数派にとっても大きな励ましとなるものだ。セクハラを受けた女性職員が男性上司を相手に提訴を決意した背景には、西岡さんの最高裁勝利があるのではないか。

「西岡さんの裁判がもたらしたものを未来につなげたい」と、報告会が8月6日午後2時、徳島市阿波観光ホテルで企画されている。大勢の参加を得て、議会や行政における女性への暴力一掃にむすびつけるため、知恵をしぼろう。ぜひご参加ください。

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         このチラシをダウンロードできます(pdf)

藍住町職員がセクハラ 町、上司ら2人懲戒処分 (徳島新聞2017/7/19 10:01)
西岡さん最高裁勝訴おめでとう!
西岡議員、勝訴
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by bekokuma321 | 2017-07-20 02:32 | その他