カテゴリ:USA( 124 )

私が集めたポスターのなかで、最も強烈なインパクトを持つ1枚をお目にかけたい。アメリカのアーティストの作品だ。

「メトロポリタン美術館に女性が入るには、裸じゃないといけないのか? 女性作家は近代美術部門の4%以下だが、裸体画の76%以上は女性だ」

c0166264_2335660.jpg

1980年代にニューヨークの女性アーティストたちは「美術界の女性差別、有色人種差別に我慢ならない」と憤激した。そして「ゲリラ・ガールズ」という運動体を創設して、美術界への怒りの表明と意識改革をスタートさせた。

さすがアーティスト。鮮やかな黄色をバックに極太の黒い文字。横たわる裸の女性に「メトロポリタン美術館に女性が入るには、裸じゃないといけないのか? 女性作家は近代美術部門の4%以下だが、裸体画の76%以上は女性だ」という言葉を吐かせた。しかも、横たわる裸の女性の顔は毛むくじゃらのゴリラときている。なぜゴリラなのか?・・・関心のあるかたはネットの記事を。

ごく最近、アメリカの人気TVトークショーに彼女たちが出演しているのをYoutubeで見た。まだ頑張っていると知ってうれしかった。同時に、30年たった今でも抗議行動を続けなければならないんだな、と性差別・人種差別の壁の厚さに怒りを覚えた。

ポスターは言葉もデザインも重要だ。でも、色の力とサイズの大きさには負ける。このポスターはとくにそう。ニューヨークの路線バスのボディーに張ったらしいが、みな、さぞかし驚いただろう。

『I 女のしんぶん』の「叫ぶ芸術」に連載しているが、残念ながら白黒で小さい(下)。「愛読しています」という感想をいただくと、ネットで色付きのポスターを見てほしいと思ったりする。

c0166264_234227.jpg

[PR]
by bekokuma321 | 2017-09-20 23:49 | USA

c0166264_13295721.jpg

トランプ大統領は、国の財布のひもをしめることで、女性の命取りをはかろうとしているようだ。つまり、おびただしい数の女性たちの命が、米国予算削減によって、危険にさらされようとしている。

国内では、健康保健制度を改悪する法律が下院で可決され、いま上院で審議中だ。可決されるとーーメディケイド予算が削減され、妊娠年齢にあたる1300万人の低所得女性に深刻な影響をもたらす。避妊や性病予防教育をしてきた「家族計画団体」への予算削減によって事業がストップする。私的保険制度の対象から妊娠中絶ケアをはずされかねない。

国外に対しては「世界緘口令Global Gag Rule」の厳格化を決めた。世界緘口令とは、開発援助予算を妊娠中絶の促進に使われないような条件をつけるもので、共和党大統領が進めてきた。しかしオバマは、大統領指令によってその施行をとめて、世界の女性団体から大喝さいを受けていた。

ところが、トランプは、「世界緘口令Global Gag Rule」の復活を断行。単なる復活ではなく、より一層厳しい改悪へと、その手を広げた。

世界各国のNGOに、誓約署名をさせ、それを拒んだら、HIV対策、初期診療(primary care)、栄養補給、結核感染対策、マラリア対策を含めて、健康にかかわる全ての資金援助を受けられなくするというものだ。要するに、開発途上国の健康保健施策の息の根がとめられるのだ。これは、世界のとりわけ貧しい国々における数百万人の女性の命がかかっているとされる。

すでにトランプは、今年4月、国連人口基金UNFPAへの資金提供をやめた。それによってイラク、ネパール、スーダン、シリア、フィリピン、ウクライナ、イエメンなどで、ジェンダーに基づく暴力や妊産婦死亡と闘ってきたUNFPAに、著しい支障をもたらしているといわれている。

この緊急問題にどう対処すべきか。それを話し合うために、7月11日、国際会議「家族計画グローバル・サミットGlobal Family Planning Summit」が、ロンドンで開催された。報道から発言のポイントを訳す。

ホスト国イギリスの国際開発大臣プリティ・スシル・パテ(保守党)は「この問題の先端に対処しなければ貧困とは戦えない。少女・女性が自分の体をコントロールするチャンスを得ずして、彼女らの未来などない」と述べた。

すでに、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、オランダ、ベルギー、デンマークは、トランプによる妊娠中絶施策の遅滞・禁止を知って、特別予算を組んで、資金援助を表明している。

c0166264_15483223.jpgそのひとつカナダの国際開発大臣マリー=クロード・ビボー(自由党、左)は、自国予算の使途内容を示し、アフリカを中心とする13カ国への資金援助のうち、10代の少年少女に対する「産む産まないことを決める権利と健康」を土台にした性教育に使われるようにすると述べた。彼女は、かねてから「私の政策優先課題の最優先課題は少女・女性です」と公言している。

「命の再生産――産む産まない権利と健康」は重要な政治課題だ。世界の多くの女性団体や関連クリニックや政府は、トランプ政権の流れに抵抗を示しながら、少女・女性たちのために闘う姿勢を示している。日本はどうだ。国会で具体的動きがないのか、報道からは何ら伝わってこないように思える。

それどころか、日本の性教育は、日本会議系国会議員山谷えり子などによる度重なる「性教育バッシング」で、すくなくとも教育現場の性教育は風前のともしびだ。

【写真】「2016年、世界で、2100万人の15歳~19歳少女が妊娠した。うち約半数は望まない妊娠だった」と記されている(ロンドンの「家族計画グローバル・サミット」で配布されたパンフレットより)

https://www.guttmacher.org/
Melinda Gates 'deeply troubled' by Donald Trump's planned budget cuts
Global gag rule: what impact will it have where you live?
These countries are pledging to fill the funding gap left by America’s controversial ‘global gag rule’
Family Planning Summit
Norway pledges $10 million to counter Trump's global anti-abortion move
Trump Signs Law Taking Aim at Planned Parenthood Funding
[PR]
by bekokuma321 | 2017-07-12 14:00 | USA

6月13日(火)、アメリカの配車サービス会社ウーバーUberの取締役はセクハラ発言を詫びた、とする報道が届いた。

セクハラ発言者は実業家のディビッド・ボンダマン(David Bonderman)。ウーバー社のイベントで「女はよくしゃべる」という意味の発言をしたという。

ワシントンポスト紙によると、その偏見に満ちた発言は、不祥事続きの会社を変えるために開かれた、セクシャルハラスメント防止や職場環境改善をテーマにした会議席上だったという。

会場で、新しく取締役になった女性アリアナ・ハフィントン(Arianna Huffington)が、女性取締役は会社にとってプラスになるという文脈で話していた。ノルウェーに端を発した「経済界の決定の場である取締役会にクオータ制を」という方針を世界の企業が取り組もうとしているが、その一環と思われる。

彼女は、「多くのデータによると、1人女性が取締役になると、また次に女性取締役を入れるようになります」と言った。それに合いの手を入れるように、ディビッド・ボンダマンは、「実際、よくしゃべりますんでね」と冗談を飛ばしたらしい。

彼は社員に対して、自分の発言を「不適切だった」として、「同僚の取締役に対して、敬意を失したコメントをしてしまったことを謝罪したい」とメールを出したという。

米各紙が大きくとりあげていて、フェイスブックでは、「50年代のことだ」「こういう男性がいるから、フェミニズムは今なお必要だ」「真実は、あらゆる場で女性よりも男性のほうが多く発言しています」と、けんけんごうごう。開いた口がふさがらないらしい。

c0166264_1453454.jpg ところが、日本で余りに露骨なセクハラ発言を耳にしている私は、彼の発言は聞き流してしまいそうだった。いま思い出すだけでも…。

「 “文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものは「ババア」”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です”って」(石原慎太郎都知事)

「産む機械っちゃあなんだけど、装置がもう数が決まっちゃったと。……別に、この産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないんですよね」(柳沢伯夫大臣)

「日本女性は家庭で働くのが喜び。日本文化だ」(中山義活政務官)

知事に、大臣に、政務官。彼らの発言に批判はあがったが、彼らが公に謝罪した、という記憶はない。

ちなみに、ウ―バ―は多国籍企業。アジアにも進出している。国家戦略特区諮問会議で、安倍首相は「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と述べて、タクシー業者ではない一般人が自分の車で「有料相乗り」できるようにと、ウ―バ―方式の規制緩和を示唆した(2015年)。

Uber board member cracks ‘inappropriate’ joke about women at company event on sexual harassment
Uber's sexual harassment case shines light on a startup's culture of defiance
Uber chief to take leave from company
ガンバッテネ、男性諸君!
大衡村のセクハラ、公務災害に
三菱商事、ノルウェーの会社から女性取締役を追放
ヨーロッパを動かしたノルウェー「取締役クオータ」
ドイツ誌「シュピーゲル」、ノルウェーのクオータ制を特集
“取締役クオータ制”、ついにEUに

【写真】三井マリ子著『セクハラ110番』(集英社)の表紙
[PR]
by bekokuma321 | 2017-06-14 11:37 | USA

アメリカのトランプ大統領は、疑惑解明に司法省が特別検察官を任命したと聞くと、「すべては魔女狩りだ」と怒った。彼は、「ロシア関係の捜査をやめるよう」FBI長官に指示していた疑惑がもたれている。

魔女狩りとは、いつもながらド派手な言いがかりだ。ロシア介入などなかったのなら、証拠をもとに徹底調査をさせて、疑惑を晴らせばいいだけのことだ。

ところで、今日、国会議事堂の一室で、自・公・維新の3党によって共謀罪が強行採決された。この際、ほんものの魔女狩りとはどういうものか思い出してみたい。

アメリカでは、セーレムの魔女裁判が有名だ。17世紀、ニューイングランド地方のセーレム村で、100人を超す村人たちが次々に「魔女である」と告発され、何の証拠もなく、裁判で有罪とされ、絞首刑となった。

ことの発端は、牧師の娘たちが、ある会合で奇妙な行動をとったことだ。牧師は、娘たちの行動の原因は、使用人である黒人女性によって妖術をかけられたからだと断じた。「自白すれば減刑される」と言われた使用人は、妖術をかけたと”自白“した。さらに、関係者であると密告された村人たちが次から次に告発されていった。

『魔女狩り』(森島恒雄、岩波新書)によると、魔女狩りはアメリカより先にヨーロッパで起きた。「1600年を中心の1世紀はまさしく『魔女旋風』の期間だった」。一説には数十万の女性たち(男性も)が、「迷信と残虐の魔女旋風」の犠牲となって、絞殺されたり、絞殺された上で焼かれたり、生きながら焼き殺されていった。

ノルウェーでも魔女狩りがあったと聞いて取材にでかけたことがある。フィンマルクのヴァルドゥーだ。17世紀、魔女の烙印を押されて逮捕された女たちは、城内の「魔女の穴」に監禁され、拷問で自白を強いられて、その拷問に耐えたとしても、城塞跡から500メートルほど先の火刑場に引っ立てられて灰と煙にされた。

ありえない罪を有罪と断定する決めては何だったか。強いられた「自白」だった。魔女とされた人たちは、審問官が誘導するままにすべてを肯定し、「自白」をしていった。

なにやら、今日、衆院の法務委員会で強行採決した共謀罪に似ているではないか。ある場所に集まって話し合っただけで処罰しようというしろものだ。計画するのは頭の中でのことだから、物証があるはずはない。だから自白と密告しかない。

20世紀のイギリスの最高法院長マクドネル氏の言葉は、警告的だ。

「魔女裁判は『自白』というものが不十分であり頼りにならぬものであることを、他のどんな裁判よりも強力に証明している」(同上『魔女狩り』)

c0166264_1183578.jpg
 ▲裁判で死刑となり焼き殺された"魔女狩りの犠牲者"を記憶にとどめるモニュメント(ヴァルドゥーに2011年創設)


小林多喜二から共謀罪を思う
「むかし魔女、いま大臣」(連載「衆院秋田3区の政党交付金」) 
ノルウェーの魔女裁判から思うこと
魔女モニュメント、オープン
[PR]
by bekokuma321 | 2017-05-20 01:40 | USA

ドナルド・トランプの下劣な言動には、私も虫唾が走った。
c0166264_15425948.jpg
公的健康保険の廃止、妊娠中絶反対、イスラム教徒差別、メキシコとの国境に壁、銃規制緩和、テロ容疑者への拷問容認…。   


さらには、大勢の前で、障害を持つニューヨークタイムズ記者の物まねをして彼をあざける。
辛辣な質問をした女性ジャーナリストに対して、「彼女のどこからであれ、血が出ていた」とからかう。

あげくの果てに、「スターなら、女に何でもできる。女性器をつかんだり、な」と、彼が友人に告げた言葉がワシントンポストに公表された。


バカにされっぱなしでたまるか。アメリカの女たちは、トランプのアメリカ大統領就任式の翌日にワシントンでデモをしようと決めた。

英語の女性器(Pussy)は、子猫という意味でもある。「女性器をつかめ」に対抗して、子猫の形のニット帽をかぶるのはどうかしら。帽子の色は「女の子はピンク」と決めつけてきたんだから、ピンクはどうかしら。

こんなおしゃべりが、ネットを通して世界に広まった。名付けて「子猫ちゃん帽プロジェクト」。

そして、121日のアメリカの首都、ワシントン。通りという通りは、ピンクのニット帽で埋まった。「さあ、どうだ、つかめるならつかんでみろ」と。

その子猫ちゃん帽プロジェクトのポスターがこれだ。ポスターには、「女性の権利は人権である」と書かれていて、中央の動詞ARE(=である)がピンクの毛糸で描かれている。その毛糸で編んだ小さなピンクのニット帽が2つ見える。

「子猫ちゃん帽プロジェクト」は121日だけで終わらなかった。38日の国際女性デ―には、日本でも「子猫ちゃん帽」をかぶった女性たちでいっぱいだった。

「子猫ちゃん帽プロジェクト」をもっと知りたい方は、叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち:反トランプ480万人のデモ」をどうぞ。


女たちのワシントン行進とPussyhat


[PR]
by bekokuma321 | 2017-03-21 15:55 | USA



c0166264_23124140.jpg

216日(木)、メディアを敵視するトランプ大統領の記者会見が世界に流れた。


記者たちを小ばかにしながら、攻撃に終始した。なかでも、黒人女性記者に対する失礼で居丈高な態度に非常に腹が立った。


彼女の名はエイプリル・リアンApril Ryan(左)。ホワイトハウス付き20年以上のベテラン記者だ。アーバン・ラジオ・ネットワークAmerican Urban Radio Networks(AURN)のワシントンチーフとして活躍する。


トランプ大統領が突然開いたホワイトハウスの記者会見で、後ろのほうに座っていた彼女は、「CBC黒人議員連盟を インナーシティ政策を話し合う席に、加えていただけますか?」と大統領に尋ねた。インナーシティ問題とは、大都市の中心部のことで犯罪を含めさまざまな問題を抱える。


大統領はCBCを聞き取れなかったようなジェスチャーをして、後ろの席にいる彼女に「誰を加えるんですって?」と質問した。


すぐにリアン記者は、「黒人議員連盟を加えていただけるかどうか・・・」と略語CBCの正式名を言ったら、言い終わらないうちに大統領は彼女に対して「あなたが会合を設定したいんですか? あなたが会合を設定したいんですか?」と繰り返した。


リアン記者は「いいえ、違います」とすぐ否定した。彼女が否定しようとしている発言が終わらないうちに、またしても彼女に言わせまいとするかのように、かぶせて、大統領は「あなたの友だちですか? 会合を設定しなさいよ」と彼女に命じた。なんということだ。


記者の役割は、大統領と議員との会合を設定することではない。「会合を設定しなさい」とは、記者への侮辱である。彼女は、インナーシティ問題の検討に不可欠である黒人の議員団の声を大統領は聞くべきではないか、と全うな質問をしたのであり、それに大統領はまともに答えなかった。


この記者会見で、トランプ大統領は、さすがに「僕は女性差別をしない人間だ」とは言わなかったが、「僕ほど、人種差別をしない人間はいない」と自画自賛した。笑わせるな。リアン記者への侮蔑的態度こそ、彼が人種差別的人間であることの証明である。


このような人物が世界最強の権力を握ったのだから、嫌でも注視していかなければならない。


The Presidency in Black and White: My Up-Close View of Three Presidents and Race in America (April Ryanの著書)上の写真はその表紙
Trump's press conference footage in full – video

女たちのワシントン行進とPussyhat
女たちのワシントン行進、始まる
展覧会「嫌な女」
白人男性大統領の陰にある「勝者総取り」「隠れトランプ」

アメリカに反フェミニスト大統領誕生
アメリカ大統領選と「嫌な女」
オバマ、記者質問を全て女性に






[PR]
by bekokuma321 | 2017-02-18 23:31 | USA

c0166264_2352318.jpg
女たちのワシントン行進は大成功だった。主催者の予想をはるかに超えて、ワシントンでは50万人。全米では100万人を超す大行進となったらしい。

女たちのワシントン行進のシンボルは、ピンクのニット帽だった。通りを埋め尽くした人、人、人。頭には温かそうなピンクの帽子がのっかっていた。

ホームページによると、ピンクのニット帽をかぶろうというプロジェクトを思いついたのは、ロスアンジェルスのクリスタ・ス―とジェイナ・ジ―マンの2人。すぐにア―テストのオーロラ・レディも加わった。

これをかぶって、たくさんのフェミニストたちを元気にできたらすてきだね。そうね、1月21日は寒いしね。

こんな女たちの思いは、またたくまに形になっていった。ホームページで、簡単な編み方が指南される。編み物は昔から女たちの得意技。ワシントンに行けないお婆ちゃんが編んで参加する孫やその友人にプレゼントする。どっさり編んで知人の店に置いてもらい、その日までとりにきてもらう・・・。

そして、1月21日。

全米の女たち、男たちの行進を明るく盛り上げる最高の小道具となった。いや、アメリカだけでなく、世界何十カ国で行進があったらしい。私には、さきほどノルウェーから、ピンクの帽子をかぶってデモに参加した男性の写真がfacebookで届いた。

さて、この帽子には Pussyhatという名がつけられている。Pussy は女性器を指す俗語で、女性自身を指すこともある。「お前は女々しい奴だ(You are a pussy)」と男性を侮蔑するときにも使われる。卑猥なニュアンスがまとわりつき、女性がこのことばを口にすることはあまりなく、男性でも口にする人は多くないように思う。

しかし、あろうことか、ドナルド・トランプは、この単語を使ってワイ談を交わしていた。その録音がそっくり「ワシントン・ポスト」(2016年10月8日)で公開された。さすがの彼も「それはでっちあげだ」とは言えなかった。

彼の言葉は以下のとおり。これほどまでに女性を蔑んだ言葉があろうか。訳す労をとる気になれないので、自分で訳してほしい。

"I'm automatically attracted to beautiful [women]—I just start kissing them. It's like a magnet. Just kiss. I don't even wait. And when you're a star they let you do it. You can do anything ... Grab them by the pussy. You can do anything.”

ロスアンジェルスの3人や、賛同者たちは、「おびただしい数のピンクのPussyを見て、彼はどう思うかしらね」と、クスクス笑いながら編み棒を動かし続けたのではないだろうか。

1月21日、大統領トランプがその光景を見たかどうかは不明だが、ピンクのふわふわしたニット帽は最高の武器となって、彼の女性蔑視に一矢報いたことは確かだ。


c0166264_031182.jpg


weird sister
Pussyhat Project
Trump recorded having extremely lewd conversation about women in 2005(トランプの卑猥な言葉の録音が証拠として掲載されたワシントンポスト記事。テープ起こしされた文字も下劣極まりないが、録音からは彼の声の調子や笑いなどから女性に対する性的侮蔑がよりリアルに伝わってくる)
女たちのワシントン行進始まる(女たちのワシントン行進の目的が書かれている)
Politiet: 2000 marsjerte mot Trumps likestillingssyn i Oslo(ノルウェーでは、1月21日約2000人がオスロで「女たちのワシントン行進」に連帯した。オスロのほかベルゲンなどの他都市でも行われた)

【写真上:Pussyhat。pussyは子猫ちゃんという意味もあり、かぶると猫の耳のようになる。下:ポスター「女性の権利は人権である」。1995年の国連世界女性会議を象徴する言葉だった。ともに、Pussyhat Projectより】
[PR]
by bekokuma321 | 2017-01-23 00:10 | USA

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。就任演説は、アメリカ第一を掲げるエキセントリックな内容だった。大統領就任後、執務室に入った彼が第一にやった仕事は、オバマケア(公的健康保険)つぶしだった。

しかし、女たちの闘いはこれからだ。

まずは、「女たちのワシントン行進」が、現地時間1月21日10時に始まる。もうじきだ。全米から長距離バスに乗って、ワシントンにやってくる。20万人が集まると言われている。

c0166264_1856411.jpg


集合場所は、アメリカの首都ワシントンのキャピタル・ヒル、独立通りと第3通り南西の交差点。

「女たちのワシントン行進」の目的は、アメリカ大統領府を含む、全ての行政府に向けてメッセ―ジを送ることである。メッセージはーー私たちは連帯して、ここに立ち、選挙で選ばれたすべての議員たちが、女たち・家族・地域の権利の擁護のために行動すべきだという願い。

「女たちのワシントン行進」は英語でWomen’s March on Washington 、略してWMW。最新情報はホームページwomensmarchフェイスブックWMWで見られる。Youtubeでも、なぜ自分は行進するかという一言メッセージを視聴できる。老若男女、車いすの人、LGBTIの人・・・。写真は、「私は、行進します。なぜって、私の人生がかかっているから」と言う少女。

昨年の12月初めには、WMWのホームページに記者発表を載せていた。反女性、反環境、反福祉、反多様性の大統領に対するファイトバックに向かって、着々と準備をしてきたアメリカ女性に心から敬意を表したい。

ワシントンまで行けない人たちによって、世界各地で同様の行進も予定されている。すでに20カ国以上で、スタートしているという。

The Women’s March on Washington: Here’s what you need to know
Women's March on Washington, London and global anti-Trump protests - live coverage
アメリカ国務長官のLGBTIに対する謝罪
展覧会「嫌な女」
白人男性大統領の陰にある「勝者総取り」「隠れトランプ」
アメリカに反フェミニスト大統領誕生
アメリカ大統領選と「嫌な女」
オバマ一般教書演説と女性 
アメリカ公的健康保険法、下院を通過
アメリカ健康保険制度改革、山場
ついに自由を我らにーー米国の公民権運動(by American Center)(pdf)
[PR]
by bekokuma321 | 2017-01-21 19:25 | USA

c0166264_9421111.jpgアメリカ政府からのメールによると、アメリカ合衆国国務長官ジョン・ケリーは、2017年1月9日づけで、次のような謝罪をした。公式の訳があるかもしれないが、大事な問題なので、ポイントのみ要訳する。

「国務省長官を含む、これまでのキャリアを通じて、私は、人権の尊重は個々人すべての人を尊重することであるとの認識に立って、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時に診断された性と自認する性の不一致)、インターセックス(両性具有者)グループを支持する立場を堅持してきた。

しかしながら、さかのぼれば1940年代、いやその後、何十年間も、性的指向にもとづいて、そうした人に辞職を強要したり、そうした応募者を雇わないようになど、雇用ならびに採用の際、差別をしてきた、すべての雇用主のひとつ、それが国務省だった。

こうした行為は、今日と同様に当時も間違った行いである。国務省を代表して、過去の行為によって影響を受けた人たちに謝罪する。」

英文は、Apology for Past Discrimination toward Employees and Applicants based on Sexual Orientation

【追記:トランプ政権は、ただちにオバマ政権時代の連邦政府ホームページを刷新した。上記のスピーチは削除されて読めない。2017年1月23日】
[PR]
by bekokuma321 | 2017-01-16 09:43 | USA

展覧会「嫌な女」

展覧会「嫌な女」が1月12日からニューヨーク市など全米でスタートした。

c0166264_1562832.jpg


「嫌な女」は、アメリカ大統領選のテレビ討論会で、トランプ候補がクリントン候補に向かって言い放ったことばだ。

ネットで録画を視聴したが、トランプ候補は、正確には「なんて嫌な女だ」と言った。クリントン候補が、富裕層に増税をして社会保障にもっとお金を回すべきだ、と提案している真最中のこと。トランプ候補は、クリントン候補に最後まで言わせてなるものか、とかぶせて言ったのだ。

聞きしにまさる性差別主義者だ、とわかった。

この討論会以降、アメリカでは、クリントン候補を援護するツイッタ―が増えて無数の女たちが、「私も嫌な女だ」と宣言しはじめた。その1人は、「嫌な女 Nasty Women Vote」と書いたT-シャツを制作・販売したという。大統領就任式にあわせて、女性たちのデモ行進も予定されていて、その数、ウン十万人に上るらしい。

さて、展覧会「嫌な女」は、そうした女性の怒りを芸術で表現しようというプロジェクトだ。同ホームページによると、「女性の権利、個人の権利、妊娠中絶の権利を奪い取られそうになっている『いやな女』に連帯して企画された展覧会」。トランプ大統領就任を前に、これらの権利を守っている組織を支援するために「寄付を募る目的」も持っている。

ニューヨーク市だけでなく全米各地で同じ目的の展覧会がいっせいに開かれる予定だ。賛同する芸術家は、今のところ700人以上にのぼるという。アメリカ女性のファイトバックの速さ、巧みさには、ホントに脱帽する。ホ―ムページをのぞいただけだが、実際に行って見てみたいものだと思う。

Nasty Women Exhibition
facebook_nasty women project
「嫌な女はどこにでも行ける」  
[PR]
by bekokuma321 | 2017-01-14 15:28 | USA