カテゴリ:アジア・アフリカ( 161 )

ナイジェリア人による国際犯罪シンジケートの親分3人(女性)がマドリードで逮捕された。

1月4日の報道によると、彼女たちは、自国ナイジェリアの少女たちに、スペインのビルバオ(ビスカヤ県)とベニドルム(アリカンテ県)のクラブや路上で性産業に従事させていた。

その手口はこうだ。

ナイジェリアの極貧の地に住む少女たち(年齢不明)に対して、ヨーロッパに行けば、きちんとした仕事で給料もいい職業につけると嘘をついて騙す。

嘘とは知らず承諾した少女たちを、ブードゥー教(民間信仰)の儀式に連れて行く。そこで魔術をかけて、組織に絶対忠誠を誓わなければ、少女たちやその家族がひどい目に合うことになると告げる。

その後、ナイジェリアの隣国ニジェールに移動。そこからさらに隣国リビア経由でイタリアに向かう。イタリアへは危険な船旅で、溺れ死ぬ人も多い。

イタリア到着後、いったん公的な移民シェルターに入る。シンジケートのメンバーがそこから連れ出して飛行場に。別のナイジェリア人少女の違法パスポートを使って、飛行機でスペインに渡る。

今回スペインで救済された少女たちは7人だった。

少女たちは、4万から4万5000ユーロかかっていると告げられて、返済に売春を強要された。1日14時間の休みなしの性労働だったという。

国際移民機構IOMによると、ナイジェリアからイタリア海岸に流れ着く何千人もの女性の80%は、人身売買の被害者であるという。以前、イギリスを中継地点として、世界各国に少女や女性を人身売買するナイジェリア犯罪組織について報道されていたが、今度のニュースはイタリアが中継地点だ。

現代の奴隷労働が、スペインで救済された少女たちの告発から明らかになりつつある。

Liberadas 7 jóvenes nigerianas obligadas a prostituirse en Bilbao y Benidorm por una organización dirigida por 3 mujeres
Voodoo threats and prostitution: The plight of Nigerian girls seeking new life in Spain
ガザ地区、ナイジェリア北部に緊急援助
「少女らの誘拐は神の意志」 
ノルウェーの買春禁止法の問題 

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     ▲国際移民機構のナイジェリア・リポート(上の内容は書かれていない)
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by bekokuma321 | 2017-01-09 14:36 | アジア・アフリカ

c0166264_14525839.jpg女子マラソンの金メダルは、ケニアのジェミマ・スムゴング(Jemima Jelagat Sumgong)だった。子持ちの31歳。

「ケニア史上初の金メダル!」と報道されている。とすると、女子マラソン世界記録保持者だったケニアのテグラ・ロルーペ(Tegla Chepkite Loroupe、1973年~)は、金メダルをとってなかったらしい。

報道によると、テグラ・ロルーペは、リオのオリンピックに参加した。

今回は、マラソン・ランナーではなく、「難民五輪選手団」の団長テグラ・ロルーペとして。

「難民五輪選手団」は、今回のオリンピックで初めて誕生した。難民代表団に選ばれた選手は10人(男6、女4)。10人のうち半数の5人、女性4人のうち半数の2人は、ケニアのナイロビ郊外にあるトレーニング・キャンプで、訓練を受けてきた難民たちだ。

難民からオリンピック選手を輩出したケニアのトレーニング・キャンプって、いったいなんだろう。

ネット情報によると、テグラ・ロルーペの率いるスポーツ学校だ。彼女は、世界のマラソンレースで優勝して獲得した自らの賞金をもとに、“テグラ・ロルーペ平和基金”を創設したのだという。

平和基金は、スポーツを通じて、紛争解決、平和構築、教育、環境、貧困の根絶、女性器切除などとくに女性の人権侵害の削減を求める活動を支援している。彼女自身、一夫多妻の家庭に生まれ、父親からは「役立たず」という名前で呼ばれていたという(New York Times)。

平和基金を象徴するロゴは、女性ランナーと平和のシンボル鳩がアレンジされている(写真)。

では、彼女の設立した平和基金から、リオ・オリンピック難民選手団として参加した一人の女性を紹介しよう。

アンジェリーナ・N・ロハリス。彼女は、6歳で親と離れ離れになった。逃亡した故郷南スーダンの「村は、すべてが破壊しつくされました」。「もっともつらかったのは空腹」だった。

アンジェリーナは、北部ケニアの難民キャンプにはいり、そこで、こどもたちの競走に参加して優勝した。彼女には意味がよくわからなかったが、競技のプロからいかに自分が速いかを伝えられて「驚いた」。リオ・オリンピックを皮切りに、世界の競技に出場し、もし賞金を得ることができたらーー後に生きていると知った「父親に家をつくってあげたい」と、いう(UNHCR)。

オリンピックは、愛国心高揚の場だ。そこに国を持たない難民たちが出たのだ。私なら、リオ・オリンピックのゴールドは、難民代表団に半数を送り込んだテグラ・ロルーペ、あなたにあげたい。

Tegla Peace Foundation
Tegla Loroupe Gives Refugee Olympians a Lesson in Hope
UNHCR 10 Refugees Compete 2016 Olympics Rio
まだ残るオリンピックの女性差別
JOC、女子ボクシング出場機会奪う
高梨選手と女子スキージャンプ
女性がマラソンをすると胸毛がはえる
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by bekokuma321 | 2016-08-15 14:57 | アジア・アフリカ

夏のマダン(마당)

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ノルウェーで、移民の娘が当選したことがわかった。その人たちはノルウェーの国籍をとってるのでは」

「日本では、最高裁が地方参政権を否定してきた。どうしたらいいか」

「ノルウェーでは、本当に外国人が地方参政権を持っているのか」

「私たちは、むしろ市民権をはく奪されている。それなのに“特権”があるなどと誹謗中傷される。都知事選のときはひどかった。差別や憎悪をあおるのはヘイトスピーチ法違反ではないかと訴えても、警察は何もしない。“選挙妨害となる”と言うのだ。選挙を楯にヘイトスピーチが野放しだ」

日本に定住する韓国の人たちは、こんな声をあげた。8月6日、在日本大韓民国民団埼玉本部主催「講和:移民が大臣になる北欧の多文化共生社会」でのこと。

国際人権規約は、はっきりと「すべての市民」は地方選挙権を持つとうたっている。日本の最高裁は、地方参政権を認めるべきだ、とまでは言わなかった。しかし、判決にはこうある。

「日本国憲法は、居住する地方公共団体と、緊密な関係を持つ定住外国人に対し地方参政権を付与することを禁止してはいない」。

日本で、定住外国人たちは、地方参政権を求めて何十年も前から運動してきた。しかし、いまだに日本は、外国人の地方参政権を認めていない。それどころか、このところ、排外思想が日本列島を覆っていて、当たり前のことを当たり前に言うことすらできなくなった。

私が長い間調査取材をしてきた北欧諸国では、外国人でも3年間住んでいたら、その地方の参政権を持つ。たとえば、私がオスロに引っ越して3年たったら、私はオスロ市議会(東京都庁にあたる)議員に立候補できるのだ。

へき地と言っていいノルウェーの小さな町でも、小中学校には、ボスニアやアフガニスタンからの移民(難民)の子どもがいた。スーパーには、スカーフ(ヒジャブ)やターバンを身につけた人たちを見かけた。どの地方にも移民や難民の受け入れ枠があり、それに対応しているのだった。

埼玉民団では、講和に続いて、韓国の歌や踊りが披露され、「マダン」も佳境に。

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チマチョゴリ(치마저고리)を身につけた女性たちが表れた。チマは、スカートのことで、チョゴリは上衣。オッコルンという美しい紐(ひも)で、胸のあたりを結んでいる。よく見ると色もデザインもさまざまだ。

楽器は、日本の琴に似たカヤグム(가야금)。サイズは琴より小さめ。琴よりも深い音のようだ。マダンは마당。庭、広場という意味だという。

本の街のチェッコリ
日弁連「永住外国人の地方参政権付与に関する意見書」
韓国総選挙 女性15.7%に

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by bekokuma321 | 2016-08-07 12:27 | アジア・アフリカ

続・赤いバラの闘い 

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マレーシア・クアラルンプールで、通訳の女性に「あなたの国が抱えている最大の女性問題はなんですか」と尋ねてみた。

彼女は声をひそめ、絶対匿名を条件に「女性器切除の慣習です」。

マレー系女性は、ほぼ全員が性器の一部を切除されるのだという。通訳は中国系マレーシア人だった。

「でも、あなたはしなくていいんですよね」

「実は姉はマレー系男性と結婚したんですが、彼は性器を切除してない女性とは結婚できないと言い張るので、ついに姉は女性器切除をされました。姉のような例はたくさんあるのに、誰にも話せないので、社会問題にならないのです」

女性器切除(FGM)は、アフリカの国々の村で行なわれている伝統的儀式だと知っていた。ところが、高層ビルが立ち並ぶアジアの大都市でも行われていると聞いて、怒りがこみあげてきた。

この後を知りたいかたは、「I 女性会議」の「叫ぶ芸術」 赤いバラの闘いをどうぞ。この素晴らしいポスターが、誰によって作られたかも書かれている。

赤いバラの闘い
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by bekokuma321 | 2016-04-17 21:57 | アジア・アフリカ

赤いバラの闘い

c0166264_15361495.jpg「 I 女のしんぶん」(2016年4月10日号)を開いて、何よりも最初に「叫ぶ芸術のポスター」に引き寄せられた。

今回のポスターは「赤いバラの闘い(アムネスティ)」だ。

胸の奥にヒリヒリした傷みを感じて非常に辛かった。記事を読み進めていくうちに、傷みとともに怒りが湧き上がってきた。

21世紀の現在で、世界30カ国の少女・女性が犠牲になっていて、毎年300万人が、この危険な目に遭っていると書かれている。にわかには信じがたい数字である。

これほど女性に犠牲を強いている事実を、単に風習・伝統だからと、片づけていいのか。多くの女性が声をあげられないのは理解できる。では、男性は、どのように受け止めているのか。女性器切除の理由・根拠のひとつが、男性の快楽のためであることに、人間として、怒りとやりきれなさを覚える。

出産時に、女性器の一部にハサミを入れられることがある。ハサミと書いている今でさえ、私の胸にズキンと痛みが突き刺さってくる。しかし、それは胎児の安全のためだ。だから、女性たちは縫合などの後々の手当てにも必死で耐える。

しかし、この女性器切除は、本人のためでも胎児のためでもないのだ。ポスターには、小さい字でメッセージが書かれている。

「これは明らかな人権侵害である。
いかなる政府もこの犯罪に目をつむってはならない。
少女・女性への暴力を許さない、このたたかいに力を」

字は小さいが、問題はとてもなく大きい。私もこの闘い(女性器切除反対の闘い)にともに声をあげたい。

伊藤 由子 宮城県加美町町議

【新聞は白黒ですが、近日中「I 女性会議」の「叫ぶ芸術」において、カラーで(!)見ることができます:FEM-NEWS編集部】
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by bekokuma321 | 2016-04-11 16:01 | アジア・アフリカ

本を読もう!

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このポスターは、イタリアの友人宅の台所の真っ白な壁に掲げられていた。

生き生きとした女性の表情、シンプルな構図、ダイナミックなデザイン、大胆な色づかい…。聞けば1924年に旧ソ連で制作されたポスターのコピーなのだとか。はるか90年以上も前のことだ。

最も印象深いのは、中央の女性だ。他の言葉はロシア語なので意味不明。そこでgoogle翻訳の助けを借りて、生まれて初めてロシア語を勉強した。

こころもとないことこの上ないが・・・・。女性が手を口元にして、叫んでいる言葉は、「クニーギィ KHИГИ」(ロシア語で「本」の意味)。「本を読もう」と叫んでいるらしい。上と下のЛЕНГИЗ はレニングラ-ド出版の略語。右側のКНИГИ ПО ВСЕМ ОТРАСЛЯМ ЗНАНИЯは、「学問のすべての分野についての書籍」。

国立出版社レニングラード支部の宣伝に作られた、プロパガンダポスターだが、どこかで見たような気がする。実は、このポスターは、超有名で、最近では、英ロックバンドのフランツ・フェルディナンドのアルバム・カバーにも使われるなど、時代を超えて多くの国のさまざまなジャンルに模倣されているという。

モデルの女性は、リーリャ・ブリーク(1891~1978)。ソ連の映画監督で、左翼芸術雑誌“LEF”の編集にも関わった。幼少時からバレエやピアノのほか詩や絵画にも才能を発揮した上、ドイツ語とフランス語に堪能、モスクワ建築大学で建築と美術を専攻した多彩な女性だったらしい。

ポスターの作者はアレクサンドル・ロトチェンコ。グラフィック・デザインの父と称される芸術家だ。「ロシア・アヴァンギャルド」に属し、絵画、建築、写真等多岐にわたって活躍した。1920年代には詩人ウラジミール・マヤコフスキーと共同でポスター制作に熱中。マヤコフスキーの作る詩がキャッチフレーズとなり、ロトチェンコのデザイン力で、次々に前衛的な作品が誕生していったといわれている。

2人の男性をつないだのは、おそらく、リーリャ・ブリークだ。彼女の一生は、英語の短文を読んだだけでも、革命前後のロシアをほうふつさせ、映画のようだ。そのあたりは「叫ぶ芸術ーーポスターに見る世界の女性たち:本を読もう!(ロシア)」をどうぞ。

「叫ぶ芸術ーーポスターに見る世界の女性たち」_I 女性会議
Lilya Brik: a very Soviet siren
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by bekokuma321 | 2016-02-15 16:27 | アジア・アフリカ

c0166264_12235893.jpg女性性器切除の被害者は、少なく見積もって2億人である。これまでの統計より7000万人多い。このままだと、15歳から19歳までの少女1500万人がさらなる被害者となる。

「女性性器切除を許さない日」の2月6日に向けて、国連機関によって公表された。ガーディアン紙などの報道によると、この衝撃的数字は、インドネシアの最新データが加わったためだという。

女性性器切除は、FGM(Female Genital Mutilation)の和訳だ。日本の女性運動団体「FGM廃絶を支援する女たちの会」によれば、女性外性器の一部あるいは全部の切除、時には切除してから外性器を縫合してしまう慣習のこと。

アフリカを中心に様々な民族の伝統的な女児の通過儀礼として、2000年以上も続いていると言われている。具体的には、次のようなもの(「FGM廃絶を支援する女たちの会」より)。

タイプ1: クリトリスの一部もしくは全体およびクリトリス包皮の切除、あるいはクリトリス包皮の切除(clitoridectomy:クリトリス除去術)。

タイプ2: クリトリスの一部もしくは全体および小陰唇の切除。大陰唇の切除を伴う場合もある(excision:切除術)。

タイプ3: 小陰唇および大陰唇、あるいは小陰唇か大陰唇のみを切除・接合することによって覆いが作られ膣口を狭める。クリトリスの切除を伴う場合もある(infibulation:性器縫合)。

タイプ4: その他、医学的治療以外の目的で女性性器を傷つける施術。たとえば、突き刺す、極小の穴を開ける、切り込む、削る、焼灼といった行為。

そのすさまじい後遺症、悪影響。上記団体は、こうまとめる。

「FGMの施術は、一般的に剃刀や鋭い石などを使い、麻酔も薬も用いず行なわれる。そのため、激しい痛みや出血によるショック、感染症で死に至ることもある。また、HIV/エイズ感染の危険もある。後遺症も深刻であり、尿道の損傷、慢性の感染症、貧血、腎障害、月経困難症、失禁、傷跡(ケロイド)による難産、腟狭さく及び陰唇裂傷、ろう孔(フィスチュラ:腟と膀胱、腟と直腸の間に穴が開いてつながってしまう疾病)、性交時の激痛、性行為への恐怖、うつ症状など女性の身体と人生に大きな影響を与える。」

世界の最貧国のひとつにマリという国がある。私は幼いころから関心をよせていた。自分と同じ名前だからというだけだが・・・。公的発表によると、マリも、女性の約9割が女性性器切除の被害にあってる。

しかし、この2000年以上も続いていると言われる抗いがたい慣習に、立ち向かっている女性たちがいる。

その闘女の1人は、マリのフェミニスト、ロキア・サノゴRokia Sanogo。薬学博士だ。NGO「伝統的医薬発展への支援」"Aid for the Development of Traditional Medicine" (Aidemet)を立ち上げ、そこを中心に、女性性器切除廃絶に向けて運動をしている。驚嘆せざるをえない。

Malian NGO launches book on dangers of female genital mutilation
Number of FGM victims found to be 70 million higher than thought 
International Day of Zero Tolerance for Female Genital Mutilation, 6 February
FGM廃絶を支援する女たちの会 
女性器切除FGMは子どもへの虐待
ウガンダ、女性器切除FGM違法へ
ソマリア女性にナンセン難民賞
ノルウェー、世界の女性の人権に6000万クローネ
スーダン、ソマリアの女性器切除

【写真:マリの女性を描いたマリの壁掛けBatik】
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by bekokuma321 | 2016-02-05 12:34 | アジア・アフリカ

c0166264_222117.jpg台湾の総統選は初の女性総統当選に終わった。同時にあった国会にあたる立法院議員113人を決める選挙はどうだったか。

台湾は日本と同様、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わったとされている。しかし、日本と全く違う点がある。

それは、比例代表制34議席を選ぶ政党の候補者名簿は、男女半々でなければならないとされていることだ。これは、50%クオータ制だ。原住民枠が6議席、別に設けられていることも初めて知った。平等性を感じさせられる。

世界の国会における女性割合を調査比較しているIPUには、残念ながら台湾の情報は公開されていない。国連加盟国ではないからだろう。しかし、いくつかの報道によると、選挙前、すでに国会議員の約3割が女性だった。

まだ、選挙結果に女性数が出ていないが、台湾の最高決定機関に女性がどの程度増えるか楽しみだ。


List of members of the ninth Legislative Yuan
Taiwan presidential race showcases women's increasing role
Online Press Kit
A brief introduction of the 2012 presidential and eighth legislative elections
台湾初の女性総統の影に
女性議員増めざして制度改善を
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2016-01-18 10:25 | アジア・アフリカ

台湾初の女性総統の影に

c0166264_21513833.jpg蔡英文(Tsai Ing-wen ツァイインウェン)が台湾の総統に当選した。

主な勝因は「8年間の馬政権への市民の強い不満が蔡氏と民進党を後押しした。馬氏は対中関係を改善すれば経済も良くなると訴えたが、恩恵は一部に集中。勤労者の給料は上がらず、息苦しさが増した」(朝日)と報道されている。

FEM-NEWSは、「初の女性総統誕生の背景」は何かをさぐってみたい。

欧米メディアは、アジアの国々の大統領や首相などになった女性はいるが、政治家家系出でない女性の当選は初めて、と報道している。

蔡英文の総統当選に至るまでには、彼女が民進党の党首に選ばれたうえで、総統選挙に立候補しなければならない。だから、民進党が女性党首を誕生させた背景にこそ注目すべきだろう。

最も重要なことは、民進党は、1987年の結成以来、女性が要職を担ってきたことが考えられる。なかでも熱心なフェミニストの呂秀蓮(Lu Hsiu-lien りょ しゅうれん、アネット・ルー)の影響力をあげたい。

昨日、世界中にあふれた当選後の報道写真のなかに、蔡英文が党の要人と映っている写真があった(写真)。蔡英文の左隣に立つ副総統候補(男性)の左にいる女性が、呂秀蓮(アネット・ルー)である。右側には現高雄市長で、元民進党代理主席の陳菊(ちんきく)が見える。

呂秀蓮(アネット・ルー)は、フェミニスト活動家であると同時に弁護士で小説家だ。1992年、日本の国会にあたる立法委員に当選した。2000年、民進党初の総統となった陳水扁から副総統(副大統領)に要請されて立候補して当選。50年間の一党支配から政権を奪還した。彼女は台湾史上初の女性副総統に就任し、2004年に再選された。

いくつかの資料によると、呂秀蓮(アネット・ルー)は、その後、2007年、2011年と2回、台湾総統選挙に立候補を表明したが、最終的に辞退したとされている。2011年、彼女が譲った台湾総統の民進党候補は、翌2012年国民党候補に敗れた蔡英文である。そして彼女は、昨日、捲土重来をはたした。

アネット・ルーは、美麗島事件で懲役12年、公民権終身剥奪の判決を受けた。ガン治療の理由で5年の入獄後、仮釈放された。美麗島事件とは1979年の世界人権デーに台湾で行われた反体制集会の主催者らが弾圧され、国家反逆罪で有罪とされた事件(朝日)。ちなみに、陳菊も懲役12年の判決を言い渡され、約6年入獄。

さて、アネット・ルーという著名なフェミニスト政治家が姉貴分として党指導部に健在だったことは、蔡英文の党首誕生に、これ以上ないくらい大きな貢献をしただろう。いやアネット・ルーこそ、初の女性総統を押し出した原動力といえよう。

さらに、もうひとつ大きな力となったのは、若い女性たちが、蔡英文を通じて、民進党に関心を寄せるようになる政策を、党主導で実行してきたことであろう。

「政治家はみな権力がほしいだけ」と思っていた女性2人が、蔡英文事務所からの依頼を受けて、党幹部に抜擢された。1人は、ドキュメンタリー映画監督で「生まれながらの反逆者」と称するLiao。NY大学でジェンダー学を学んだ。もう1人は、男女平等委員会に委員だった婦人科医のLinである。

この2人の女性は蔡英文の”内閣”にはいって、党内から民進党を変えていったに違いない。

民進党は女性に友好的な政策をとってきていたが、若い女性たちにはその政策が届いてないことに反省をせまられていた。そこを変えていくためのポストをつくり、そこの仕事人に、新しい女性をあてたのである。

1994年、台湾の国際女性会議に参加した。主催者はアネット・ルーだった。私の傍にやってきた小柄な彼女に合わせて、私は思わず膝を曲げてポーズをとった。そのなつかしい写真が手もとに残っている。

Taiwan elects first female president
Tsai Ing-wen elected Taiwan's first female president
DPP introduces its new officials at press conference
Democratic Progressive Party
UNSINKABLE ANNETTE LU
B【闘う女は美しい】 「響き合う女たちの声」
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by bekokuma321 | 2016-01-17 22:09 | アジア・アフリカ

先月末、ネパールに女性大統領が誕生した。ネパール国会で、賛成327、反対214の多数決で選ばれた。

報道によると、新大統領ビドヤ・デビ・バンダリ(Bidhya Devi Bhandari)は、ネパール史上初の女性の大統領となる。

BBCは、「ネパール国会は女性解放運動家を大統領に選んだ」「彼女は、大統領となって、さらに女性や社会的弱者の権利擁護に力をつくすと約束した」と報じている。

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ネパールは、貧困にあえぐ社会だ。それに加え、15歳以上で読み書きできる男性は 62.7%、女性 34.9%(2001年)という男尊女卑社会でもある。そのような社会で、女性の権利のための活動してきた彼女は、筆舌につくしがたい困難に出会ってきたはずだ。

ネパールでは大統領は儀礼的な地位にあり、首相が政治的実権を握るのは首相だそうだ。それにしても、女性解放運動家が大統領に就任するとは。男女平等社会への大いなる予感を感じさせる。

ビドヤ・デビ・バンダリは、ネパール共産党の書記長だったマダン・バンダリの妻。夫が不審な交通事故で亡くなった後、政界に復帰し、国会議員に当選した。ネパールを君主制から共和制に移行させるさまざまな運動の先導的役割を担ってきたと言われている。

ガーディアン紙によると、ネパールの新憲法は、国連の女性差別撤廃条約の精神にそって書かれているという。国会議員ならびに行政府の全委員会委員のの3分の1は女性でなければならず、大統領と副大統領のどちらかは女性でなければならないと明記されている。

このような憲法改正なら、私だって大の大の大賛成だ。

Nepalese parliament elects first female president
Bidhya Devi Bhandari elected Nepal's first female president

【写真はhttps://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AVidhya_Bhandari1.JPG

日弁連「貧困からの女性の解放、性別不利益解消にむけて」
赤松良子賞と女性差別撤廃条約
性差別撤廃へ キャンペーンは続く
女性閣僚辞任と政治資金

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by bekokuma321 | 2015-11-12 18:44 | アジア・アフリカ