カテゴリ:ヨーロッパ( 267 )

c0166264_2184835.jpgスペインから吉報が届いた。

日曜日、バルセロナとマドリードの2大都市で反貧困を唱える政党が勝利したという。

バルセロナ市長には、バルセロナの"怒れる人たち"がつくった新党「普通のバルセロナBarcelona En Comú」から立候補したアーダ・コラウAda Colau(41)が就任する見込みとなった(写真)。

Ada Colauは、"怒れる人たち"の反貧困活動家だ。バルセロナ市民は、まったく政治経験のない反体制運動家を市のかじ取り役に選んだのだ。Ada Colauは「ゴリアテを破ったダビデのようだ」と小が大を制した奇跡を喜んだ。

「普通のバルセロナBarcelona En Comú」は、Ada Colauをリスト(候補者名簿)のトップにして15人で市議会に挑戦した。リストをみると女、男、女、男、と順番に並んでいる(注)。同党は、市議の41議席のうち11議席を獲得した。今後、他党との連立協議を経て、彼女が市長となる。

新党のコアとなったのは、怒れる人たち(Indignadosインディグナドス)。2011年5月15日の反貧困、反差別を求めるデモ終了後、そのまま広場占拠が始まり、この運動に参加する人たちを表す言葉となった。

Ada Colauは、勝利を目前にして、こう語った。

「バルセロナが民主主義の町、社会正義の町と言われるようになる、こう考えるだけで、最高にドキドキします。バルセロナには、資源も資金も技能もある。唯一なかったのは、政治的意思です」

公共住宅の充実と、公共財源の平等的配分を掲げている。

「やるべきこと」はこうだ。市長歳費を2200ユーロ(日本円で30万円以下)に減らす、公用車を撤廃する、委員会への議員の出席予算を撤廃する、市長任期は2期まで・・・。行政の委員会などすべての会議の内容はインターネットで公開する、という。

政治家は、貧しい市民に比べ、手にするカネが多すぎる。日本も、議員歳費半額にするとかの改革をしたら、地方財政がどれだけ楽になることか。

c0166264_106562.jpg一方、マドリード市長には、元検事で共産党員のManuela Carmena(71、写真左側)が、貴族市長から市長職を打ち破る闘いをした。他の左派党との連立が成功すれば、彼女が市長となる。

現市長Esperanza Aguirre(63、写真右側)は、貴族の称号を持ち、国民党初の女性党首だった。有力市長候補ともに女性で、日本なら“女性同士の闘い”と揶揄されたかも。

とにかく、スペインで、反貧困、反差別をスローガンにする新党が地方政権を握った。これぞ、政治だ。今夜はスペインワインで乾杯!

Spain's indignados could rule Barcelona and Madrid after local election success
Barcelona's anti-poverty crusader leads race to be city's next mayor
Ada Colau arrebata Barcelona a CiU
Barcelona En Comú
Ahora Madrid
女人禁制118年を破った指揮台の女性  
■注:下が「普通のバルセロナ」のリスト登載候補者。比例代表制選挙なので、政党が候補者の順番を決めて、リストを作成する。有権者は支持する政党のリストを1枚選んで投票箱に入れる。選挙後、政党の獲得票に比例して議員数が決まる。男女交互のリストの政党なら当選者も男女半々となる。最大政党のリストのトップの候補者が市長となる。市長選はない。
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by bekokuma321 | 2015-05-25 21:26 | ヨーロッパ

イタリアのレンツィ内閣は、選挙法改正案を成立させた。2016年7月から執行される。

イタリアは、上下院2院制で、選挙はどちらも完全比例代表制である。

今回の改正によって、40%に届いた最高得票の政党は自動的に過半数議席を得ることになる。どの政党も40%に満たない場合は、上位2つの政党で再投票される。

特筆すべきは、女性議員を増やすための積極策が、同時に明記されたことだ。

100選挙区ごとに、政党が決める候補者名簿(リスト)が投票用紙となる。有権者は、支持する政党のリストを選んで投票する。政党ごとの得票率に比例して議席数が決まり、リストの上から当選してゆく。

今回の改正では、各政党のリストのトップに登載される候補者は、少なくとも40%が女性となるよう、党中央が決定する。比例代表制選挙の場合、リストのトップの候補者は、ほぼ確実に当選する。つまり、女性議員が確実に増える。次のイタリア国会議員選挙が楽しみだ。

第2次大戦後、イタリアの内閣は63回も変わり、「回転ドア」と揶揄されてきた。政権の安定をどう確保するかが課題となっていた。しかし、この選挙改正案には、野党は政治権力を最大党に集中させると強く反対していた。

Major election reform in Italy as parliament approves new law
イタリアはパリタリア
アテネ宣言
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by bekokuma321 | 2015-05-21 16:55 | ヨーロッパ

革命はポルカに乗って

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平塚らいてうが中心となって、1911年、雑誌『青踏』が日本に誕生した。女性に選挙権も集会の権利もなかった明治の世。女たちの心を燃え立たせ、“常識派”たちの怒りをかった。

『青鞜』を支えた編集者たちのなかに伊藤野枝がいた。まだ10代だったという。その伊藤野枝の生き方に強い影響を与えたのがエマ・ゴールドマン。上のポスターに描かれている女性だ。

エマ・ゴールドマンは、1869年リトアニアに生まれ、アメリカで活動し、1940年カナダで死亡。フェミニストの間ではよく知られた、アナーキストの女性解放運動家である。

彼女は自分らしい生き方を信条にした。その伝説の思想的自由奔放さを表した、このポスターが、1970年代のアメリカに登場した。

高々と掲げるバナー。英語の言葉が躍る。

「もし私が踊れないなら、私はあなたの革命に参加する気はない――エマ・ゴールドマン  
If I can't dance, I don't want to be part of your revolution! ―Emma Goldman」

舞曲は、リトアニア人が大好きなポルカだろうか。

つづきは I女性会議サイトからどうぞ。こちら「叫ぶ芸術:革命はポルカに乗って(リトアニア)」
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by bekokuma321 | 2015-05-21 12:18 | ヨーロッパ

c0166264_2295729.jpg朝日新聞は、英国総選挙結果を「進む分極化 内憂外患」と題して、国民の政党支持が多党化していると分析している(2015.5.9、ヨーロッパ総局長梅原季哉)

連立を組んできた自由党の大敗北。それに、反緊縮財政、核軍備撤廃を掲げるスコットランド国民党SNPの大躍進が理由らしい。

そういえばSNPのシンボルといえるマイリ・ブラック(20歳)は「緊縮財政による貧困化反対、核軍備への歳出反対」と、力強く当選スピーチをした(写真)。拍手!

加えて、反EUを掲げる右派の英国独立党UKIPの高得票を理由に上げている。UKIPは、わずか1人しか当選してないのだから影響力があるとも思えないのに・・・。こう思いながら、得票率をよく見ながら図表を作成してみた。左の数字は議席数、右は得票率。

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なるほど、UKIPの票は、保守党、労働党についで第3位だ。全国的に幅広い支持を集めている。それなのに、緑の党と同じくわずか1議席しかとれなかった(個人的にはホッとした)。

さらに注目すべきは、スコットランド国民党。56人もの当選者を出して第3党に踊り出たが、その得票率は、なんと5%に満たない。自由党など7.9 %もとったのに、議席は8議席。5%以下のスコットランド国民党の7 分の1 だ。誰が見ても国民ひとりひとりが投じる1票に、議席が比例していないとわかる。

朝日は、最後に「単純小選挙区の下でのニ大政党制は、民意をすくい取る仕組みとして機能不全を起こしているのだ」としめている。

同じく朝日の石川真澄も、以前こう書いていた。

「英国では小選挙区制のもとでの『ニ党制』も、それによる『政権交代』も、ともに確実に過去の神話になりつつある。そして、そこから選挙制度そのものを見直そうという機運が強まってきているのも当然といえば当然の成り行きである」 (石川真澄著 岩波ブックレット『小選挙区制と政治改革』)

その上にたって、石川は、日本の小選挙区制移行を厳しく批判した。

「小選挙区制の『本家』と思われている英国はその弊害に気づき、見直しに動いている。ちょうどその時期に、日本はその小選挙区制を採用するのが『政治改革』だと思い込み、与野党が全力で実現に向けて走っている。珍妙な風景といわなければならない」

発刊は20年以上前の1993年。日本に小選挙区比例代表並立制が実行されてなかった頃だ。

1996年から、日本では、その小選挙区ウンニャラの選挙が実行され始め、その後何度か続いて・・・・

今や、有権者の3割しか改憲に賛成する人はいないのに、「衆院議員の8割以上」が改憲賛成、と化してしまった(2015.5.3 朝日)。

国会は、民意を反映していないどころか、民意と反対の場になった、と言いたいくらいだ。

英国下院、女性が30%に
イギリス6割が選挙制度改革に賛成 
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位


[追記:選挙改革協会の副事務局長は、英選挙結果を受けて、「民意が議席に反映しない歪んだ選挙、信じがたいほど不公平な選挙である」と発表した。「74%が比例代表制を支持するとの世論調査があるが、さらに増えるだろう」とも。出典はHuff Post Politics 2015年5月11日。Thursday's Skewed Election Result Shows We Need to #MakeSeatsMatchVotes]
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by bekokuma321 | 2015-05-09 22:15 | ヨーロッパ

英国下院、女性が30%に

c0166264_1447395.jpg英国の総選挙が終わった。

報道によると、女性が国会議員の30%を占める見込みだ。

もっと女性を国会に増やそうという世論が政党の女性候補擁立につながり、女性の立候補増に結びついたようだ。

予測では650議席中、女性は190議席を上回りそうだ。うち96議席は、「セーフ・シート」と呼ばれる無風区で当選した。さらに接戦区で女性が16人、当選するもようである。

総選挙のハイライトはスコットランド国民党(Scottish National Party )の大躍進だった。女性党首を囲んで、当選の喜びを表す大勢の女性当選者たちの写真は圧巻だ。

SNP当選者の中でも、注目はマイリ・ブラック(20歳)。グラスゴー大学の女学生だ。イギリス史の過去300年間で最も若い国会議員となるという。

現在、下院に女性は148議席を占める。予測数192議席となると、歴史的快挙と呼べそうだ。192議席、約30%という数字は、世界の国会議員における女性割合ランキングで、36位。これまでイギリスは56位だった。おめでとう!

しかし、フォーセット協会は、「30%? 女性の国会議員がたしかに増えたようですが、男女同数にはほど遠いです」とコメントしている。気に入った。

さすが、フォーセット協会。うむことなく女性解放のために運動してきた女性ならではの発言だ。今回の選挙でも、女性が参政権を求めて運動した昔の衣装を身につけて、女性の投票を呼びかけていた(左上写真)。

Record numbers of women set to become MPs
Election 2015: SNP wins all seven Glasgow seats
Fawcett Society
SNP student Mhairi Black defeats Labour's incumbent Douglas Alexander - video
イギリス元副首相、議会の性差別を指弾
イギリスの政党、女性議員増に動く
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by bekokuma321 | 2015-05-08 14:53 | ヨーロッパ

c0166264_23164564.jpgいかに女性議員が日本に少ないか。このテーマを日本のメディアが報道するようになって、うれしい。

今朝の朝日は、家庭との両立が壁、と多くの女性衆議院議員が応えている、と報道していた。

女性議員の少なさには、そうした意識の問題や慣習のしばりもあるだろう。しかし、日本の政界における女性の少なさの最大要因は選挙制度にある、と思う。

女性議員を増やすには、小選挙区制から比例制に変えることだ。少なくとも、現行の小選挙区比例並立制の比例部分の数を増やすことだ、と思う。

もうじきイギリスの総選挙がある。

有力政党のなかに3人女性党首がいて、討論会では女性の存在も目立つ。労働党は、ピンク色のバスを特注して女性有権者に投票を呼び掛けた。しかし、選挙の争点に女性問題はよく見えない。賃金差別撤廃、DV・セクハラなど女性への暴力根絶、高齢女性の年金の低さ解消など・・・は優先課題に登っていない。

こんな実態に業を煮やしたのか、先日、BBCの人気女性コメディアンSandi Toksvigが「女性平等党 The Womens Equality Party」を創設すると発表した。2020年をめどに、国会に打って出るという。女性は多数派であり、女性の課題を解決することは、女性だけのためでなく、男性のためでもある、と主張する。

北欧では、いち早く「フェミニスト党」ができて、同様の主張で、支持を伸ばしている。

その北欧諸国の政界の女性進出の高さは、他に追随を許さない。スウェーデン、ノルウェー、フィンランドは、内閣の半数が女性であり、国会議員の50%から40%は女性だ。

北欧諸国は、どこも比例代表制選挙だ。国会も地方議会も比例代表制で選挙がなされる。2000人の小さな自治体でも、大きな政党はそれなりに、小さな政党はそれなりに議員を出し、女性議員は4割程度を占める。

今朝、イギリスの市民団体「選挙改革協会」からメールが届いた。

「あと2日で、小選挙区制が、完全に時代遅れであることがはっきりする」と冒頭で述べる。

日本は、1990年代半ば、中選挙制から小選挙区比例代表並立制に選挙制度を変えた。基本は小選挙区制だ。小選挙区制の母国はイギリス。そのイギリスで、「小選挙区制は時代遅れ」の声がどんどん大きくなっているのだ。

選挙改革協会によると、比例代表制という公平な選挙制度の支持者は、今回、全体の4分の3に上ったという。

「今日、インデペンダント紙は、第1面トップで、私たちの代表を選ぶもっといい制度を指示する人が圧倒的に多いと報道する」と紹介している。

なぜイギリス国民は小選挙区制に不満なのか。

「票と議席がマッチしない選挙制度に不満をもつ人が増えている」からだという。選挙改革協会は、「今こそ変革の時だ」と唱える。

イギリスでは、「10人に1人が、木曜日、戦術的投票をする」。すなわち、最も支持する候補者ではなくその次の候補者、または3番目の候補者に投票する。気に入らない候補者を落とすためにそうせざるをえないのだという。

ここには、「幻滅への処方箋」しかないという。

すなわち、イギリスでは、木曜日の総選挙を待つまでもなく、「368議席もの多数の議席はすでに決まっている」。その選挙区で当選者を出せないことが確実な政党は、「その選挙区を捨て去って、接戦区に集中する」。だから、選挙に関心など持てるはずがない。そうした有権者は2700万人にのぼるらしい。

最も票をとったひと1人だけが当選する小選挙区制は、多様な意見を持つ人々の代表を選ぶ方法ではない。とりうる制度は、政党の得票に応じて議席が配分される比例代表制だ。

c0166264_21214277.jpgイギリスでは日本のようにしょっちゅう解散・総選挙とはならないらしい。供託金も日本の300万円に対し、7万円程度だ。キャンペーンも戸別訪問が主で、朝から晩までの名前の連呼はない。投票も、候補者名を書くのではなく、政党のシンボルマークにチェックを入れるだけ。なるほど、日本の選挙よりは楽そうだ。それでも、最強の勝者ひとりを選ぶ選挙キャンペーンは、女性には過酷に違いない。

北欧のように、「出産直後に選挙だったが、政党の候補者リストの上位に登載されていたので当選でした」というような女性などありえない。

20年以上前から「女性議員を増やそう」「クオータ制導入を」と運動している全国フェミニスト議員連盟という団体がある。私も、長年、仲間たちと頑張ってきた。国会議員に意見書を出したり、集会を開催したり・・・。女性が5割、4割を占める北欧の政治や選挙システムを調査して紹介もしてきた。

日本の女性の能力、判断力、指導力は男性に比較して決して劣ってはいないし、日本の女性たちが北欧諸国の女性に比べ、劣ってもいない。

問題は、やはり選挙制度だ。

We're on a roll
General Election 2015: Sixty per cent of people want voting reform, says survey
Our electoral system is absurd. Time to change it
Election 2015: Sandi Toksvig launches Women's Equality Party
General election 2015: a campaign full of women but not about them
a fair deal for women
Election 2015: General election FAQs
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
男女平等なくして民主主義なし
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~
原発事故から考える民主主義
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
女性の約7割、原発NO!
比例区削減案に反対します!

【写真上:選挙改革協会のメールより転載、写真下:英国の投票用紙。候補者名の横に所属政党のシンボル・マークがあり、その右の空欄に×をつける。日本のように有権者が候補者名を書くことはない。Politics in the UKより】
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by bekokuma321 | 2015-05-06 23:10 | ヨーロッパ

強制結婚の恐怖

c0166264_21155664.jpgロンドンにある、その小さな墓石には「バナーズ・マームード、1985年12月16日生~2006年1月24日没」とあった。

僅か21年の生涯は、ロンドンの警察や検察庁の先入観を打ち砕いた。

イラクのクルド地区生まれのバナーズの一家は、1995年、サダム・フセインの弾圧を逃れてロンドンに亡命した。バナーズは10歳の物静かな少女だった。

17歳のとき、父親によってロンドン在住の同じクルド系の男性と強制結婚させられた。夫の暴行と強姦に耐えられず、何度か家出をしては連れ戻された。何回かの家出の末に恋人ができた。

私は2年前見た、ドキュメンタリー映画『バナーズ』から、思い出して書いている。

その映画にはバナーズが警察署で供述している場面もあった。

誰かに尾行されているとわかったバナーズが警察に駆け込む。痩せ細った顔面蒼白の彼女が、小さなメモ用紙を手に、警察官に話し始める。

「夫は私を強姦し、髪の毛をつかんで引きずり回しました。唇や耳から血が吹き出し、私の左手首の骨はねじ曲げられました」

「私は追われています。私の身に何か起こったら、犯人は彼らです」

バナーズの訴えを聞いたロンドン警察。しかし、強制結婚や名誉殺人の怖さが理解できなかった。一方、イスラム教のクルド系一家には、離婚は家の恥辱だとする因習があった。

そして・・・

つづきは、「I 女のしんぶん」叫ぶ芸術--英国をどうぞ。


エミー賞を競った「名誉殺人」と「フクシマの嘘」
パキスタンの名誉殺人
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by bekokuma321 | 2015-04-19 21:33 | ヨーロッパ

c0166264_2264843.jpgRFI英語版によると、フランスの県議会選挙で当選した4108人の議員のうち2065人が女性だという。かっきり男女半々だ。

女性議員は、これまで10%台だったというから、すさまじい伸び率だ。

それもそのはず、3月26日に紹介したように、「男女ペア候補制選挙」となったからだ。投票するほうも、支持する1人に1票を入れるのではなく、男女ペアに入れる。

選挙は2015年3月22日、29日、小選挙区制で行われ、サルコジ前大統領率いる保守系の国民運動連合(UMP)が勝利した。

Gender parity in French politics faces test after departmental elections

【写真:フランスの国旗は青(自由)、白(平等)、赤(博愛)だ。真ん中の白「平等」は他に比べて比率が小さい。その小さな枠からフランス女性がこちらを見ている。今、フランス女性は見ているだけでなく、そこを少しずつこじあけて真の意味で平等にしようとしている。1994年のフランスポスターから】
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by bekokuma321 | 2015-04-02 22:03 | ヨーロッパ

フランスの全ての県議会は、「男女ペア候補制選挙」によって、男女半々議会となる。世界で初めてだろう。

その詳しい資料が、糠塚康江東北大学教授から届いた。服部有希著「フランスの県議会議員選挙制度改正」(pdf)だ。

糠塚教授の著書『パリテの論理 ― 男女共同参画の技法』(信山社、2005)を読んだことがある。この著書で、フランスのパリテにまつわる論争のレベルの高さを知った。

今、フランスで行われている男女ペア制選挙は、大胆に選挙区割を変えてしまった点がすごい、と糠塚教授は評価する。パリテを適用しにくい県議会を、選挙区を半減して当選者を男女1人ずつ2人方式にすることで達成しようとしているのだ。

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フランスは、一方で、国会におけるパリテ実現には政党交付金(政党助成金ともいう)を活用している。政党がちゃんと女性候補を擁立しなければ、政党への政党交付金は減額される。

フランスの政党交付金は、100億円以下と、日本の300億円に比較して3分の1程度だ。その政党交付金が男女不平等なら減額され、しかも、年々減額率が厳しく改正されているという。

糠塚教授によると、2014年8月の“女男平等法”によって、政党交付金の得票部分の減額率は、なんと150%になったそうだ。女性候補者の割合が全体の25%だとすると、男性候補者率との開きは50%になる。よって、減額率は、50%×1.5=75%。75%も減額されるとしたら、政党は女性候補を嫌でも増やさざるをえなくなるだろう。

日本の政党交付金は、政党交付金なのだから、一応、政党の支部にはいる。しかし政党支部の支部長(=国会議員候補)は、それを自分の個人口座に寄付するという手で、闇の中にできるらしい。

やれワインだ、うちわだ、カレンダーだ、キャバクラだと、無残な使い方をしている議員も数多く報じられた。

さらに、使い残した政党交付金は、国庫返金が原則にもかかわらず、「基金」口座を新設してそこに預ける裏技があるらしく、貯め込む候補者(議員)も多い。血税の私物化もいいとこだ。

せめてフランス並みに、女性候補の少ない政党には減額できないものか。減額分を、女性ゼロ議会解消にあてるとか・・・。

【写真:フランスの国旗は青(自由)、白(平等)、赤(博愛)だ。真ん中の白「平等」は他に比べて比率が小さい。その小さな枠からフランス女性がこちらを見ている。今、フランス女性は見ているだけでなく、そこを少しずつこじあけて真の意味で平等にしようとしている。1994年のフランスポスターから】

男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
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8月29日(日) 進めよう! クオータ制   
フランス議会は男女半々(パリテ)へ
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by bekokuma321 | 2015-03-27 19:18 | ヨーロッパ

統一地方選挙がもうじきだ。

女性議員がいかに少ないかを主要メディアも報道するようになった。毎日新聞によると、女性議員が全体の3割を超えている自治体議会はわずか3%。5分の1がまだ女性ゼロ議会だ。

さて、所変わってフランス。

今、地方選挙の真っ最中のフランスでは、世界で類を見ない新しい方式で行われている。当落結果はまだにもかかわらず、どの議会も男女半々議会になることが決まっているのだ(パリとリヨンを除く)。

投票日は3月22日、29日。小選挙区の2回投票制で行われる。現在、女性議員は平均17.8%とさほど多くない。選挙制度は女性が当選しにくい小選挙区制である。うーん、それが、なぜ一気に女性議員が50%に増えるのか。

そのわけは、昨年、選挙制度が改正されて、男1と女1のペア(フランス語でbinômes ビノム)で立候補しなければならなくなったからだ。

ダンスを踊るときのように、男性は一緒にペアを組む女性を探してはじめて選挙に立候補できる。フランスからの報道写真によると、選挙運動も2人のペアでやっていた。そして各選挙区から最高得票をとった「男女ペア候補」が1組だけ当選する。つまり、すべての選挙区で、当選者は、男女1人ずつとなる。

ペア候補制度の誕生によって、選挙区は4055から2074に半減された。

男女半々の政治をフランスではパリテと呼ぶ。パリテは民主主義の要請だ。そうなるように実行した、鮮やかなフランス式手法。脱帽、いや、ブラボー!

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▲男女ペア候補に投票する「新選挙法」を知らせるフランス政府イラスト

Nouvelles élections départementales #OuiJeVote
Annexe 11 - Les statistiques (au 1er décembre 2014)
Departmentals 2015
Elections départementales: OLF 91 demande aux candidat-e-s de s'engager pour l'égalité femmes-hommes
政治は男のものではない
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by bekokuma321 | 2015-03-26 10:01 | ヨーロッパ