カテゴリ:ヨーロッパ( 268 )

c0166264_23132198.jpg「タンポンに税金をかけるな」

「私の子宮に税金をかけるな」

「私の血が流れる、そのたびに国がうるおう」

「重税なしに血を流したい」

報道によると、11月11月(水)、パリのド真ん中で、こんな抗議のプラカードが何枚も大空を舞った。プラカードだけでない。トップに赤いペンキがぬられたサンドバッグのようなドでかいタンポンを立てたり、血で染まったように塗られたパンティをズラリとものほしロープにほしたり・・・。

フランスでは、タンポンや他の生理用品に20%の消費税がかけられていた。先月、国会に、5.5%引き下げる改正案が出されたものの、それが否決されてしまった。それに怒った女たちによる、アイデアあふれる抗議。

女性たちの多くは薄給だ。タンポンは女性の必需品。これ以上、国から金をしぼりとれるのは御免。わかるなぁ!

【写真:Youtubeで放映されるデモンストレーション「血を流そう」より。動画の接写】

Taxe tampon : «Laissez-nous saigner sans nous surtaxer»
'I bleed, the state wins': Paris tampon tax protest
Laissez-moi saigner (Monday, Tuesday)
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
政治は男のものではない
フランス、新しい男女平等法へ
仏、「歴史上の偉人に女性を増やせ」
フランス、性差別賃金会社に罰金刑
フランス「パリテ内閣」、「女性の権利省」誕生
21世紀のフランス革命
フランス議会は男女半々(パリテ)へ
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by bekokuma321 | 2015-11-13 23:17 | ヨーロッパ

イタリアは、精神病院をなくした。では、心の病を持っているひとはどうしているか。地域の多様な人たちによるサポートの力でケアするシステムをつくった。

先日、そのイタリアの実践と哲学を学ぶ機会があった。

「精神病院は、トータルな人間を“患者”というレッテルをはって、その役割に閉じ込めてしまう。精神病院があるから、ドアがあり、カギがあり、規則があり、管理がある」

「精神科医は、さまざまな職種の人やボランティアで行う共同作業チームのマネージャーであり、チームリーダー。スタッフに権限移譲をするが、リスクは背負う」

「基本は、その人の疾患を治すことではない、その人の人生を取り戻すことをサポートすること」

「サービス利用者は、一般市民であり、権利を持つ主体者である。職員はそれを尊重する」

これは、イタリアのトリエステ精神保健局長のロベルト・メッツィ―ナ医師の言葉である。通訳は松嶋健広島大学準教授。

ロベルト・メッツィ―ナは、イタリアのトリエステ精神保健局長。10月31日、11月1日の2日間、東大駒場キャンパスで、「地域派の精神科医を育てるセミナー『トリエステ精神保健局長と日本の精神科医との対話』」で基調講演をした。テーマは精神病棟を使わずにクライシスに対峙する道をどう見つけるか。

彼は2009年からWHO調査研修協働センター長として、世界中の「精神病院の脱施設化」と「精神病院に代わる地域密着型サービスの発展」を支援している。

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初日は「トリエステの“隔離・拘束”をしない地域精神保健システム」。2日目は「地域派の精神科医の育成方法」。どちらも、フランコ・バザーリアの思想と実践を引きついだトリエステ精神保健の経験に基づいての話だった。心ふるえる中身だった。

「精神病のクライシスは危機。管理しなくては、治さなくては」から、「クライシスは好機。循環型の、らせん運動のはじまり」。精神保健局の使命は、「偏見、差別、排除の撤廃に向けて、利用者の問題に対応する」。利用者が「~病」であるか否かは関係ない。その人のかかえている問題に対応し、社会から切り離されずに生きていけるよう支援をすること。

ピッツア・カウンセリング(注)あり、配管工をまきこむことあり、裁縫が得意な職員による繕い手助けあり、教区の神父の出番あり、市長や警察との対話あり・・・。地域に存在する多様なリソースを最大限使って、信頼できる関係性を築いていくことの重要性が伝えられた。

後半は、日本の精神科医やコメディカルスタッフからの発言を受けて、メッツィ―ナとの対話形式で進められた。

浜松の新居昭紀医師の発言は、すごい実践に基づいていた。おそらくトリエステに流れる精神もこうではないかと思った。

「保護室で、人ではない物を見てしまった。精神科医をやめたいと思った」。「閉じた箱ものに入れたら、そこに必ず管理が出てくる。精神病院は不要だ」「ゴミ巣窟に煙草くゆらす主婦は、発病5年。ゴミ掃除にひんぱんに行った。盗っ人と何度も言われたが、それでも続けた。彼女は治った」

新居医師の「盗っ人被害発言」に、メッツィ―ナは「実際、精神科医は盗っ人です。人間の主体性を盗んできた。利子をつけて返さなければいけない」とコメントしていた。新居医師の人となりや精神保健に関する考え方に関しては、大熊一夫との対談「精神病院依存主義からの脱却」に詳しい。

日本各地から参加した精神科医とコメディカルスタッフから女性医師2人の発言を紹介する。

福岡から参加した渡辺真理医師からは、精神病院勤務医だった頃の閉鎖病棟でのショック、患者さんからひっぱたかれた経験・・・。その後、精神病院を辞め、ちはやACTクリニックを開設。そこで訪問支援活動するようになって、調理を通じて心の支援を続けながら利用者の心に近づいてきた体験が語られた。

また札幌から参加した長谷川直美医師は、刑務所での精神科診療と、街で営む「ほっとステーション 大通公園メンタルクリニック」の2つの異なる実体験からの衝撃的な話だった。殺人や暴行をした「危険人物」というラベルを貼られた人が、関わり方が変わることで、別の人間性が現れて、別の人生を歩むこともできる。それを証明するかのような話だった。

イタリアとそん色ない取り組みが日本でも行われている。素人の私は、ついうれしくなった。しかしながら、全体としては、まだまだ少数。参加した医師の中にも、精神病院は必要だと考えている人がいたことには驚かされた。

日本は、「身体拘束が90%増えたという、この実態をどう変えるかが問われている」(有我譲慶)。

一方、イタリアの精神病院廃絶の立役者バザーリアを日本に紹介して、日本の精神病院をなくそうとがんばる大熊一夫から、誰の発言かとは言わずに、こんなイタリア批判が読み上げられた。

「欧米の脱施設化は、精神科医療に対する国の財政的困窮の結果といった側面と、イタリアに見られるような政治運動の一環として行われたという両面性を持っています。イタリアにおける脱施設化は30年かけて完了しましたが、現在、総合病院で15床程度の病室では十分な急性期対応ができず、入院を拒否されたり、デポ剤による過鎮静にして在宅で看させられるために、家族の負担は増大しています。」

メッツィ―ナは笑いながら、「イタリアには、『嘘は足が短い』‐‐‐英語ではLies have short legs‐‐‐ということわざがあります。虚言はすぐにばれるということです」とかわした。

イタリアの精神保健を憎々しげに言った人物は、「日本精神科病院協会」の代表。安倍首相のお友だちだ。

この2日間のレポートは、みわよしこさんのレポートを参照してください。みわさん、グラッツェ・タント! みわよしこライブレポート

(注)ピア・カウンシリングのミスではない。ピッツアリアに皆で食べに行って、熱々のピッツアを食べながらわいわいやることをさしているようだった。縛ったり、薬を与えたりという方法ではなく、日常生活と切り離さないすごしかたのひとつとして挙げたもの。ピッツア・セラピーとも言える。

映画「むかしMattoの町があった」
180 人のMatto の会(地域派の精神科医を育てるセミナー『トリエステ精神保健局長と日本の精神科医との対話』の主催者)
メッツィーナ医師 / 病棟転換型居住系施設を批判 Roberto Mezzina
精神病院をやめたイタリアから・続き@横浜
マニコミオ(精神病院)をやめたイタリアから日本へのメッセージ
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by bekokuma321 | 2015-11-02 20:25 | ヨーロッパ

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2015年11月7日(土) 10時~  東京都八王子労政会館ホール

プログラム:   
10:00~  「むかしMattoの町があった」(字幕:日本語)1部
12:00~  休憩
13:00~  「むかしMattoの町があった」2部
15:00~  三井マリ子さんトーク
16:30    閉会 

資料代1000円  運営費500円

主催:一般財団法人 八王子勤労者福祉会館、バザーリア映画を自主上映する180人のMattoの会
協力:RAIフィクション、フランカ&フランコ・バザアーリア記念財団、トリエステ精神保健局
後援:イタリア大使館

申込み:
TEL・FAX・メールで一般財団法人 八王子勤労者福祉会館まで
TEL・FAX 042-628-4909 メールBCF02752@nifty.com

問合せ:
一般財団法人 八王子勤労者福祉会館
TEL・FAX・ 042-628-4909 メールBCF02752@nifty.com

主催者より:
イタリアは精神病院を廃止しました。その精神保健改革に至る初期の
20年を描いたイタリア映画です。イタリア語のMattoは狂気を持つ人、
Mattoの町は精神病院を意味します。

このTV映画は、制作者クラウディア・モーリという女性なしには誕生
しえませんでした。クラウディア・モーリは元女優で、1999年TV制作
会社「チャオ・ラガッジ!」を創設しました。映画は、イタリアの公共放
送ライと「チャオ・ラガッジ!」の共同制作です。クラウディア・モーリの
執念が、精神保健という複雑な問題をTV映画にしてお茶の間に届け
たのです。

誰にも感動と勇気を与えるこの作品を、特に女性の視点から見て、
当事者のかかえる問題と社会の課題を三井マリ子さんと考えます。

三井マリ子さん:
女性政策研究家。バザーリア法を日本に紹介した大熊一夫さんと
2010年4月、英語版の本映画を見て、日本上映のきっかけをつくりました。
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by bekokuma321 | 2015-10-17 18:26 | ヨーロッパ

「ノー・パサラン! ノー・パサラン!」

安保法案に反対する若者たちが口にした、「やつらを通すな!」という意味のスペイン語だ。

「ノー・パサラン」は、スペイン、フランス、イギリス、ニカラグア、コロンビア、コソボ、エストニア、ロシア、香港…世界を駆け巡って、圧政に反対する抵抗運動のスローガンとして使われ続けて、今に至っている。日本で使われ出したのは、安倍政権が台頭したころらしい。

この言葉を私に教えてくれたのは、パリの女性団体「ペネロぺ」だ。2003年夏、「ペネロぺ」で日本の女性運動についてスピーチしたお礼に頂戴したポスターに書いてあった(下)。

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「セクハラは、もうたくさん!」「嫌がらせも、もうたくさん!」「搾取も、もうたくさん!」「私たちは、自分たちの意志で、手に入れたいものを手に入れる」というフランス語が並ぶ。

私は、右下に描かれたイラストに目を奪われた。メスマークつき握りこぶしをつき出して「ノー・パサラン!」と叫んでいる。

「ノー・パサラン!」は、ポスターをつくった団体名でもあった。ファシズム、性差別、人種差別、資本主義などあらゆる差別と搾取に抵抗して、社会革命をめざす。1984年、極右の台頭をきっかけにトゥールーズ(注)で誕生した。本部はパリのボルテール通りにある。

このスペイン語を初めて政治的運動に使ったのは、スペインの女性政治家ドローレス・イバルリだ。

詳しくは、「叫ぶ芸術ーポスターに見る世界の女たち:やつらを通すな!」をどうぞ。


(注)トゥールーズはフランス南西部の都市でスペインに近い。フランコ独裁政権のころ、スペインからの亡命者が押し寄せた。スペイン共和国派の首都(capital of Spanish republican exile)と呼ぶ人もいる。トゥールーズのスペイン人たちは、第2次大戦中のレジスタンス運動に多大な影響を与えたという。今も、スペイン語があちこちに飛び交う、フランス国内有数のスペイン系フランス人社会。
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by bekokuma321 | 2015-10-12 17:48 | ヨーロッパ

c0166264_19261511.jpgキャリー・マリガン、メリル・ストリープ、ヘレナ・ボナム・カーターらが出演する映画「サフラジェットSuffragette 」が、じき封切られる。監督はイギリス人女性監督のサラ・ガーヴロン。

サフラジェットとは、女性参政権論者とか婦人参政権運動家という意味だ。20世紀初めのイギリス、まだ女性に参政権がなかったころ、体をはって女性の政治参加を訴えた女たちをさす。最も有名な女性はパンクハースト。彼女は何度も投獄された。映画は、彼女たちの闘いの実話をもとに作られた。

10月7日、ロンドンの中心街にあるオデオン劇場で、そのプレミアがあり、劇場前のレッド・カーペットの上を主役のスターたちが、笑顔で登場ーーーと、なっていた。

が、そこに現れたのは、デモをする女性たち。その数100人を超えていたという。女たちはレッド・カーペットに横になって腕組みをして、口々にこう叫んだ。

「私たちの闘いはまだ終わっていない」

「家庭内暴力への予算がカットされる、女たちから血が流れる」

「女たちは殺されている、死んだ女たちは投票できない」

この意表をついたデモンストレーションについて、イギリスから次々に報道が届いているが、おおむね好意的に読める。21世紀のパンクハーストたちの”画策”は大成功だったようだ。

Stars and protesters mingle on the Suffragette red carpet - in pictures
Feminist protesters storm red carpet at London premiere of Suffragette
Suffragette_Youtube
Feminist activist group crash ‘Suffragette’ film premiere
sisters uncut
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by bekokuma321 | 2015-10-08 18:36 | ヨーロッパ

c0166264_231118.jpgイギリス労働党大会におけるジェレミー・コ―ビンの演説をネットで視聴した。党大会は、9月27日から30日まで、南部ブライトンで開催された。

彼の演説を聞きながら、すばらしいアジテーターだと思った。その言葉の力は、聴く人に伝播し、私の中からも力がわき出てくる感じがした。

初めのほうで、彼は、アメリカの人権運動家マヤ・アンジェロウの言葉を紹介した。昨年亡くなった黒人の作家で、私も大好きだ。

「自分に起こるできごとをすべて自分で支配することなどできません。でも、そうしたできごとに支配されないと決めることはできます」

終わりのほうで、ベン・オクリというナイジェリアの小説家の言葉を引用した。

「私たちが持つ真の力とは、創造する力、乗り越える力、耐える力、変える力、愛する力です」

最後に、ジェレミー・コ―ビンは、会場にあふれかえる参加者に向かって力いっぱいこう訴えた。

「不正を許すな
偏見に対して立ち上がれ
親切な政治をつくりあげよう
もっと人にやさしい社会をつくろう、いっしょに
私たちの価値を掲げよう
市民の価値を政治にとりもどそう!」

拍手喝さいがいつまでも続いた。

Jeremy Corbyn’s conference speech in full
イギリス影の内閣は女性過半数
ジェレミー・コービン労働党首はフェミニスト
イギリスでフェミニストブーム
Sisters Uncut: Feminist group taking direct action for domestic violence services
Focus E15
Corbyn and housing justice in Britain
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by bekokuma321 | 2015-10-07 00:16 | ヨーロッパ

ア―ナとアンジェラ

c0166264_0285172.jpg さきほど届いたドイツからのニュース。

9月16日、アンジェラ・メルケル首相は世界から50人以上の女性をドイツに招待した。女性に焦点をあてて、持続的発展と平和・安全保障を話しあうためだ。さすがG7首脳ただ1人の女性アンジェラ・メルケル。女性としての面目躍如だ。

「G7ダイアローグ・フォーラム」と名づけられた、その会議は女性だけの会議で、ベルリンで行われた。今年、ドイツはG7の議長国であり、G7サミットは6月、ドイツのエルマウであった。9月16日の会議は、そのG7に関連して開かれた。

ホストのドイツ連邦国務大臣マリア・べーマーは、1995年の北京会議に参加したという。北京で採択された 「北京行動綱領」の流れをくんで、2000年、国連は、「女性・平和・安全保障に関する国連安全保障理事会決議1325号」を採択した。ベーマーは国連決議1325号をとりあげ、とりわけ、紛争における女性や子どもへの性暴力の防止の重要性を強調した。

1325号は、史上初めて、紛争における女性への暴力は国際安全保障問題であると明記した画期的国際文書である。紛争防止・解決ならびに平和構築に果たす女性の役割は重要であり、平和と安全の促進に女性が平等かつ完全に参画すること、とうたう。あらゆる政策決定のメンバーの30%以上を女性にせよ、とした。

べーマーは、来る11月に国連で採択される予定の"Agenda 2030 for Sustainable Development"では、さらに一層、国々の発展における女性の参加の重要性が指摘されると語った。

ノルウェーの首相アーナ・ソールバルグも、14日の地方選終了後、ドイツに飛び、この女性の会議に参加した。そしてメルケル首相と個別に対談し、難民・移民対策について話し合ったことが報道されている。

「ア―ナとアンジェラ」ーー新聞の見出しだ。それに2人の首相の写真。首脳会談といっても、女ともだちのおしゃべりのようで、「ねぇ、なに話してるの」と気軽にはいっていけそうな感じだ。

日本からは誰が参加したのだろうか。

Minister of State Böhmer opened the G7 forum for dialogue with women from around the world
c0166264_8353298.jpgErna og Angela: – Grensekontrollen er viktig
Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development
(貧困をなくし持続可能な世界にするためのアジェンダ。目標5「男女平等と女性・少女のエンパワーメント」。すべての国の政府は、男女平等とあらゆる分野における女性と少女のエンパワーメントを促進する効力のある法制度をつくれ、と書かれている)
貧乏は性差別だ♪
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by bekokuma321 | 2015-09-18 00:51 | ヨーロッパ

c0166264_13344419.jpg英労働党の党首に選ばれたコ―ビンは、影の内閣を組閣した。

公約は男女半々だった。実際は、女性の多い「女性過半数内閣」にした。女性16人、男性15人である。

コ―ビン党首は、「統一性のある、力強い、インクルーシブなシャドー・キャビネットであり、初めて女性が多数を占める内閣となった。また、ずっと関心を寄せてきた精神保健省を創設できたことを喜んでいる」と表明した。

保健相とは別に精神保健省を独立させたのだ。影の精神保健相に就任したのは、2010年に当選したばかりの女性ルチアナ・バーガーLuciana Bergerだ。

筆頭国務大臣は、アンジェラ・イーグルAngela Eagle(写真)。彼女は、1997年、同性愛をカミングアウトしており、初のゲイ国会議員であると言われている。貧しい人や社会的弱者の代弁者を自負する、6期目のベテラン議員だ。

イギリス女性団体からの、「女性を大臣の半数にしても、トップのポジションは男性ばかりではダメだ」という批判に応えた。

コ―ビンは、「国会の半数は女性に」公言していた。今日飛び込んできた影の内閣ニュースを知ると、彼は本気だとわかる。

Jeremy Corbyn addresses Labour MPs at Westminster – Politics live
ジェレミー・コービン労働党首はフェミニスト
精神疾患を公表したノルウェー現職首相の思い出
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by bekokuma321 | 2015-09-15 13:27 | ヨーロッパ

c0166264_231118.jpgイギリス労働党党首にジェレミー・コ―ビンが選ばれた。60%の票をかっさらっての圧勝だった。

さきほど勝利演説が流れてきた。ジェレミー・コービンは、「正義、民主主義、人権、女性の権利の闘いの勝利」だと言った。そして、「不平等はあってはならない。不平等は根絶できる」とも。

コービンは労働内の最左派。反戦運動家で女性解放運動家だ。労働党党首選でのコービンの合言葉は「率直な対話、正直な政治」。

労働党党首選には女性2人、男性2人の4人が立候補していた。ネットで届く報道を見た限り、2人の女性候補よりも、男性コービンのほうが明快な女性政策を掲げていた。おそらく、差別されていることを身をもって感じている労働者階級の女性たちが、コービンの政策づくりに入っていたに違いない(*)。

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 彼の公約を、女性政策パンフレット「Working With Women」(2015年7月28日発行)から、私流にかいつまんで紹介する。

「保育園料の無料化」

「公務員の削減は女性の雇用の削減につながり、福祉の低下につながるから緊縮財政反対」

「会社に男女平等賃金監査レポートを発表させ、女性の低賃金終結を優先課題にする」

「性暴力とセクシャルハラスメント根絶する法律の確実な実行」

「国会議員の半数を女性に。まずは影の内閣の半数は女性に」

『日々の性差別』運動』を評価し、日常的に感じる性的嫌がらせなど文化、慣習の性差別を撤廃」

次の国政選挙で労働党が勝つと、彼が首相に就任する。すると、こうした目をみはるような女性政策が国の制度となる。

日本の野党党首の政策担当者よ、コービンの女性政策を熟読して、貧困と差別に苦しむ女性たちの政策を明快に打ち出してほしい。

Watch highlights of Jeremy Corbyn’s victory speech
Jeremy for labour
Working With Women
Leftist Jeremy Corbyn elected leader of Britain’s Labour Party
Labour leadership race: Contenders ask for YOUR votes as registration deadline looms


(注*)労働者階級の代表が議員になれる背景には、お金のかからない選挙がある。イギリスの国政選挙は、日本と同じ小選挙区制だが、信じられないほどお金がかからないという。阪上順夫学芸大名誉教授の著書によると、「イギリスでは200万円程度の法廷選挙費用で十分に選挙を行える」。日本はウン千万が普通だ。カネがかからない理由のひとつは、「無報酬の運動員が戸別訪問をで選挙運動を展開するからだ」。さらに、「選挙違反に対しては特例的に厳しい処置がとられている」からだ。もうひとつの理由は、北欧と同様に「地方議員は原則として無報酬である」こともあり、政治家は公共の奉仕家という意識が強い、という。政党交付金もイギリスは驚くほど少額で、年に約3億円。日本の320億円の100分の1にすぎない。ちなみに世界最高額という日本の政党交付金は、毎年政党本部に分配され、それが各地の支部に渡り選挙に使われる
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by bekokuma321 | 2015-09-12 23:14 | ヨーロッパ

先週、スペインを訪問中の三木草子さんからレポート「女たちのバルセロナ」が届いた。読みながら、こうした女たちの日ごろの連帯が、5月の女性市長誕生への力となったのでは、と思った。転載許可が得られたので、FEM-NEWSの読者のみなさん、どうぞお楽しみください。

■■■■■■■■
バルセロナの女たちの活動場所が、偶然にもお互いに歩いて5分ぐらいの所に集まってきました。

最寄駅は地下鉄ウルキナオナ。中心地だけれど、観光客の喧騒からちょっと隠れたいい場所にあります。京都で言えば、烏丸御池からビオ亭やギャラリーヒルゲート、男女共同参画センターウイングスに行けるようなものです。

ウルキナオナ駅から1、2分の世界遺産カタルーニャ音楽堂(Plau de la musica)をめざします。その通りはサンペール上通りで女の本屋さんProleg(プロローグ)。次に中通りで女性映画祭のDracMagic(マジックドラゴン)の事務所。そして下通り、女性スクールと図書館のLa Bonne(ラ ボンヌ=旧フランチェスカ・ ボンヌメゾン)。どの道も乗用車1台が通れるくらいの古い街並みです。ラ ボンヌから大通りに出て、そこを横切って路地を入った所に、Ca la Dona(女の家)。ここは大聖堂から近い所。

簡単にご紹介します。詳しくはホームページで。カタルニア語なので、翻訳を使ってください

1)女の本屋プロレグProleg
20年の歴史ある女の本屋さん。母のアンジェラが開店して、いまは娘のヌリア1人で頑張っています。(京都の)中西豊子さん母娘みたいですね。著者との交流やワークショップができるスペースが奥にあります。
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【写真上:左アンジェラ、右ヌリア。 下:入った所に子供の本。バージニア・ウルフ、ココ・シャネル、フリーダ・カーロ、オードリー・ ヘップバーン、イサドラ ダンカンの伝記が並ぶ】

2)バルセロナ女性映画祭ドラクマジック(DracMagic)
フランコ統治下の1970年に、女性がコミュニュケーション メディアの中で見える存在になること、映画分野において女性の映画監督が存在することを示すこと、などを目的としてドラクマジックを設立。毎年6月に国際女性映画祭を開催して活動。事務所には1970年からの貴重な映像資料が保存されています。
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【写真上:1970年当時のDracMagicのロゴが額に。当時のサイケ調がなつかしい。 中:資料室兼ミーティングルーム。 下:仕事場。1階で入り口以外、窓がないのが悩みとのこと】

3) ラ ボンヌ(La Bonne)
ラ ボンヌは、ウーマンズ・スクール、講座、ワークショプ、イベントなど、女性の教育と文化活動をおこなっています。2階は誰もが使える図書館で、WIFIも利用できます。

ここは、もとはと言えば、20世紀の初めにフランチェスカ・ボンヌメゾンがヨーロッパ初、世界初の女性のための図書館と文化教育センターを作ったのが始まりです。1922年に現在の場所に引っ越しました。

フランチェスカ・ボンヌメゾンは裕福な織物商の娘で、当時の働く女たちの教育に力をいれ、結婚後も夫が嫌うのを物ともせず、女性のための活動を続け、夫の死後はそれに専心。

建物は、スペイン市民戦争の後半フランコ派に撤収されて活動できなくなり、1941年、女性の教育活動のために使うことを条件にバルセロナ市に引き渡されました。

その後、さまざまな変化をくぐり、1990年代にある女性がこの協定書を発見、市にこの建物を女性のために使うよう要求してフェミニストの大運動が展開されました。4~5年の運動の結果、2002年、4階建ての建物の3、4階を女性のために使うことが決まり、女たちはフランチェスカの遺志を引き継ぎ、現在に至ります。
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【写真上: ラ ボンヌの入り口にウーマンズ スクールの旗。  下: 設立当初の「女たちの図書館」の石彫りプレートが入り口の上に。この建物は16~17世紀のもの】

4) カラドナ(女の家 Ca la Dona)
引っ越してきたばかりですが、ビルは10世紀前後の建物。3階建で、1、2階がカラドナ、3階は他のグループが使用することになっていて、現在は1階のみが改装済み。とても素敵に改装され、会議室、キッチンもあります。市から提供されたビルですが、光熱費などは負担。

専任スタッフ、運営グループがあり、法律相談、シェルター相談などの活動のほか、複数の女性グループが登録して 活動。市からの助成金もありますが、足りないのでメンバーが年3、4回の分割払いでサポート。
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【写真上:玄関を入った所にこんなアート作品が…。床には19世紀の床タイル。写真では見えないが、天井には古い木の梁が使われている。  中:壁には世界各地の女たちのデモの写真。カタルーニャ語は70年代の歌の歌詞。「生きつづけるために歩く、歩きつづけるために生きる…」  下:プレゼントの「女の暦」を手に、専任スタッフの二人のアナさん】

三木 草子(ミキ ソウコ)
1970年代はじめよりウーマン・リブ運動に参加、ミニコミ『女たちから女たちへ』発行。編著『資料日本ウーマンリブ史』全3巻(松香堂書店)。編著『英語で読むアメリカのフェミニズム』(創元社)、共訳『ゴスペル・サウンド』(ブルース・インターアクションズ)など。現在、シニア女性映画祭で活動。

■■■■■■■■
三木草子さんが訪ねたバルセロナ女性の活動拠点のウェブサイト
バルセロナ 女の本屋Llibreria Proleg
バルセロナ 女性映像学校ドラクマジック(マジック・ドラゴン)
バルセロナ 女性センター「ラ・ボンヌ」
バルセロナ 女の家「カラドナ」
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by bekokuma321 | 2015-07-23 12:50 | ヨーロッパ