カテゴリ:北欧( 86 )

c0166264_1561996.jpgスウェーデンの首相・ステファン・ロベーンStefan Löfvenは、2014年のストックホルム・フェスティバルで、スウェーデン警察が性的嫌がらせについて報告しなかったことは、「女性に対する二重の裏切り行為である」と、警察を強く非難した。今朝のガーディアン紙による。

首相の言う二重の裏切りとは、女性に性的嫌がらせをした加害者が誰も起訴されなかったことと、この事件が警察署の報告に存在しなかったことを指しているようだ。

時を同じくして、ケルンでの女性への暴行事件と同様、2015年大晦日の夜、スウェーデン第3の都市マルメにおける、女性への暴行事件が明らかにされた。

女性への性的嫌がらせ事件は、2014年夏、ストックホルムで行われたヨーロッパ最大の若者の音楽祭といわれるWe Are Stockholmで起きた。若者中心に17万人が集まったと言われる。

スウェーデンの日刊紙Dagens Nyheterが、警察官のメモを暴露したため、事件が明らかになった。

首相は、若い女性に対する二重の裏切り(dubbelt svek)だとし、「強い怒りを覚える」と公言した。そしてスウェーデン警察長官は、2014年の音楽フェスティバルについて徹底した捜査をすると公約した。

スウェーデン紙はこぞって大きく報道している。

さらに、スウェーデン民主党(移民反対派で右翼と称される。社会民主党とは別)は「警察署は、ポリティカル・コレクトネスに混乱していた」とし、同党の国会議員は、「これは、まったく比類のないスキャンダルである。この国のあちこちでこのようなことが起きて、民主党が有利になるからと、その事を報告しないとしたらどうなるか?」

2014年夏の音楽フェスティバルは、ちょうど総選挙を1ヵ月後に控えていた。難民問題が大きな関心を呼び、同選挙で民主党は第3党に躍り出た。

一方、女性のシェルター代表として、移民たちが暮らしに溶け込む手助けをしてきたスザンナ・ウバルディはこう語る。

「性的嫌がらせなどの行為は、女性に対しての忌むべき野蛮で下劣な行為です。こうした行いは、中東からの難民男性の保護とはまったく別物です」

「しかし、スウェーデンで今なされている議論は物事を単純化し過ぎであると、戸惑いを覚えます。多くの移民は、女性に対して、大変な尊敬の念を抱いています」

首相の「二重の裏切り」発言も、さすがスウェーデンと感心したが、シェルター代表の意見は、首肯にあたいする。

Assaults at the Stockholm festival have never been fully investigated
Swedish police accused of covering up sex attacks by refugees at music festival
Åkesson: Eliasson borde givetvis sägas upp
stockholm kulturfestival

【写真は2015年のストックホルム・フェスティバルのポスター】
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by bekokuma321 | 2016-01-12 15:11 | 北欧

女に仕事を!

1960年代から80年代まで、世界のあちこちで女性解放運動の嵐が吹き荒れた。

デンマークでは、レッド・ストッキングという女性グループが、その重要な役割をになった。

厚化粧、女らしさを誇張した服装、ハイヒール、セックスアピール、へりくだった態度---こんな「いびつな女らしさ」で飾って目抜き通りを行進。終着地でそれらをひとつひとつ脱ぎ捨てていく。この度肝を抜くデモンストレーションは、レッド・ストッキングの名を特に高めた。

レッド・ストッキングは、女らしさに異議をとなえる文化運動から、経済運動、政治運動まで次々に展開。その多様で新鮮なスタイルは、一世を風靡した。

このポスターは、そんなレッド・ストッキングの多様な運動を表す1枚。「女たちに、まともな仕事をよこせ」と訴えている。

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詳しくは、「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち 女に仕事を!」を。
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by bekokuma321 | 2015-12-28 04:13 | 北欧

今日のポスターは、先月、「フィンランド女性会議」から贈られてきた。

「100年の歴史。女性の言葉と行動」というフィンランド語にはさまれて、投票箱が置かれている。おもしろいのは、票を入れるところが、真っ赤なキスマークになっていることだ。

c0166264_22583444.jpgフィンランドは、2006年、女性参政権100周年を迎え、もりだくさんの記念行事があったが、それを知らせるために作られたのだという。カタログには、「人口の51%は女性だから、国会の101人は女性が好ましい」と書かれている。フィンランドの国会議員は200人なので、101人すなわち51%を女性にしよう、というのだ。

フィンランドの女性たちが、「国会の半分を女性に」という目標を掲げたのは、20年以上も前だった。

国政選挙を翌年に控えた1994年、私は、ヘルシンキにある「フィンランド女性会議」のオフィスを訪問した。事務局長は言った。「フィンランドの女性は、1906年、ヨーロッパでどの国よりも早く参政権を獲得しました。初めての選挙で女性は19人、11%でした。今、私たちの目標は、国会の半数にあたる100人を女性にしよう、です」。

絵ハガキを2枚もらった。1枚は「国会に100人の女性を」。もう1枚は「女性であるって素敵」とあって今日のポスターとまったく同じ真っ赤なキスマークが描かれていた。「真っ赤なルージュは、女性の言葉、女性の発言を意味します」と言った。私は、一瞬ハッとした。

もっと読むには、■叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち」ーリップスティックで男女平等を!(フィンランド)
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by bekokuma321 | 2015-11-23 23:09 | 北欧

c0166264_1441180.jpg世界経済フォーラムWorld Economic Forumが、男女平等の世界ランキングを発表した。いわゆるジェンダー・ギャップ。

日本は145カ国中101位(→)。「昨年は104位だったから3位上がった」と、小さな声で友人に告げたが、余りに情けなくて笑いがもれた。

朝日新聞は見出しも紙面扱いも目をひいた。もっと大きく扱っていい。国際会議で日本の実態をいくら知らせても、国内メディアの関心が低くては、日本人にグサリと届かないからだ。

オリンピックやスポーツで、日本が世界100位以下だとしたらどうか。ショックが国中を覆うのではないか。スポーツ界のお歴々が頭をかかえて陳謝し、テレビは特集を組み、専門家はやれ歴史的にはあーだこーだとさぞ騒々しいことだろう。

ところが、である。国民の半数以上を占める人――女性――の地位が、世界100カ国の仲間入りできないというスキャンダルに、この国は平気な顔をしている。

なぜ日本は101位なのか。

経済活動参加と機会106位、教育84位、健康と生存42位、政治参画104位。政治・経済界の「男の牙城」が崩れないからだ。

日本は、この調査が始まったころの2006年には、115カ国中79位だった。分母も増えたから単純には言えないが、この歩みの遅さ。愕然とする。メディアは、女性議員増に長年運動してきた全国フェミニスト議員連盟などの女性団体にコメントを求めるとか、女性候補者増に責任を有する政党や、女性雇用推進に責任を有する経団連や連合にこれまで何をやってきたか、今後はどんな対策をとるかなどを取材して、もっと騒ぐべきだ。

上位にはいつものように北欧諸国が並ぶ。ただしデンマークは今回はいらなかった。

1 アイスランド 
2 ノルウェー 
3 フィンランド  
4 スウェーデン
5 アイルランド

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日本142カ国の中で104位
男女格差、世界136カ国中105位
百田氏よ、恥を知れ!
北欧に対する偏見
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by bekokuma321 | 2015-11-19 14:52 | 北欧

10 月24 日はアイスランドの女性にとって記念すべき日だ。40年前の10 月24 日、アイスランド女性は、ありとあらゆる仕事をストップした。

「女性が仕事を休む日」。アイスランド人はKvennafríと呼ぶ。英語で"Women's Day Off“。アイスランド史に燦然と輝く。

なにしろ、アイスランド女性の90%が仕事をやめた。女性の連帯をこれほどシンボリックに表した日はないだろう。

秘書は会社に行くことをやめ、教員は学校を保育士は保育園を休み、看護師は病院に行くことをやめ、主婦は食事の用意をほおり投げて赤ん坊を夫に手渡した。いかに女性が社会に貢献しているか、いかに女性の価値が低く見られているかを世に知らせるためだった。

アイスランドのいわば「女のゼネスト」について多少知っているつもりだった。というのも、私は今から20年前、1994年、首都レイキャビクの市長に「女性党」の女性が就任したと聞いてアイスランドまで取材に出かけた。遠いアイスランドに行く前に調査をしたら、首都の顔に女性が就任しただけでなく、当時、大統領までが女性だった。

詳しくは『ママは大臣パパ育児』(明石書店)のアイスランドを参照してほしいが、背景に、「女のゼネスト」をやりとげた女性たちの力や、女性の力に対する社会の共感がある、とわかった。

そして一昨日、10月25日付けBBCで、この「女性が仕事を休む日」を振り返る記事を読んだ。国中の女性という女性がデモをするって、いったいどんな光景なのか。BBCの記事と写真は、かねてから気になっていた私の好奇心に応えてくれた。

関連記事で知ったのだが、女性ゼネストのアイデアは、急進的な女性団体レッド・ストッキングだった。1970年にすでに企画されていたらしい。そして、1975年に始まった国連の女性年が後押しした。

1975年6月、レイキャビクで、国連女性年に呼応した女性会議が開催された。その会議で、「10月24日、女性がすべての仕事を放棄して、女性の仕事の価値を知らせよう」という動議が出された。動議案は、多彩な年齢、多彩な政党、多彩な職業ーー主婦も含むーーを持つ8人の女性によって用意周到に仕組まれた。動議は可決された。賛成72、反対28だった。

ありとあらゆる分野の、ありとあらゆる年齢層の女性がいっせいに休むという行動をとろう、という布石が、この時作られたと言ってもいい。

その日のネーミングも工夫された。ストライキではなく「休み」にしたらどうか。休みならどんな女性でもとりたいに決まっている。10月24日までの怒涛の4か月については、On the women's holidayに詳しい。

1975年10月24日、アイスランドの女性たちがやってのけた「女性が仕事を休む日」。それから40年、「世界の男女平等ランキング」で、アイスランドは世界のトップ」となった。女性が結婚しても出産しても働き続けられる公的サービスが最も充実した国なのだ。

40年前のアイスランドを紹介するBBCの写真や、アイスランド国営放送RÚVの動画を見ていたら、解決されないままの日本女性の抱える問題が浮かび上がってきて、目がしらが熱くなった。ちなみに、アイスランドが1位となった「男女平等ランキング」は、日本104位、と知らせていた。

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▲アイスランドの「女性が仕事を休む日」の精神は国際女性デ―に通じる。国際女性デ―3月8日、世界中で、女性への侮蔑や差別に怒り、女性が女性であることを喜びあう。上は女性の連帯をアートに仕上げるふじみつこ作の国際女性デ―カード


The day Iceland's women went on strike
40 ár frá kvennafrídeginum - Myndskeið (「女性が仕事を休む日から40年」_アイスランド国営放送の動画。大集会でスピーチの最後を飾ったのは国会議員でも著名文化人でもなく学校・病院等の清掃組合女性部代表だった)
The Day the children came to the offices
Aðalheiður Bjarnfreðsdóttir á Lækjartorgi 24. október 1975
Kvennafrídagur 24. október 1975
百田氏よ、恥を知れ! 
日本142カ国の中で104位
女性の雇用率の高い国は
福祉は経済を発展させる
男女平等世界1アイスランド、日本94位
アイスランドにレズビアン首相誕生
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by bekokuma321 | 2015-10-27 21:51 | 北欧

スウェーデンのストックホルム、南病院内にレイプ(強姦)被害となった男性のための緊急外来がオープンした。世界初だという。

すでに、レイプ被害女性のための緊急外来はできていて、年間600件から700件の患者の治療にあたっているという。

スウェーデンでもまだ男性へのレイプは社会的にタブーであり、被害者の苦悩が続いているなか、決断された。男性用のレイプ外来オープンに、病院の専門家は「男性が、被害を明らかにすることではじめてよい治療ができますので、重要です」、政治家たちは「男女平等の観点から、喜ばしいことだ」と報道されている。

レイプなど性暴力を受けた心身は、いやしがたい傷害を負い、その後遺症は生涯続く場合もあると言われている。その傷の重さは、男女の性にかかわらないことは言うまでもない。これから考えても、レイプにあたる「強姦」の漢字はおかしい

Sweden Opens Worlds First Male Rape Centre
Sweden opens world’s first male rape victim centre
Öppnar akutmottagning för våldtagna män
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by bekokuma321 | 2015-10-17 11:09 | 北欧

冬の月が冴える夜。

闇にまぎれて、どこからともなく現れた女たち4人。屋敷に侵入し、懐中電灯で足元を照らしながら階段を一歩一歩上っていった。

門の横に、今度は10人。先発隊の後を追って、そっと階段を上った。

10分経過すると、また10人、そしてまた10人。さらに10人・・・・

全員が大部屋に入ったことを確認し、いっせいに手元の懐中電灯をつけた。パアーッと室内全体がライトアップされた。

「やったぁ、この家は私たちのものだ!」

1979年11月2日深夜、コペンハーゲン、「ダナーの家」占拠の瞬間だった。

不法占拠→募金活動→屋敷の取得→改造工事→女性シェルター創設、とトントン拍子に進み、全国民をまきこんだ一大社会運動としてデンマーク女性解放史の1ページを飾った。下は当時の運動に使われた貴重なポスターだ。

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小説など目じゃないほどドラマチックな、デンマーク初の女性シェルター建設運動。詳しいドラマは、叫ぶ芸術「もう、不法占拠しかない!」デンマークをどうぞ。「I 女のしんぶん」に連載中のWeb版。
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by bekokuma321 | 2015-07-22 11:16 | 北欧

百田氏よ、恥を知れ! 

c0166264_19454071.jpg作家の百田尚樹氏が、自民党の勉強会で、小さな国々を口汚い言葉で侮蔑したと報道されている。

世界には軍隊を持たない国が26カ国あることをあげて、ナウル、バヌアツ、ツバルという太平洋の小さな島国ついては、「くそ貧乏長屋」と侮蔑したという。3カ国についてはほとんど知らないが、北欧アイスランドについても「年中、氷。資源もない。そんな国、誰がとるか」と蔑んだ発言をしたらしい。

アイスランドに行ったことがある。まず「年中、氷」ではない。よく調べもせずに、独立国を侮蔑した。その傲慢さにあきれかえる。 訂正して謝罪してほしい。

アイスランドは、北欧5カ国のひとつとして、北欧協議会にはいり、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークなどと肩を並べるほど充実した福祉政策をとっている。

たとえば、「2014年、世界の男女平等ランキング」でアイスランドは世界のトップである。女性が結婚しても出産しても働き続けられる公的サービスの充実した国なのだ。ちなみに日本は、104位。穴があったらはいりたいほど低い。

「2015年の世界母親ランキング」だってそうだ。1位ノルウェー、2位フィンランドに次いで、アイスランドは3位に輝く。子どもを持つ女性の健康レベル、働く権利、教育程度、政治進出率などを比較した調査だ。日本は32位。

国会議員に占める女性議員の割合も4割を超えるアイスランドは世界10位だ。日本は恥ずべき、151位。これより下のランクは、数えるほどしかないほど下の下だ。

アイスランドは、なんと930年の昔に初の国会が開かれた。国民は、「世界最古の民主議会」だとちょっと誇らしげだ。

そして1986年、レーガン大統領とゴルバチョフ大統領が米ソ緊急会議を開いた歴史的な土地でもある。アイスランドの女性大統領の音頭取りで行われた。この会議が東西の冷戦解消への突破口となったことは、よく知られている。

百田尚樹氏よ、恥を知れ!


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▲アイスランドは世界で最も女性の雇用率が高い(Mini facts about Norway 2015)

世界で母親がもっともハッピーな国ノルウェー
女性の雇用率の高い国は
男女格差、世界136カ国中105位
世界一民主的な国
北欧に対する偏見
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by bekokuma321 | 2015-07-02 18:48 | 北欧

寒い国の温かい政治

北極点近くの3自治体は、母親が働きやすく、女性の労働条件も抜群。

そこは、ノルウェーのフィンマルク県。日本の稚内や根室より、さらに北の北の北。冬は零下50度に下がったこともある。想像を絶する過酷な自然のなかで、女たちの暮らしは、子どもたちの保育、教育は? 

ノルウェー政府は、そのフィンマルク県の県都ヴァドソーを、「女たちにとって住みやすさナンバーワン」と発表した。

その背景には、都会と地方の格差、男性と女性の格差をなくした“へき地政策”がある。

極寒の町に足を運ぶこと2回。寒い国の温かい政治の実態を取材してきた三井マリ子の報告。現地の写真を見ながら、フクシマの女たちの明日のヒントをさぐります。

●2015年7月4日(土)午後2時
●郡山市中央公民館
●虹とみどりの会 TEL024-925-3016
●参加費無料


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by bekokuma321 | 2015-07-01 14:05 | 北欧

国連平和維持軍の蛮行

c0166264_033838.jpg少し前の事件になるが、あらたな展開があったので、要訳して、報告する。

6月15日、スウェーデン外務大臣マルゴット・ウォールストーム(Margot Wallström)は、「アンダース・コンパス(スウェーデン人)を一時帰休させたのはおかしい。国連組織全体への信頼をゆるがすことになる」と国連を厳しく批判した。

彼女は、外務大臣になっても、フェミニストの視点で外交を続ける、たのもしい女性だ。

彼女が守ろうとしているアンダース・コンパスは、ジュネーブの国連人権機関で、30年以上も勤務してきた国連職員だ。彼は、昨年7月、フランスの平和維持軍が、子どもたちへの性的虐待をしたことを明らかにした。

4月30日の英ガーディアン紙によると、国連は、平和維持軍による子どもへの性虐待疑惑を「注意を怠って無視した」かどで有罪とされている。

ここでの問題は、国連は、そのいまわしい事件を起こした兵士に対処せず、告発したアンダース・コンパスに罪をきせたことだ。簡単にまとめると、彼は、国連の内部報告書を漏えいした罪で、今年3月解雇を言い渡された。それを不服とした彼は、いろいろ訴えて、次に一時帰休を命じられた。それにも不服だった彼は、一時帰休の取り消しを求めた。

アメリカの元外交官ジェームズ・ワッセルストロムは、アンダース・コンパス事件は、国連が内部告発者に背を向けたことを証明している、と語った。彼もまた、かつて、コソボにおいて上司の汚職を告発したら、国連軍によって、彼のほうが解雇されて逮捕された、のだという。

アンダース・コンパスに戻る。彼は、国連の内部報告書(編集前のもの)をパリの検察庁に提出した。その内部報告書には、中央アフリカにおいて、フランス平和維持軍が子どもたちを性的搾取したことが詳細に述べられていた。

昨年の6月に報告書はできあがっていた。しかし、事件は、アンダース・コンパスがフランス当局に直訴するまで明らかにされず防止策もとられなかった。

事態を重く見たフランソワ・オランド仏大統領は、その事件について真剣に取り組むと誓い、「もしも、フランス兵士が悪事をしたならば、容赦しない」と語った。フランスの司法当局は、6人以上の兵士を取り調べ中だという。

英ガーディアン紙によると、国連の報告書のタイトルは「国連軍による子どもへの性的虐待」。すべてのページに「丸秘」スタンプが押されている。空腹で、寝る家もない子どもたちに対して、フランス平和軍の兵士たちが、強姦やソドミーをしたことが詳細に述べられている。2013年12月から2014年6月まで。中央アフリカの首都バングイの空港近くにある「行き場のない人たちのセンター」。

ある子の証言――「1人は背が低くて、煙草をよくすっていた。もう1人はやせていてタバコはすわなかった。何が欲しいかと聞いてきた。私はおなかがすいていると応えた。すると背の低いほうの男が、パンツからペニスを出して、まずこれだと言った」

「痩せたほうの男のペニスは、私の友だちにした」

「ペニスは私たちにまっすぐ出して、口のあたりだった」

戦争の犠牲者である子どもに、なんということだろう。余りの卑劣さに反吐が出る。

国連が正しいか、スウェーデン外相が正しいか。答えは、はっきりしている。

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by bekokuma321 | 2015-06-16 08:12 | 北欧