カテゴリ:北欧( 89 )

選挙における清廉性プロジェクト(Electoral Integrity Project, EIP)による、今年の選挙レポートは、

1位 デンマーク
2位 フィンランド
3位 ノルウェー
4位 スウェーデン
5位 コスタリカ

公平な投票に関して、①報道における公平さ、②選挙運動の資金、③社会的制約などを、調査して数字化したもの。アイスランドは10位とトップ5にはいらなかったものの、北欧諸国は軒並み、上位を独占した。ドイツ6位、オランダ8位。日本は29位だった。

議会制の母国イギリスが39位とふるわない。その理由のひとつが、民意を反映しない小選挙区制にある、と代表のPippa Norrisが分析する。日本も、その小選挙区制を採用しているが、イギリスより10ランク上位なのは、どこに原因があるのだろうか。

昨年の1位はノルウェーだった。

The Electoral Integrity Project’s "The Year in Elections 2015"
UK scores worst in electoral integrity in Western Europe. Here’s why.
Electoral Integrity Project

c0166264_022163.jpg

c0166264_19561380.jpg

【写真上:オスロの国政選挙投票風景。上が投票ブース。中にはいるとすっぽりとカーテンで覆われる。手前にあるのが投票箱。有権者は支持する政党リスト1枚を入れた封筒を投票箱に入れる。
写真下:事前投票所。「ここで事前投票ができます」と書かれた大きな看板。車いすやベビーカ―が入れるようスロープが設営されている。選挙運動期間の制限なし。投票日は憲法で決められた9月第2月曜日。事前投票期間が2か月半もあり、勤務地の近くでも投票ができる】
[PR]
by bekokuma321 | 2016-03-20 22:40 | 北欧

c0166264_2333861.jpgやったぁ!スウェーデン地方公務員管理職の賃金レースにおいて、女性が男性に勝った。

地方政府において、女性管理職・政治家の平均賃金は、同僚男性よりも高額となった。フルタイムの管理職女性は、平均月58925クローネ(日本円にして782,126円)、男性は57,925 クローネ(768,849円)となった。史上初の快挙だという。

2月25日、スウェーデンのDagens Samhälle誌が報じた。Vサインをする女性の手が表紙を飾っている。

女性の賃金が男性より高くなった理由はさまざま。

「地方公務員管理職を募集すると、男性より女性が多く応募します。女性は年配になってから管理職ポストにつくことが多く、賃金がそれだけ高くなる傾向があります」

「民間ではありえないことですが、とてもおもしろい。女性管理職は、賃金交渉が巧みであり、また女性のほうが男性よりも高学歴だからでは」

ストックホルム市長のカリン・ワンゴ―ル(女)は、月125,000クローネ(日本円165万3,240円)。大臣の80%と定めているからだという。「首都を率いており、、市の全予算の責任を持つ身ですから、当然です」と、うれしそう。市議会議員を経て、2014年から市長に(社民党)。ストックホルム議会は、社民党、緑の党、左派党、フェミニスト党の4党で連立を組む。

なお、北欧の地方議会議員は、大都市を除いてほとんど無報酬。別に職業を持っていて、その賃金で生活する。議員は余暇のボランティアといえる。

【写真:1999年のスウェーデンの男女同一賃金を求めるポスター「賃上げには髭だ」】

Kvinnorna tar täten i lönerace
Women managers overtake men in Sweden's wage race
スウェーデン「スポーツからお祭りまで男女平等」
フェミニスト党EU議会に当選
叫ぶ芸術
アバのベニー・アンダーソン、フェミニスト党を支援
[PR]
by bekokuma321 | 2016-02-26 23:20 | 北欧

「2015 世界報道の自由インデックス」によると、日本は世界180カ国のなかの61位だった。戦争もなく、殺害されたジャーナリストもいないものの、どんどんランクが下がっている。

過去、日本は、2012年53位、2013年53位、2014年59位だった。つまり、3年前と比べて8つランク落ち、昨年と比べても2つランクを下げた。

「国境なきジャーナリスト」によって調査されて発表された。基準は、報道における多様性、独立、ジャーナリストの生命と自由が尊重されているか、報道にあたっての法的、構造的、基礎的環境があるかなど。

トップ3は、フィンランド、ノルウェー、デンマークと北欧3カ国が占めた。それに対して報道の自由度の最も低い最下位クラスは、イラン、中国、 トルクメニスタン、 北朝鮮、エリトリアなどだ。

昨年末に発表されたニュースだが、重要だと思い遅ればせながらお知らせする。

c0166264_2051168.jpg
▲報道の自由で世界トップクラスのノルウェー。ノルウェー国営放送局NRKの会議風景。幹部は男女半々。

2015 World Press Freedom Index
[PR]
by bekokuma321 | 2016-01-23 20:54 | 北欧

c0166264_1561996.jpgスウェーデンの首相・ステファン・ロベーンStefan Löfvenは、2014年のストックホルム・フェスティバルで、スウェーデン警察が性的嫌がらせについて報告しなかったことは、「女性に対する二重の裏切り行為である」と、警察を強く非難した。今朝のガーディアン紙による。

首相の言う二重の裏切りとは、女性に性的嫌がらせをした加害者が誰も起訴されなかったことと、この事件が警察署の報告に存在しなかったことを指しているようだ。

時を同じくして、ケルンでの女性への暴行事件と同様、2015年大晦日の夜、スウェーデン第3の都市マルメにおける、女性への暴行事件が明らかにされた。

女性への性的嫌がらせ事件は、2014年夏、ストックホルムで行われたヨーロッパ最大の若者の音楽祭といわれるWe Are Stockholmで起きた。若者中心に17万人が集まったと言われる。

スウェーデンの日刊紙Dagens Nyheterが、警察官のメモを暴露したため、事件が明らかになった。

首相は、若い女性に対する二重の裏切り(dubbelt svek)だとし、「強い怒りを覚える」と公言した。そしてスウェーデン警察長官は、2014年の音楽フェスティバルについて徹底した捜査をすると公約した。

スウェーデン紙はこぞって大きく報道している。

さらに、スウェーデン民主党(移民反対派で右翼と称される。社会民主党とは別)は「警察署は、ポリティカル・コレクトネスに混乱していた」とし、同党の国会議員は、「これは、まったく比類のないスキャンダルである。この国のあちこちでこのようなことが起きて、民主党が有利になるからと、その事を報告しないとしたらどうなるか?」

2014年夏の音楽フェスティバルは、ちょうど総選挙を1ヵ月後に控えていた。難民問題が大きな関心を呼び、同選挙で民主党は第3党に躍り出た。

一方、女性のシェルター代表として、移民たちが暮らしに溶け込む手助けをしてきたスザンナ・ウバルディはこう語る。

「性的嫌がらせなどの行為は、女性に対しての忌むべき野蛮で下劣な行為です。こうした行いは、中東からの難民男性の保護とはまったく別物です」

「しかし、スウェーデンで今なされている議論は物事を単純化し過ぎであると、戸惑いを覚えます。多くの移民は、女性に対して、大変な尊敬の念を抱いています」

首相の「二重の裏切り」発言も、さすがスウェーデンと感心したが、シェルター代表の意見は、首肯にあたいする。

Assaults at the Stockholm festival have never been fully investigated
Swedish police accused of covering up sex attacks by refugees at music festival
Åkesson: Eliasson borde givetvis sägas upp
stockholm kulturfestival

【写真は2015年のストックホルム・フェスティバルのポスター】
[PR]
by bekokuma321 | 2016-01-12 15:11 | 北欧

女に仕事を!

1960年代から80年代まで、世界のあちこちで女性解放運動の嵐が吹き荒れた。

デンマークでは、レッド・ストッキングという女性グループが、その重要な役割をになった。

厚化粧、女らしさを誇張した服装、ハイヒール、セックスアピール、へりくだった態度---こんな「いびつな女らしさ」で飾って目抜き通りを行進。終着地でそれらをひとつひとつ脱ぎ捨てていく。この度肝を抜くデモンストレーションは、レッド・ストッキングの名を特に高めた。

レッド・ストッキングは、女らしさに異議をとなえる文化運動から、経済運動、政治運動まで次々に展開。その多様で新鮮なスタイルは、一世を風靡した。

このポスターは、そんなレッド・ストッキングの多様な運動を表す1枚。「女たちに、まともな仕事をよこせ」と訴えている。

c0166264_332494.jpg


詳しくは、「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち 女に仕事を!」を。
[PR]
by bekokuma321 | 2015-12-28 04:13 | 北欧

今日のポスターは、先月、「フィンランド女性会議」から贈られてきた。

「100年の歴史。女性の言葉と行動」というフィンランド語にはさまれて、投票箱が置かれている。おもしろいのは、票を入れるところが、真っ赤なキスマークになっていることだ。

c0166264_22583444.jpgフィンランドは、2006年、女性参政権100周年を迎え、もりだくさんの記念行事があったが、それを知らせるために作られたのだという。カタログには、「人口の51%は女性だから、国会の101人は女性が好ましい」と書かれている。フィンランドの国会議員は200人なので、101人すなわち51%を女性にしよう、というのだ。

フィンランドの女性たちが、「国会の半分を女性に」という目標を掲げたのは、20年以上も前だった。

国政選挙を翌年に控えた1994年、私は、ヘルシンキにある「フィンランド女性会議」のオフィスを訪問した。事務局長は言った。「フィンランドの女性は、1906年、ヨーロッパでどの国よりも早く参政権を獲得しました。初めての選挙で女性は19人、11%でした。今、私たちの目標は、国会の半数にあたる100人を女性にしよう、です」。

絵ハガキを2枚もらった。1枚は「国会に100人の女性を」。もう1枚は「女性であるって素敵」とあって今日のポスターとまったく同じ真っ赤なキスマークが描かれていた。「真っ赤なルージュは、女性の言葉、女性の発言を意味します」と言った。私は、一瞬ハッとした。

もっと読むには、■叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち」ーリップスティックで男女平等を!(フィンランド)
[PR]
by bekokuma321 | 2015-11-23 23:09 | 北欧

c0166264_1441180.jpg世界経済フォーラムWorld Economic Forumが、男女平等の世界ランキングを発表した。いわゆるジェンダー・ギャップ。

日本は145カ国中101位(→)。「昨年は104位だったから3位上がった」と、小さな声で友人に告げたが、余りに情けなくて笑いがもれた。

朝日新聞は見出しも紙面扱いも目をひいた。もっと大きく扱っていい。国際会議で日本の実態をいくら知らせても、国内メディアの関心が低くては、日本人にグサリと届かないからだ。

オリンピックやスポーツで、日本が世界100位以下だとしたらどうか。ショックが国中を覆うのではないか。スポーツ界のお歴々が頭をかかえて陳謝し、テレビは特集を組み、専門家はやれ歴史的にはあーだこーだとさぞ騒々しいことだろう。

ところが、である。国民の半数以上を占める人――女性――の地位が、世界100カ国の仲間入りできないというスキャンダルに、この国は平気な顔をしている。

なぜ日本は101位なのか。

経済活動参加と機会106位、教育84位、健康と生存42位、政治参画104位。政治・経済界の「男の牙城」が崩れないからだ。

日本は、この調査が始まったころの2006年には、115カ国中79位だった。分母も増えたから単純には言えないが、この歩みの遅さ。愕然とする。メディアは、女性議員増に長年運動してきた全国フェミニスト議員連盟などの女性団体にコメントを求めるとか、女性候補者増に責任を有する政党や、女性雇用推進に責任を有する経団連や連合にこれまで何をやってきたか、今後はどんな対策をとるかなどを取材して、もっと騒ぐべきだ。

上位にはいつものように北欧諸国が並ぶ。ただしデンマークは今回はいらなかった。

1 アイスランド 
2 ノルウェー 
3 フィンランド  
4 スウェーデン
5 アイルランド

Global Gender Gap Report2015
How equal are you?
Global Gender Gap Report2015(冊子にすぐアクセスできる)
日本142カ国の中で104位
男女格差、世界136カ国中105位
百田氏よ、恥を知れ!
北欧に対する偏見
[PR]
by bekokuma321 | 2015-11-19 14:52 | 北欧

10 月24 日はアイスランドの女性にとって記念すべき日だ。40年前の10 月24 日、アイスランド女性は、ありとあらゆる仕事をストップした。

「女性が仕事を休む日」。アイスランド人はKvennafríと呼ぶ。英語で"Women's Day Off“。アイスランド史に燦然と輝く。

なにしろ、アイスランド女性の90%が仕事をやめた。女性の連帯をこれほどシンボリックに表した日はないだろう。

秘書は会社に行くことをやめ、教員は学校を保育士は保育園を休み、看護師は病院に行くことをやめ、主婦は食事の用意をほおり投げて赤ん坊を夫に手渡した。いかに女性が社会に貢献しているか、いかに女性の価値が低く見られているかを世に知らせるためだった。

アイスランドのいわば「女のゼネスト」について多少知っているつもりだった。というのも、私は今から20年前、1994年、首都レイキャビクの市長に「女性党」の女性が就任したと聞いてアイスランドまで取材に出かけた。遠いアイスランドに行く前に調査をしたら、首都の顔に女性が就任しただけでなく、当時、大統領までが女性だった。

詳しくは『ママは大臣パパ育児』(明石書店)のアイスランドを参照してほしいが、背景に、「女のゼネスト」をやりとげた女性たちの力や、女性の力に対する社会の共感がある、とわかった。

そして一昨日、10月25日付けBBCで、この「女性が仕事を休む日」を振り返る記事を読んだ。国中の女性という女性がデモをするって、いったいどんな光景なのか。BBCの記事と写真は、かねてから気になっていた私の好奇心に応えてくれた。

関連記事で知ったのだが、女性ゼネストのアイデアは、急進的な女性団体レッド・ストッキングだった。1970年にすでに企画されていたらしい。そして、1975年に始まった国連の女性年が後押しした。

1975年6月、レイキャビクで、国連女性年に呼応した女性会議が開催された。その会議で、「10月24日、女性がすべての仕事を放棄して、女性の仕事の価値を知らせよう」という動議が出された。動議案は、多彩な年齢、多彩な政党、多彩な職業ーー主婦も含むーーを持つ8人の女性によって用意周到に仕組まれた。動議は可決された。賛成72、反対28だった。

ありとあらゆる分野の、ありとあらゆる年齢層の女性がいっせいに休むという行動をとろう、という布石が、この時作られたと言ってもいい。

その日のネーミングも工夫された。ストライキではなく「休み」にしたらどうか。休みならどんな女性でもとりたいに決まっている。10月24日までの怒涛の4か月については、On the women's holidayに詳しい。

1975年10月24日、アイスランドの女性たちがやってのけた「女性が仕事を休む日」。それから40年、「世界の男女平等ランキング」で、アイスランドは世界のトップ」となった。女性が結婚しても出産しても働き続けられる公的サービスが最も充実した国なのだ。

40年前のアイスランドを紹介するBBCの写真や、アイスランド国営放送RÚVの動画を見ていたら、解決されないままの日本女性の抱える問題が浮かび上がってきて、目がしらが熱くなった。ちなみに、アイスランドが1位となった「男女平等ランキング」は、日本104位、と知らせていた。

c0166264_21155839.jpg
▲アイスランドの「女性が仕事を休む日」の精神は国際女性デ―に通じる。国際女性デ―3月8日、世界中で、女性への侮蔑や差別に怒り、女性が女性であることを喜びあう。上は女性の連帯をアートに仕上げるふじみつこ作の国際女性デ―カード


The day Iceland's women went on strike
40 ár frá kvennafrídeginum - Myndskeið (「女性が仕事を休む日から40年」_アイスランド国営放送の動画。大集会でスピーチの最後を飾ったのは国会議員でも著名文化人でもなく学校・病院等の清掃組合女性部代表だった)
The Day the children came to the offices
Aðalheiður Bjarnfreðsdóttir á Lækjartorgi 24. október 1975
Kvennafrídagur 24. október 1975
百田氏よ、恥を知れ! 
日本142カ国の中で104位
女性の雇用率の高い国は
福祉は経済を発展させる
男女平等世界1アイスランド、日本94位
アイスランドにレズビアン首相誕生
[PR]
by bekokuma321 | 2015-10-27 21:51 | 北欧

スウェーデンのストックホルム、南病院内にレイプ(強姦)被害となった男性のための緊急外来がオープンした。世界初だという。

すでに、レイプ被害女性のための緊急外来はできていて、年間600件から700件の患者の治療にあたっているという。

スウェーデンでもまだ男性へのレイプは社会的にタブーであり、被害者の苦悩が続いているなか、決断された。男性用のレイプ外来オープンに、病院の専門家は「男性が、被害を明らかにすることではじめてよい治療ができますので、重要です」、政治家たちは「男女平等の観点から、喜ばしいことだ」と報道されている。

レイプなど性暴力を受けた心身は、いやしがたい傷害を負い、その後遺症は生涯続く場合もあると言われている。その傷の重さは、男女の性にかかわらないことは言うまでもない。これから考えても、レイプにあたる「強姦」の漢字はおかしい

Sweden Opens Worlds First Male Rape Centre
Sweden opens world’s first male rape victim centre
Öppnar akutmottagning för våldtagna män
[PR]
by bekokuma321 | 2015-10-17 11:09 | 北欧

冬の月が冴える夜。

闇にまぎれて、どこからともなく現れた女たち4人。屋敷に侵入し、懐中電灯で足元を照らしながら階段を一歩一歩上っていった。

門の横に、今度は10人。先発隊の後を追って、そっと階段を上った。

10分経過すると、また10人、そしてまた10人。さらに10人・・・・

全員が大部屋に入ったことを確認し、いっせいに手元の懐中電灯をつけた。パアーッと室内全体がライトアップされた。

「やったぁ、この家は私たちのものだ!」

1979年11月2日深夜、コペンハーゲン、「ダナーの家」占拠の瞬間だった。

不法占拠→募金活動→屋敷の取得→改造工事→女性シェルター創設、とトントン拍子に進み、全国民をまきこんだ一大社会運動としてデンマーク女性解放史の1ページを飾った。下は当時の運動に使われた貴重なポスターだ。

c0166264_11112312.jpg


小説など目じゃないほどドラマチックな、デンマーク初の女性シェルター建設運動。詳しいドラマは、叫ぶ芸術「もう、不法占拠しかない!」デンマークをどうぞ。「I 女のしんぶん」に連載中のWeb版。
[PR]
by bekokuma321 | 2015-07-22 11:16 | 北欧