自民党総務会長、「下院議長は女性・・・それで破裂した」

報道によると、自民党の笹川尭総務会長は、9月30日、米議会下院で金融安定化法案が否決されたことに対して「下院議長は女性。ちょっと男性とはひと味違うような気がする、リードが。それで破裂した」とコメントした。

何をもって「議長が女性だから、金融安定化法案が破裂した」というような結論が出てくるのだろう。女性は経済に弱い、などという先入観ゆえか。「男性とはリードが違う」は、女性にはリーダーシップが弱いといいたいのだろうか。自民党ならずとも、日本にはそうひそかに思っている男性はまだいる。しかし、公人の身で、それを公言したことに「恥を知れ」と言いたい。

笹川衆議院議員が批判的に取り上げた「女性」は米議会下院議長のナンシー・ペロシ(民主党)。米政治史上初めての女性の議長として尊敬を集めている。イタリア系アメリカ人で、自称フェミニスト。

そもそも同金融安定化法案は、経済破綻のこれ以上の悪化を止めるため、超党派による議員のバックアップを得てブッシュ政権が出したもの。法案は賛成205、反対228で否決された。反対したのは共和党がはるかに多い。ナンシー・ペロシ議長は、超党派で同法案に賛成するよう、よびかけている。

ところで、アメリカの下院議長職は、日本とは重みが違うらしい。日本の衆議院議長はどちらかというと名誉職に近いが、米議会の議長(通称スピーカー)の権限は大きく、大統領に何かあった場合の権限継承順位において、副大統領(上院議長を兼務)に次ぐ第2位と規定されている。

この9月初め、広島市で行われた議長サミットに、ナンシー・ペロシ下院議長も参加した。その際、彼女は、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花をした。「原爆投下後、広島を訪れた最高位の米国人政治家」とマスコミが紹介していた。つまり大統領と副大統領は来ていないということだ。

2007年1月の議長就任演説のさわりを思い出す。彼女は、アメリカに女性議長が誕生したことの意義をこう力強く表現した。

「今日は女性にとって歴史的な瞬間です。200年間待ち続けてきました。信念を捨てず、権利を獲得するために待ち望んできた瞬間です。ただ待っていただけではなく、女たちはそのために活動してきました。男女は生まれながらに平等であるというアメリカの約束のために働き続けてきました。娘や孫娘たちよ、今日、私たちは“大理石の天井”を打ち破りました。さあ、これからの女性たちにとっての天井は空です(無限という意味)」。

http://www.asahi.com/politics/update/0930/TKY200809300216.html
http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/7644259.stm
http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/fem-news.html
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by bekokuma321 | 2008-09-30 18:59 | USA