子どもオンブズマン

大ニュース! ノルウェーの新しい子どもオンブズマンがやっと決まった。 新子どもオンブズマンは、レイダール・へルマン。30代。心理学者。実は、彼は新人ではない。前の子どもオンブズマンだ。つまり同じ人物が2期目続投をするだけ。何でこれが大ニュースなのか? 

ヘルマンは2期目続投を希望していたが、それが認められなかった。きわめて異例のことだ。そして新オンブズマンの名がマスコミで公表された。ところが、公明正大に選定作業が進められたはずが、次期オンブズマンに決定した人と子ども・平等相は、夕食をともにするような仲だったことが判明。蜂の巣をつっついたような騒ぎとなった。

ノルウェーではほぼすべての公的ポストは公募だ。とりわけオンブズマンという“大臣と裁判官を足して2で割ったような強い権限のポスト”は、メディアで過去の実績、発言、家族に至るまで情報が公開され、厳しい批判にさらされる。

マスコミは、新オンブズマンが大臣と弁護士仲間であり、親しい間柄だったことを調査し、それを叩いた。メディアの批判攻撃に対し、子ども平等相は「それほど親しい間柄ではない」と表明。さらにマスコミは二人のこれまでの付き合いを公表。大臣が嘘をついていたような具合になった。それが致命傷となって、初の黒人の大臣である子ども平等大臣は辞任に追い込まれた。

同時に、新オンブズマンに決定していた弁護士も辞任。こうして、数ヶ月間、子どもオンブズマンは空席だった。

今回、いったん職を追われた子どもオンブズマンが元のさやに戻った。どういう話し合いでこういう結論になったのだろう。この背後にノルウェー政界のポストを巡る権謀術策があったと各紙が報道している。

さて、子どもオンブズマンとは、子どもの利益のために行政や団体などを監視する国家機関。1982年に世界で初めてノルウェーに創設された。任期は6年で2期が限度。独立した第3者機関であり、行政の管理は受けないとされている。しかし、子どもオンブズマンの人事がスムーズに行かなかったのは、子どもオンブズマンと官僚との間に長年の軋轢があったからだと報道されている。

もともと官僚権力が強い国であるが、今回、その実態を見た。さらに、マスコミの政治権力批判の執拗さというか持続性にはかぶとを脱ぐ。

http://www.aftenposten.no/english/local/article2495405.ece
http://www.aftenposten.no/english/local/article2257982.ece
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802150879/1.php
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by bekokuma321 | 2008-06-20 23:49 | ノルウェー