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石油エネルギー相辞任の背景

アフテンポステン紙の石油エネルギー相辞任についての英語版報道を読んだ。僕の見解を述べ、この件について同紙とは別の見方があることを述べる。

同紙は、オースラウグ・ハーガ石油エネルギー相を、「違法建築計画」という表現で批判している。しかしそれは正しくない。彼女は、家の改築の際にすべき申請をし忘れていたため罰金を支払った。これは事実である。しかし、もし同紙がいうように違法だったなら、その改築部分を撤去させられたはずである。

彼女は、また農業用の小屋を他人に貸与し、その税金を支払わなかったことも追及されている。しかし、それが真実か否かはまだわかっていないのである。

さらに、同紙は、ハーガ石油相が、トロムソの冬季オリンピックに関する支持を獲得するため、「裏取引」をしたという疑念にさらされたとも書いている。この件は、中央党が2005年の国会議員選挙の際、オリンピック招致が公約だったことをさしている。ハーガは、当然、中央党党首としてこれを推進した。ところが、大臣として推進したと批判されている。さらに同紙は、彼女が裏取引をし腐敗が起きたかのように描いている。オリンピック招致をめぐって、辞任に追い込まれた中央党の同僚(女性)に、ハーガが、その後、あるポストを紹介したのは間違いだったと僕も考えているが、しかし、それは違法でもなんでもない。この件について、ハーガが党首として罪を認めなかったかのように書かれているが、それもおかしい。

彼女の辞任に関するノルウェー・メディアの扱い方について、今、議論が巻き起こっており、意見は多様だ。問題をことさら誇大に報道し、そのプレッシャーが彼女の健康に影響を与えたという意見も多い。

同紙は、彼女が党首として強い指導力を持ち、さまざまな政治的場面で右翼議員から批判を呼ぶほどだったことは言及していない。2005年の国政選挙後、初の左派中央党政権結成にこぎつけることになったが、その主要な役目を果たした人物がハーガだったことも触れていない。同政権は、この2,3年、福祉社会を強化させる政策を打ち出した。この政策を具体的に進めたのは自治体であり、ハーガは自治大臣としてその重責を担った。

ノルウェーは経済が好調であり、メディアや野党の議員は、マイナーな政治的問題をほじくり出す傾向にある。ハーガは、健康上の理由から数年前にも大臣職を休んだことがあり、今回、メディアの一方的非難が健康上のストレスを増大させたことは間違いない。結論を言えば、同紙の記事を書いた記者は、政治的理由から、ハーガを一方的に避難し、否定的に描こうとしていると、僕は考えている。

オーレ・グスタフ・ナルッド(ノルウェー・ヘードマーク県オーモット市市長)
by bekokuma321 | 2008-06-24 13:11 | ノルウェー