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パリタリア民主主義と選挙結果

先日、ローマから女性の一行が日本にやってきた。現役の教員、医師、年金生活者など30人余り。

「日本女性の現状を話してほしい」と頼まれたので、「家父長制という化け物と闘う日本の女性運動」と題して日本の法制度の女性差別、女性議員の少なさ、最近の女性運動について英語で話した。

バスが日光からの帰路で大渋滞に遭遇し、夕食なしの真剣討論。話は、極右ロビー団体「日本会議」や日本を揺るがすセクハラ事件にまで及んだ。

イタリアは、議会を50対50にしようという「パリタリア民主主義」運動を経て、数年前、候補者リストの上位40%を女性にしなければならないとするクオータ制が導入された。その制度施行後初めての国政選挙が終わったばかりだった。

結果は、下院630議席のうち女性は225議席、35・7%と躍進。イギリスやドイツを抜いて世界192カ国中29位になった。

しかし、日本にやってきた女性たちの表情は暗かった。右寄りのポピュリスト党「五つ星運動」や右派の「同盟」が躍進し、社会民主党は敗北した。その結果、当選した女性に左派は少なかったからだ。

日本でも、「候補者男女均等法」が施行された。イタリアと違いクオータ制はない。法を守らなくても罰則がない。女性候補を増やすためには、女性たちが党の内外で本気で頑張らないといけない。

それに加えて、イタリアの選挙結果は、超えるべきもっと困難なハードルがあることを教えていた。

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 ▲すべての議会を50対50にしようという「パリタリア民主主義」運動のポスター。詳しくは「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」(I 女のしんぶん)
by bekokuma321 | 2018-06-14 01:20 | ヨーロッパ