2018年 05月 31日
候補者男女均等法と政党
「Monday 解説」(2018.5.28 朝日)は、候補者男女均等法を、こんな2択をたてて論じている。家事や育児で時間のない女性は選挙で不利。そこを越えるための後押しなのだから、法は、女性にゲタをはかせるというより、「男性がはいているゲタを脱ぐ」ことだという。
それはその通りだ。でも、これは女性差別撤廃条約にもうたわれる”性役割分業をなくすこと”であり、何をいまさら、と思う。
法の目的は、候補者の半分を女性にすることだ。候補者を探し擁立する政党が変わらなくては話にならない。編集委員は、そこにメスを入れてほしかった。
論説委員は「議会の偏りを正し、多様な民意を映す『窓』になりうる」と、比例代表制選挙を肯定的に論じる。もっともだ。日本の比例区選挙は、衆院選では小選挙区制の「おでき」みたいなものだが、それでも、女性は小選挙区より比例区のほうがはるかに当選しやすい。
だから、たとえば小選挙区候補が男10対女2だったら、比例区はその逆の女10男2にするとか、政党にやれることはたくさんある。
日本の「政党交付金」は世界一高額だと言われている。毎年320億円もの税金が投じられている。その「政党交付金」の目的は民主主義の発展のためだそうだ。ならば政党は、ここらで、”男主主義”から”民主主義”に変えることに政党交付金を使ってはどうか。
政党は党内に「候補者男女均等法推進部」を新設して具体的一歩を踏み出そう、そんな案もいい。
こうした素人案を越えて、論説委員には、政党への次の一手を示してほしかった。
男女平等議会への道のりは遠い。短期的にはせめて比例区定数を小選挙区制成立時並みに増やすこと、だと私は思う。長期的は、北欧型の比例代表選挙とまでいかなくても、ドイツ型の小選挙区比例代表併用制に変えることではないだろうか。この運動を主導するのは女たちだと思う。
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