2018年 05月 09日
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」宣言
ノルウェー、ニュージーランド、韓国の講師が選挙制度と女性議員増の関係について報告した。なぜ比例代表制では女性議員が増えやすいか。議会に女性が増えた結果、暮らしや子育てはどう変わったか。
刺激的なスピーチが続いた後、最後に、城倉哲(公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト)と伊藤正子(全国フェミニスト議員連盟)が「4.20宣言」を男女ペアで読み上げ、「民意の反映する選挙制度を」と誓った。
●●●●●●●●●●●●●● 4.20 宣言 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「選挙を変えれば暮らしが変わる」に集った私たちは、日本の政治の土台である小選挙区制度が、私たちの暮らしの足かせになっていることに、気づきました。
本日、素晴らしいお話をして下さった国の一つ、ノルウェーは、比例代表制の国です。社会的に不利な立場の人々の声が素直に政治に反映され、女性の政財界への進出は世界のモデルです。
20年ほど前、小選挙区制から比例代表併用制に変えたニュージーランドでは、“女性に優しい議会”が生まれています。「小選挙区制は不公平だ」という先住民をはじめとする国民の声が、選挙改革のきっかけでした。
お隣の韓国は、比例代表の候補者名簿を、政党に男女交互に並べさせる法改革をなしとげた結果、女性議員が増えてきました。
さて日本ですが、戦後初の衆院選は「大選挙区制」・「連記制」で、39人の女性が当選しました。その後、選挙制度が変えられ、女性は減り続けました。現在、国会に占める女性は、ノルウェーが4割を超え、ニュージーランドは約4割、韓国は2割に届こうとしていますが、日本はわずか1割です(注1)。地方議会も1割強で、全市区町村の五つに一つは「女性ゼロ議会」です。
小選挙区制では、第1党以外の政党は切り捨てられ、政党も候補を1人にしぼるため、女性やマイノリティーは立候補さえ難しくなります。その改善への一歩となる「政治分野の男女共同参画推進法」(注2)は、いまだに成立せず、私たちはなお一層主体的に運動していかなればなりません。
日本の政治は迷路にはまっています。森友・加計事件、自衛隊の日報隠ぺい事件、財務次官のセクハラ事件…など問題が噴出し、安倍政権の支持率は続落しています。それでも政権交代が見通せないのは、先の衆院選において、第1党が48%の得票で74%もの議席を得た“小選挙区制のマジック”と関係があります。
私たちは、私たちの民意が正しく反映される選挙制度を強く求めていくことを、ここに宣言します。
2018年4月20日
参加者一同(注3)
注1:第一院(Inter Parliamentary Union 2018.1.1発表)
注2:「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(配布資料参照)
注3:ただしスピーチを行った駐日大使館3講師ならびに同通訳者は含まれない
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して④
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して③
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して②
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して①
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」韓国
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」ニュージーランド
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」ノルウェー
■国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」序