若者の投票動向と主権者教育(名護市長選報告)

c0166264_12435477.jpg「何度も崖っぷちに追い詰められてきましたので、これくらいではめげません。でも、私が最も深刻だと思ったのは、18歳、19歳の自公支持です。若者を巧妙に取り込んだ選挙だったことに、強い危機感を持ちます」

こう語るのは山里節子さん。沖縄・名護市長選で、辺野古反対を掲げた現職の稲嶺候補を応援したが、惨敗だった。

山里さんは、沖縄・石垣島生まれ。石垣島で陸上自衛隊配備に反対する運動を続けている。米軍による地質調査の助手、半民半軍の航空会社、琉米文化会館で働いたあと、沖縄の平和や環境保護運動に出会う。「いのちと暮らしを守るオバーたちの会(IKO)」世話人でもある。

山里さんは、若者の票が、自民党公明党の推薦した新人候補に流れた背景を、こう言う。

「18歳への選挙権は当事者たちの権利要求から来たものではありませんでした。上から突然賦与されたものです。つまり、政府は、自分たちの政権維持に使える、と計算していたから、選挙年齢を下げたのです。その結果がこれです」

静かな声の後ろに憤りがこもる。山里さんは、続ける。

「18歳、19歳が、自覚的に自主的に投票できたとは思えません。受け取る情報に偏りがあったと思います。選挙権を与えられたのちも、学校で生徒たちが主権者教育をされてきたとは思えません。ほとんどの高校生は、双方の政策や、その政策の結果どうなるかなどに関する情報に接することすらなかったのです。一方で、政権側は莫大な資金を投入して、巧みに情報を流してきました。徹底した集票マシーンと化した相手陣営は、若者にターゲットをあてて、ネットによる情報提供にいそしんできました。その集票マシーンには、おそらくは何十億円といわれる“機密費”からお金が出ているのではないでしょうか」

出口調査による年齢別投票先は、10代の渡具知支持は圧倒的で、稲嶺の支持層は60代以上がほとんどだ。

沖縄タイムズも、山里さんと同じ分析をしている。同紙によれば、渡具知側は、「圧倒的人気を誇る自民党の小泉進次郎氏の2度投入」をしたと言う。SNSなどネットを使っての情報戦にも力を注いでいた。稲峰側は、ようやく終盤になって「SNSやユーチューブなどを使って政策や主張を広げるネット戦略にも注力した」ものの、すでに「渡具知側はSNS先行していた」と書いている。

その結果、10~30代など若い世代の票が、新人候補に流れていったのだろう。

山里さんは、「この問題と向き合い、一人でも多くの若人たちの政治意識が真っ当に育つよう共に闘っていきます」と私につぶやいた。

【写真:「ふぇみん」巻頭を飾った山里節子さん(宇井真紀子撮影の2017.12.15号掲載紙から接写)】

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by bekokuma321 | 2018-02-07 13:20 | その他