2017年 10月 23日
衆院選投票率50%台か
小選挙区制という選挙では、最高得点をとった一人しか当選しない。自分の1票が政治に反映されない可能性があまりに高い。だから馬鹿らしくて投票所に行く気になれない人も増える。
先月、取材してきたノルウェーの最終投票率は78.2%だった。ノルウェーは比例代表制選挙だ。
これまで、小選挙区制は、得票率が議席数に反映されないことが指摘されていて、民意の反映しない選挙だと強く批判されてきた。
たとえば2012年の衆院選を見る。自民党は小選挙区で得票率43%だったが、小選挙区議席の79%をかっさらった。投票した人の2人に1人に満たない票で、8割近い議席を得たのだ。絶対得票率(上の表[朝日Web]。注)となると、自民党はわずか24.7%で4人に1人に満たなかったが、比例区あわせて全議席の6割を超えた。そのかげで、他候補に入れた3000万以上の票はすべて死に票となった。
一方、比例代表制のノルウェーはどうか。政党ごとの得票率と議席占有率を見る。最大政党の労働党30.8%で33%、保守党26.8%で28%、 進歩党16.3%で17%、中央党5.5%で5.9%・・・。比例代表制という名の通り、得票率に議席数が比例している。大政党は大政党なりに、小政党は小政党なりに得票に応じて議席を出せるのだ。これが、1人1票を生かす選挙というものだろう。
自分の1票が確実に議席に反映する選挙制度をとるノルウェーの投票率が高いのは当たり前だろう。
今回の衆院選では、どれだけ死に票が出るのか。
【注】絶対得票率は、有権者全体の得票率で,棄権した人も含めて有権者全体のなかでその政党 が何%票を得たかを示す
■投票率アップのカギは「優しさ」 総選挙で80%近く ノルウェーに学ぶ(東京新聞)
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