3党連立から誕生したNZ女性首相

c0166264_1227449.jpgニュージーランドの首相にジャシンダ・アーダン(37)が決まった。8月に労働党の党首になったばかり。9月の総選挙で、その活発で元気なイメージで労働党の票を伸ばした。

女性の首相は、「わずか3人目にすぎない」とニュージーランドでは報道されている。

トランプ大統領就任式の日、「トランプに反対する女性たちのデモ」が世界中で巻き起こった。ジャシンダは、ニュージーランドのオークランドで行われた、そのデモに参加して行進した女性の1人でもある。そんな気さくなフェミニストを一国のリーダーに選んだニュージーランド国民に心から拍手を送りたい。

彼女は、社会主義青年部の活動で頭角を現し、2008年国会議員に初当選した。労働党の候補者リストの当選圏内に登載されたからだ。彼女のような20代の女性が立候補して国会議員になれたのは、選挙制度のおかげでもある。

ニュージーランドは長年イギリスに倣って小選挙区制をとっていた。ところが1996年、小選挙区制を廃棄処分して小選挙区比例代表併用制に変えた。比例代表制中心の選挙は、有権者の意思をほぼ正確に反映する。自民党一党支配を生む小選挙区制とは異なり、中小さまざまな政党から代表を出せる。日本ではまだ議席を出せないでいるミニ政党「緑の党」も、ニュージーランドでは比例代表制に変わってから議席を増やした。

ニュージーランドは、9月23日が総選挙だった。

最大政党の国民党(現首相の党)44%、第2の労働党は37%、どちらも過半数をとれなかった。国民党中心の内閣となるか、労働党中心の内閣となるかーー鍵を握ったのは、ニュージーランド・ファースト党だった。ポピュリスト党と言われる政党で、党首ピーターズは写真でわかるようにマオリ族出身だ。

ピーターズは国民党とも労働党とも話し合いを続けてきた。労働党は緑の党と組むことがほぼ決まっていたため、ニュージーランド・ファースト党が緑の党とも政策合意できるか否かが焦点だったといわれている。ガーディアン紙によると、ニュージーランド・ファースト党は、最終的に環境政策に熱心な「労働党+緑の党」と組むことを決意したらしい。

比例代表制の国では、総選挙後、政策が似通った他党との連立を模索する政策協議が続けられ、政権が誕生する。政党同士が何日も話し合いを続けて新しい政権づくりをする姿をノルウェーで何度か見てきた。

ノルウェーもそうだが、比例代表制の国では、最大政党から首相が選ばれるとは限らない。どの政党とどの政党が連立を組むかにかかっている。今回、ニュージーランドの首相は、44%を獲得した第1党からではなく、37%の第2党から選ばれた。比例代表制は、民意を反映する選挙であるだけでなく、多様性の時代・連帯の時代にふさわしい選挙だ。

日本が倣ったという小選挙区制の本家本元イギリスでも、比例代表制にという声が大きくなっていると聞いた。出藍の誉れ、ニュージーランド!

選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
夜をとりもどせ!(ニュージーランド)
The Quest for Prosperity: How can New Zealand keep living standards rising for all?
Caroline Lucas MP on Proportional Representation and Votes at 16
英国下院、女性が30%に
イギリス6割が選挙制度改革に賛成 
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない

【写真:ニュージーランド労働党ホームページより】
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by bekokuma321 | 2017-10-20 12:52 | アジア・アフリカ