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パナマ文書のジャーナリスト殺害される

マルタの記者ダフィーネ・カルアナ・ガリッチア(53)が殺害された。EU政治問題中心の報道紙POLITICOから要約する。

ガリッチアはマルタで政治家の汚職を献身的・継続的に追及してきたジャーナリストだ。彼女の報道は、有力政治家や指導者たちによるタックスヘイブン(租税回避地)への関与を暴いた「パナマ文書」の端緒になった。その功績により、彼女は、2017年、ヨーロッパにもっとも影響を与えた28人の1人に選ばれた。ガーディアン紙は彼女を「ワンウーマン・ウィキリークス」と呼ばれていると紹介している。

殺害は10月16日の午後2時半ごろ。ガリッチアが自身のブログをアップした直後。自宅近くにあった彼女の自家用車の爆発事故によって起きた。

ガリッチアは、とくに、マルタのムスカット首相(労働党)とその妻や友人たちによる汚職を集中的に暴いてきた。首相の妻が、アゼルバイジャンの大統領の娘から100万ドル(1億円以上)を受け取ったことも含まれる。仲介したのは、パナマ文書で悪名をはせたパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」。

彼女のブログ(下のRunning Cmmentary)は膨大なアクセス数を誇る。しかし、同時に嫌がらせや脅迫は数限りなかった。今年、マルタ国会解散総選挙の際、彼女は、殺害予告を受け取ったと警察に通告しており、「もしも労働党が勝ったら、わが身の安全のため祖国マルタを離れようと考えている」と告げていたという。

彼女の殺害の記事は、2つの事件を想起させる。

ひとつは2006年、アンナ・ポリトコフスカヤ殺害事件だ。彼女は、チェチェン紛争に関してロシアのプーチン大統領やその周辺を批判する報道を続け、身の危険にさらされていた。そして殺害された。

もうひとつは、安倍首相の妻昭恵の犯罪だ。彼女は国家の最高権力者に最も近くで暮らすもう一人の権力者であり、その力は絶大である。その権力を悪用して、「森友学園」の名誉校長に就任して国有地を激安値で売却させていた。一般向けには「本当に私は普通の主婦、普通の女性です」とナイーブさを強調していた。そう、報道によれば、1億円に手を染めたとされるマルタの首相の妻は「家族が一番大切。お料理が好きです」と家庭を強調していたそうだ。

さすが、”女性の活躍”時代にふさわしい。

Leading Maltese political journalist killed by car bomb
アンナ・ポリトコフスカヤ賞
勇気あるジャーナリズム賞

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by bekokuma321 | 2017-10-17 12:03 | ヨーロッパ