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美術界のゲリラ・ガールズ、30年後も意気軒高

私が集めたポスターのなかで、最も強烈なインパクトを持つ1枚をお目にかけたい。アメリカのアーティストの作品だ。

「メトロポリタン美術館に女性が入るには、裸じゃないといけないのか? 女性作家は近代美術部門の4%以下だが、裸体画の76%以上は女性だ」

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1980年代にニューヨークの女性アーティストたちは「美術界の女性差別、有色人種差別に我慢ならない」と憤激した。そして「ゲリラ・ガールズ」という運動体を創設して、美術界への怒りの表明と意識改革をスタートさせた。

さすがアーティスト。鮮やかな黄色をバックに極太の黒い文字。横たわる裸の女性に「メトロポリタン美術館に女性が入るには、裸じゃないといけないのか? 女性作家は近代美術部門の4%以下だが、裸体画の76%以上は女性だ」という言葉を吐かせた。しかも、横たわる裸の女性の顔は毛むくじゃらのゴリラときている。なぜゴリラなのか?・・・関心のあるかたはネットの記事を。

ごく最近、アメリカの人気TVトークショーに彼女たちが出演しているのをYoutubeで見た。まだ頑張っていると知ってうれしかった。同時に、30年たった今でも抗議行動を続けなければならないんだな、と性差別・人種差別の壁の厚さに怒りを覚えた。

ポスターは言葉もデザインも重要だ。でも、色の力とサイズの大きさには負ける。このポスターはとくにそう。ニューヨークの路線バスのボディーに張ったらしいが、みな、さぞかし驚いただろう。

『I 女のしんぶん』の「叫ぶ芸術」に連載しているが、残念ながら白黒で小さい(下)。「愛読しています」という感想をいただくと、ネットで色付きのポスターを見てほしいと思ったりする。

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by bekokuma321 | 2017-09-20 23:49 | USA