高校生が全て担うスクール・エレクション(ノルウェー)

ノルウェーでは、全国の高校で9月11日投票の1週間前にスクール・エレクションがある。スクール・エレクションは、9月4日(月)、5日(火)に投票が行われて、今日、6日(水)結果が発表された。

若者の投票傾向を知ることのできる絶好の機会と、メディアは大きく報道した。

ノルウェー調査データセンター(Norwegian Centre for Research Data)によると、労働党27.8%、保守党15.1%、進歩党10.4%、左派社会党10%、自由党7.4%、緑の党6.8%、中央党6.7%、赤党5.7%、キリスト教民主党3.1%。最下の棒グラフ参照(同センターWeb)。

392の高校が参加し、約19万人の高校生が校内に設けられた投票所で投票した。

実際、政党討論会を取材したヘードマルク県エルブルム高校の投票結果はどうか。労働党25.8%、左派社会党17.3%、保守党14.5%、中央党10.1%、緑の党7.9%、進歩党7.3%、赤党5.5%、リベラリスト3.8%、自由党3.4%、キリスト教民主党3.4%。

エルブルム高校は、全国に比べて、左派社会党と中央党への支持者が多い。全校932人のうち855人が投票して、投票率91.7%という高さ。生徒会主催で、強制ではないことを考えると驚くべき参加度だ。

では、高校生はどんなふうに投票をするのか。

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9月4日、エルブルム高校を訪ねた。

この高校では、政党の討論会をしたホールに入るところに投票所が設けられていた。投票ブースは町中にある投票所と同様、カーテンでしっかりと閉められて手の動きなどは外から見えない(日本ではカーテンがないため背後から動きが見える)。ブースの中には20以上の政党の候補者リストが政党ごとに積まれていた。その候補者リストが投票用紙になるのだが、実際の投票用紙とまったく同じものだった。投票箱は、数年前、実際に町の選挙で使われていたものと同じだった。

投票管理は、投票する生徒の名前を書かせる人、投票のしかたを説明する人、スタンプを押して投票箱に入れるところを確かめる人など、事務すべてが生徒のみで行われていた。

彼女たちは、1週間前に先生からの「選挙の投票の管理をしたい人はいませんか」に答えたボランティアだという。「今日、午前中、投票事務のオリエンテーションを受けた」と1人が話してくれた。

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日本の人たちにノルウェー高校生の政治参加を見せたいからと話したら、投票者の流れが途絶えたときに、投票箱を囲んでポーズをとってくれた。下の写真だ。受付はベアテ・ビョルケホーレン(最右)、投票監視はミーナ・ハーセラン・バウゲルート(最左)とヘッダ・レグスタ・フースビュイ(右から3人目)、投票用紙への押印と投票箱への投函監視はアーダ・ベルゲ(右から2人目)。みな本物の選挙権を持つ高校3年生。「教員になりたい。そのために大学に進学する」という生徒がほとんどだった。

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ノルウェー全土の400に近い高校で、高校生がこんなふうに大人顔負けの政治参加をしているのだ。

この背景には、ノルウェーでは、学校での政治活動は民主主義養成に役立つと奨励されてきたことがある。集計管理を担う文部科学省の下部機関NSDは、スクール・エレクションを、「政治的ロールプレイである。生徒たちは、実際の行動を通じて、選挙や、政党、選挙事務局について体得し、この国の政治制度がどのように動いているかを知ることになる」と意義づける。

ノルウェーの民主主義度は世界で最も高いという調査がある。高校生たちの顔を見て、この座はしばらく揺るがないだろうな、と思った。

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by bekokuma321 | 2017-09-07 06:27 | ノルウェー