育休候補、大学生候補が国会議員になれる国(ノルウェー)

スクール・エレクションは、ノルウェー全土の高校で行われる“模擬投票”だ。でも、模擬投票という日本語からは想像できないほど重要な意義を持つ。

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スクール・エレクションは、一般投票日の1週間前に全土の高校で行われる。投票が終わるとただちに学校ごとに各政党の獲得票が集計されて、さらに全土の合計が出される。それを「待ってました」とばかりメディアはいっせいに報道する。それによって、政党関係者はもちろん、大人たちも、若者がどの政党をどの程度支持しているかを把握できる、これ以上ない選挙予測となる。

c0166264_0265260.jpgまた、スクール・エレクションの政党討論会は、生徒会主催とはいえ、各党の主要候補者が出席する。

たとえば、先日のエルブルム高校の政党討論会には、ヘードマルク県の保守党1番目の候補(写真左)、労働党2番目の候補(写真右下)が出席していた。

保守党候補は、現首相の顔を描いたシャツを着て熱弁をふるい、労働党候補は、シンボルの真っ赤なシャツを身に着けて堂々たる態度で聴衆をひきつけた。

c0166264_029237.jpgヘードマルク県の議員定数は7人。過去の選挙から見ると、7人のうちわけは、労働党3人、保守党1人、中央党1人、進歩党1人、左派社会党1人だ。よほどの事がない限り、この傾向は動かない。つまり、高校生の目の前にいるスピーカーの少なくとも2人は9月から国会議員なのだ。高校生が真剣なのもわかる気がする(一番上の写真参照)。

残念ながら、期待していた2人の女性候補には会えなかった。

1人は、労働党1番目の現国会議員アネッテ・トレッテバルグステューエン(36歳)。もう1人は中央党2番目のエミリー・エンガー・メール(24歳)。

c0166264_150530.jpgアネッテ(写真左)は来日して講演をしたことがあり、日本人にもなじみのある政治家だ。彼女は、同性愛を公表しており、同性愛者の権利擁護が主な活動のひとつ。同性愛の男ともだちの精子でセックスせずに妊娠したことを公表し、この夏、出産した。現在、育児休暇中のため、「選挙活動をいっさいしていないようです」と聞いた。

選挙運動をせずに、家で子どもの面倒を見ていても、リストの1番目彼女は、この9月、確実に国会議員となる。とはいえ、へードマルク労働党が彼女に全く不満がないとはいえないようだ。政党党首は選挙の全国的顔、一方、選挙区の政党の顔は候補者リスト1番目の候補が担うのが普通だからだ。

c0166264_1522877.jpg中央党のエミリー(写真右の女性)は、中央党党首(ヘードマルク中央党1番目、写真の男性)に代わって、ヘードマルク県中を回っているという。党首はメディア出演などで超多忙であり、選挙区に手が回らないのだ。彼女は、現役の大学生。オスロ大学法学部で勉学を続ける傍ら、ヘードマルク中央党青年部副部長として頭角を現してリストの2番に登載された。中央党の人気上昇が続くと、2人当選の可能性がある。すると、史上最も若い国会議員の誕生となる。

アネッテとエミリー。どちらも、比例代表制選挙でなければ、ありえない話だ。

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 ▲ノルウェーの投票用紙。20以上の政党が候補者リストを出す。そのリストが投票用紙となる。

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by bekokuma321 | 2017-08-30 00:54 | ノルウェー