2017年 08月 21日
バルセロナ襲撃事件
前日17日夕方、中心の繁華街ランブラス通りをワゴン車が突っ込み、14人が死亡、100人が負傷した。その恐怖と悲しみを乗り越えようとする、市民の行動だった。
報道によると、立錐の余地のないほどの市民が手の平をかかげて、「私は恐れない I’m not afraid」と声をあげて、テロに屈しないという市民の強い意志を世界に示した。
バルセロナ市長アダ・コラウAda Colauは、「恐怖を止めよう。ランブラス通りまで歩き続けよう、襲撃を非難し、犠牲者への連帯を示そう」とスピーチ。
バルセロナ市は急遽市議会を開き、全会一致で、市庁舎を19日、20日、朝10時から夜8時まで、弔問客に開放されることを決めたという。
アダ・コラウ市長は、「怒れる人たち」で知られる貧困撲滅運動家。平等と腐敗撲滅を掲げて政治家に立候補した異色の女性。2015年の選挙(比例代表制)で、バルセロナ初の女性市長に選出された。
彼女は市長就任にあたって、市長任期を最大2期に短縮、報酬を14万ユーロ(1700万円)から2万8千ユーロ(340万円)に減額、市長専用車の廃止、議会委員会出席した議員への報酬撤廃など、を次々に打ち出した。
日本の議員たちの私服肥やしにうんざりしていた私の心を強く揺さぶったことを覚えている。バルセロナを襲ったテロ事件への対応にも、市民の目線を失わない彼女の姿勢が垣間見られる。
■Barcelona isn’t afraid
■'I am not afraid': Barcelona vigil sends message of defiance
■日本のカネまみれ政治家からバルセロナを考える
■三木草子のバルセロナ・リポート
■怒れる人たち、スペイン政治の中枢に
【写真】Ada Colauのfacebook/Twitterより。左がAda Colau、右が弔問に訪れたマドリード市長