女性は男性に奉仕する者と決めつける宮城PR

c0166264_9584372.jpg宮城県の観光キャンペーンPR動画には、呆れた。

女性は、男性の性的欲求を満足させるもの、女性は男性に奉仕するために存在するもの、と言わんばかりだ。こうした思い込みは、性による役割固定化であり、性差別だということがわかっていないだろうか。

つくった宮城県知事はじめ観光行政に携わる幹部は、猛省してほしい。復興関係の公金2300万円を使ったと聞く。全額返還し、県民復興関係に直接役立つことに使うべきだ。

PR動画は、伊達家藩主末裔役の女性(壇蜜)に、「殿方に涼しいおもてなしをすること」が使命だと言わせる。着物姿できちんと正座した女性は、畳にごろんと寝そべった労働着姿の男性(ぬいぐるみ)をそっとなでまわす。装い・態度の男女の際立った相違は、見る人にさまざまなことを思わせる。

しかも、台詞がひどい。「(みやぎ)いっちゃおう」という女性のことばの語尾「お、お、お」という発音にかぶさって、女性の半開きの唇のみがアップにされる。男性は鼻血を出す。

さらに、竜宮城からヒントを得たらしき涼宮城(りょうぐうじょう)という造語を、あえて「よくじょう」としか聞こえないように女性に何度も言わせる。その後も、牛タンやずんだ餅という名産品を使って性的描写が繰り返される。

男性の性を満足させるような表現で明示・暗示して、男性観光客を引きつけようという魂胆が見え見えだ。品位に欠けること極まりない。一方、観光客の多くを占める女性は眼中にない。女性が不快感を覚えるのは当然だ。いや、男性は性的な満足をめざして観光に行くものと決めてかかっているのだから、心ある男性への侮辱でもある。女性はもちろんカップルでの観光も、これでは減るだろう。

1970年代から、女性運動団体は、こうした広告に抗議をしてきた。日本だけではなく、世界的潮流だった。こうした女性たちの声を受け、国連は、女性差別撤廃条約などさまざまな国際規約を策定してきた。日本も採択批准した。こうした国際規約を守るべき責務を持つのは、一義的には中央政府・地方政府だ。しかし、日本政府はまともに啓発や研修に取り組んできていないため、こうした広告が野放しだ。

このような動画が2度と流されないよう、宮城県幹部ならびに職員は、少なくとも、「国連第4回世界女性会議行動綱領234条~245条「J 女性とメディア」をよく読み、研修を徹底すべきだ(注)。


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【注】最近イギリスの広告標準局から出た報告書「広告におけるジェンダーのステレオタイピング」では、ジェンダーによる決めつけを6種類あげて調査して警告している。6つとは、①ある特定のジェンダーに関連づけた職業や職種  ②ある特定のジェンダーに関連づけた特徴や動作  ③固定的性役割とはいえない言動をとる人、またはそう見える人をバカにする  ④際立って性的な方法で人を描写する  ⑤人の体や体の一部を特別に指摘して表現する  ⑥健全とはいえない体のイメージを描写する
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by bekokuma321 | 2017-07-28 20:08 | その他