2017年 06月 29日
詩織さんを応援します
◆◆◆◆ 詩織さんを応援し、性暴力犯罪を起訴・処罰することを求めます ◆◆◆◆
東京検察審査会 担当審査会会長様
東京地方検察庁 検事正 堺徹様
東京地方裁判所長 奥田正昭様
5月29日、東京・霞が関の司法クラブで詩織さんが記者会見を行いました。詩織さんと面識のあるジャーナリスト山口敬之氏を準強姦の容疑で訴え、東京地方検察庁により不起訴となったことに対して、検察審査会に不服申し立てするものでした。
私たちは、詩織さんの勇気に心からの拍手を送り、不起訴処分に強く抗議するとともに、検察審査会での公正な審査を求めます。
強姦は面識のある相手が加害者であることが多いというデ―タがあります。しかし、知り合いからの性暴力被害について、実名を明らかにして訴えることは、日本社会では極めて困難です。視聴した会見報道によると、詩織さんは実名を出し大勢の記者団をまっすぐに見つめて、こう訴えていました。
「本当に変わるべきは一般的な考え方。こういう事件に遭ったら恥ずかしい、黙っていた方がいい、君が傷つくだけ、と言われる」「取り調べ中も被害者らしく振る舞いなさいと言われたが、被害者が悲しい、弱い、隠れなきゃいけないという状態にあることに疑問を感じた」「性犯罪の被害者が隠れていなければならない現状を変えたい」。
詩織さんの力強さに、性暴力にあって声を上げられないでいる多くの人々が励まされていると私たちは考えます。
私たち全国フェミニスト議員連盟は、1992年以来、女性の政治参画を推進し、女性の声を政治に反映することで、誰もが尊重される多様で平等な社会の形成をめざし活動をする、市民と議員の団体です。これまでも、メディア等で繰り返される「性暴力表現」「性の商品化」などを問題にし、“性暴力許容文化”を許さない姿勢を示してきました。また、政府や自治体に対し、性犯罪防止につながるまちづくり、法制度の改善、性犯罪にあった当事者や家族への支援体制を求める活動をしてきました。
女性向けインターネットサイト「ウートピ」の調査では、回答者の1/3が性暴力を受けたことがあると答えています。一方で、内閣府調査によると、女性で、異性から無理やり性交された経験を「あった」と回答した6.5%のうち、「相談しなかった」人は67.5%。「相談した」31.6%のうち「警察」に相談したのは、わずか4.3%だけです(2014年度)。性暴力犯罪にあった人に対する法的な権利保障や支援体制が不十分であるうえ、被害者にも非があったなどの偏見による“二次被害”が多いからだと考えられます。
多くの「詩織さん」を孤立させず、被害から回復に至るまで当事者中心の支援体制の充実を政府、自治体に求めていくことを、私たちは誓います。加えて、このたびの改正刑法は、告訴しなくても起訴できるようになったこと、厳罰化されたことなど画期的ですが、暴行・脅迫要件が残ったため被害者の抵抗が要求されることや、時効制度も手つかずであるなど課題が指摘されています。3年後の見直しを待たず一刻も早い更なる改正を求めます。
なによりも詩織さんの被害を「なかったこと」にさせてはなりません。私たちは、詩織さんに対する性暴力が犯罪として認められ、加害者が厳正に処罰されることを、関係三機関の皆さまに強く訴えます。
2017年6月21日
全国フェミニスト議員連盟
共同代表 ひぐちのりこ(宮城県仙台市議)
同 上 日向美砂子(東京都小平市議)
事務局 小磯妙子(神奈川県茅ケ崎市議)
■詩織さんの告発