2017年 06月 10日
胃袋から考える政治:食料と抗生物質
「このテレビは、ノルウェーの農産物にとって朗報です。さまざまな理由から、ノルウェーの食糧生産には規制が多い。とくに抗生物質は危険だから規制すべきです。ノルウェーだけでなく、すべての国の政治が、食料生産において、抗生物質や薬剤の使用をきびしく規制することが重要です」
友人が見たのは、スウェーデン・テレビ(SVT)でFriktionという、日ごろ社会で問題となっているテーマを報道するドキュメンタリー番組シリーズだ。
そのプログラムは、スウェーデンの学者が、食べ物にどれだけ抗生物質や薬剤が使われているかをわかりやすく、8カ国で比較をしていた。もっとも安全とされた国がノルウェーだった。
1kgあたり、ノルウェーは4mg、スウェーデンは13mgだ。アメリカは180mgというからスウェーデンの10倍以上だ。しかし、「中国は統計がとれていないので不明」というのでさらに怖い。
日本はどうなのだろうか。食べ物は健康に直結する。健康は基本的人権であり、守るのは政治だ。しかし、東京都の市場問題を見ても、この国の政治家は、私腹を肥やすだけで、私たちの胃袋や人権を考えてくれそうもない。
■Friktion: Antibiotika (SVTの動画。スウェーデン語知識がなくてもわかりやすい。上の写真は動画の接写)
■食品中に残留する抗生物質の検査
■民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位(Economist Intelligence UnitによるDemocracy Index2016)