2017年 05月 17日
支配者が使う五つの手口
開けたら『支配者が使う五つの手口』というベリット・オースの名著のミニ本が出てきた。「最近、バルセロナで出版されたカタルーニャ語版です。100冊送られてきたので、1冊マリ子に送ります」。
それで思い出したのが、大阪豊中市男女共同参画推進センターすてっぷの館内を飾った『支配者が使う五つの手口』のポスターだ。
スウェーデン・ヴェクショー市男女平等委員会が作成した『支配者が使う五つの手口』の冊子とDVDを持っていた私は、その表紙を拡大コピーして、大勢の人の目につくところに飾りたいと思った。
すてっぷ館長だった私は、作成者のスウェーデン・ヴェクショー市男女平等委員会に、長いお願いの手紙を書いた。ほどなくスウェーデンから承諾の返事が来た。小躍りしながら、さっそくパネルにして館内に展示した。
さて、ベリット・オースは、「クオータ制」の産みの親だ。1970年代初め、ノルウェーのミニ政党の党首に就任した。彼女は、さっそく党規約にクオータ制を入れた。彼女の実践したクオータ制は、他党をも動かした。80年代になると、労働党の首相グロ・H・ブルントラントが閣僚人事にクオータ制をいれ、大臣の40%を女性にした。ニュースは世界をかけめぐり、日本にも届いた。
ベリットを世界的に有名にしたのは、実は、クオータ制よりも、ポスターの原典である『支配者が使う五つの手口』だ。ベリットは、自身の体験を社会心理学で分析して、男性が女性から自信を奪うテクニックを5つに分類したのだ。
「1 無視する」「2 からかう」「3 情報を与えない」「4 どっちに転んでもダメ」「5 罪をきせ恥をかかせる」。
ほとんどの支配層は、あらゆる被支配層にこの5つを使う、とベリットは言っているが、テレビで安倍首相の答弁を聞いていたら、まさしく、と思った。
続きは、「叫ぶ芸術―ポスターに見る世界の女たち―第46回 支配者が使う五つの手口(北欧ほか世界各国)」をどうぞ。
■叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち (I 女のしんぶん)
■ベリット・オース、豊中市、日本会議
■ベリット・オース「支配者が使う5つの手口」
■ベリット・オース、80歳の闘い