2017年 03月 21日
反トランプと子猫ちゃん帽
ドナルド・トランプの下劣な言動には、私も虫唾が走った。
公的健康保険の廃止、妊娠中絶反対、イスラム教徒差別、メキシコとの国境に壁、銃規制緩和、テロ容疑者への拷問容認…。
さらには、大勢の前で、障害を持つニューヨークタイムズ記者の物まねをして彼をあざける。辛辣な質問をした女性ジャーナリストに対して、「彼女のどこからであれ、血が出ていた」とからかう。
あげくの果てに、「スターなら、女に何でもできる。女性器をつかんだり、な」と、彼が友人に告げた言葉がワシントンポストに公表された。
バカにされっぱなしでたまるか。アメリカの女たちは、トランプのアメリカ大統領就任式の翌日にワシントンでデモをしようと決めた。
英語の女性器(Pussy)は、子猫という意味でもある。「女性器をつかめ」に対抗して、子猫の形のニット帽をかぶるのはどうかしら。帽子の色は「女の子はピンク」と決めつけてきたんだから、ピンクはどうかしら。
こんなおしゃべりが、ネットを通して世界に広まった。名付けて「子猫ちゃん帽プロジェクト」。
そして、1月21日のアメリカの首都、ワシントン。通りという通りは、ピンクのニット帽で埋まった。「さあ、どうだ、つかめるならつかんでみろ」と。
その子猫ちゃん帽プロジェクトのポスターがこれだ。ポスターには、「女性の権利は人権である」と書かれていて、中央の動詞ARE(=である)がピンクの毛糸で描かれている。その毛糸で編んだ小さなピンクのニット帽が2つ見える。
「子猫ちゃん帽プロジェクト」は1月21日だけで終わらなかった。3月8日の国際女性デ―には、日本でも「子猫ちゃん帽」をかぶった女性たちでいっぱいだった。
「子猫ちゃん帽プロジェクト」をもっと知りたい方は、叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち 第44回:反トランプ480万人のデモ」をどうぞ。
■女たちのワシントン行進とPussyhat