2017年 02月 02日
唯一の女性議員、町を相手に勝訴
西岡前議員は、2012年の町議会選挙で町民から正当に選ばれた。しかし2014年8月以来、議員の資格を剥奪されていた。今回の判決で、議会に戻れることがほぼ確実となった。
議員資格剥奪決定をしたのは、町議会の「資格審査委員会」。「水道、電気、ガスの使い方が少ないので町内に住んでいないに違いない、だから議員資格はない」などという理由だった。
審査には、西岡さんを支持する人たちが大勢かけつけ傍聴席から見守ったという。 徳島県の女性議員を増やす活動をしてきた諏訪公子さん、高開千代子さんらに、議員剥奪が決定された当時、取材した。
「西岡議員は町長に反対する議員の1人で、多数派から目の敵にされてきたようだ」と話してくれた。意見の違いがあってこそ民主主義。排除などとんでもない話だ。しかし光熱費が余りに少ないこと以外に議員資格剥奪につながる理由がないことを考えると、ありえなくもない。
しかし西岡前議員は、それに泣き寝入りしなかった。そして2015年、議員資格停止取り消しを求めて地裁に提訴。一審は勝訴したが、町は控訴した。
その藍住町に、高裁から敗訴の判決が下った。「自宅は日常生活の中心的な場所であったと認められ、被選挙権の住所要件を欠いているとは言えない」
西岡前議員は、「うれしい。もう上告しないでほしい 。もうこれ以上生産性のないことに議会の労力を費やさないでほしい。まったくの無駄。本来の議会のあるべき姿を望みます」
■西岡議員、勝訴
■まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件
【注】2012年に当選した西岡議員は、2014年に議員資格を剥奪された。それを不服とした西岡前議員は、2015年に町を提訴した。裁判とは別に、2016年にまた町議選があり、西岡前議員は、町を相手に法廷で闘いながらも立候補して見事、当選した。つまり、2014年から2016年まで議員資格を剥奪されていたが、高裁の判決によって、「その間も議員だった」と認められた。身分に関しては、提訴時は、西岡前議員だったが、現在は現職議員であり、誤解を招く表現だったことをお詫びする。