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強姦事件を「ニュース・イベント情報」に載せた千葉大

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千葉大生3人が集団強姦事件を起こして逮捕された。彼らの氏名や内容がまだ明らかにされていない。事件の概要は:

「女性に集団で性的暴行を加えたなどとして、千葉県警は21日、千葉大学医学部(千葉市中央区)の20代の男子学生3人を集団強姦(ごうかん)致傷の疑いで逮捕した。関係者への取材で分かった。関係者によると、3人は共同して9月下旬、千葉市内で女性に集団で性的暴行を加え、けがを負わせた疑いがある。飲食店で女性に酒を飲ませて泥酔させ、店内で集団で性的暴行をした後、うち1人の自宅に女性を連れて行き、集団で性的暴行を加えたという。女性が県警に相談していた」(2016年11月22日の朝日Web)

悪辣極まりない性暴力だ。なぜ千葉県警は事件の加害者を公表しないのか。まったく不可解だ。

さきほどTBSの報道を見た。そのなかで、NPO「しあわせなみだ」の中野宏美理事長は、こう語っている。性暴力の根絶をめざして、被害者支援を続けてきた人ならではの意見だ。

「被害を経験した女性たちがどのような思いで警察に届け出たかをきちんと考えてほしい。多くの、暴力を経験した人が望んでいるのは、加害者が罪を認め、謝罪し、更生する、つまり、ニ度と加害をしないことなんです。きちんと事件として(被害者が)裁いてもらうことを希望しているのであれば、なぜ、公表しなかったのかをきちんと説明する理由があると思います」

一方、警察は、加害者を逮捕し身柄拘束しているのに、彼らの氏名を公表しない。時が過ぎ、ネットでは憶測が飛び交っている。百田尚樹氏は、「犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする」などと、ツイッタ―した。彼の横顔をひっぱたいてやりたいくらいだ。

強姦の被害は、9月下旬だったそうだ。強姦被害にあった女性は、警察に駆け込むまで、どれだけ苦しみ悩んだことだろう。「あのとき、私がこうしていれば・・・」と自暴自棄になったかもしれない。「親に知られたら親はどう思うだろう」と心配したかもしれない。こうして、いくどもいきつもどりつして、やっと警察に届けようと、一歩踏み出したのだ。この一歩に至るまでの長い道のり。よく考えてほしい。

千葉大はどうか。大学のホームページを見た。表紙下のほうのNEWS欄にある6つのなかに、「本学学生の逮捕に関する報道について」が置かれている。クリックすると別ページ「ニュース・イベント情報」に移る。そこに「このたび、本学学生の逮捕に関する報道」に対して「誠に遺憾であり、心よりお詫び」すると書かれている(上の写真)。

「ニュース・イベント情報」にカテゴライズした無神経さに驚かされた。それになんとまあ、短いことよ。しかも中身は報道されてしまったことへの、お詫びではないか。「調査委員会」を設置したと弁明しているだけで、大学として、重大な事件だととらえているようにはとても見えない。

詳細はまだとしても、現時点で言えることはもっとあるはずだ。大学が、性暴力に対してどう考え、どういう対策をとってきたか、もしも性暴力が事実ならどう対処するか、など断固とした姿勢を示すべきである。それが教育者のやることだ。そもそも、どの大学にもセクハラや性暴力対策室があってしかるべきなのだが、いったいどうなっているのだろう。

大学、警察に限らず、この国は、女性への性暴力への対応があまりに軽すぎる。これでは、性暴力を受けた女性のわずか4.3%しか警察に相談しない、のもよくわかる。


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by bekokuma321 | 2016-12-04 18:48 | その他