ダウン症の人には「何でもやれる能力がある」

ダウン症の人「毎日幸せ」9割超――今朝の朝日新聞の見出しだ。私まで幸せな気分になった。

知的発達の遅れや心疾患を伴うことの多いダウン症だが、「豊かな感性や知性を発揮して活躍する人も多い」という。記事(岡崎明子)を読みながら、2011年秋、ノルウェーで出会ったニュースがよみがえってきた。

ノルウェーでは地方議会選挙と同時に、キリスト教区議会議員の選挙も行われる。その教区議員に初当選したダウン症の女性が紹介されていた。

当時の報道によると、教区議会に当選した女性はハンナ・アースタ(Hanne Aarstad, 29歳)。オスロの南部にあるフレデリスタに1人で住んでいるワーキング・ウーマンだ(注1)。小・中学生向けキリスト教クラブの指導者をつとめている。

フレデリスタを含むキリスト教教区の議会の議員候補になってほしいと言われた彼女は、すぐ「いいですよ」と。「とてもわくわくするような、挑戦的な仕事だと思ったから」だという。

取材に応えた彼女の言葉をいくつか和訳してみた。

「ダウン症がくれたチャンスを生かすことは重要なことです」

「あまり自分がダウン症だと感じたことはないのです。多くの人は私をずっと他の人と同じように見てきたと思うし、私も自分の症状のことばかり考えてはいません。中学の頃は考えましたが、今は、あまり考えることではありません」

「私はごく普通のワーキング・ウーマンです」

「私たちには何でもやれる能力があります。することに少し時間がかかりはしますが」

「議員に当選して、今日は自分にケーキを買って自分にお祝いをします。教区議員の仕事については今はまだよくわかりません。でも、教会をよくするために何ができるか考えたいです」

「私に、議員候補になってほしいと声をかけてくれたことに感謝します。ソーシャル・インクル―ジョン(障がい者などが社会に溶け込むこと)には、必要なことです」

ドキリとさせられる珠玉の言葉の数々。ノルウェーの徹底した平等教育の賜物に違いない(注2)。


【注1】ハンナは、2003年ごろ、FASVO社でサンドイッチなどを作る仕事をしていた。FASVOはフレデリスタ市が出資して1993年に創設された会社。日本でいうハローワークと連携しながら、障害の具合に適応した就業形態をつくりあげて、障がい者を雇用している。訓練のほか、パン、ケーキ製造販売や宅配、カフェテリア経営など、いろいろ。

【注2】ノルウェーには、障害を持つ子だけを集めた特別の学校はない。他の生徒と同じように一般の学校に入学して学習する。大きな特徴はその生徒に補助教員がつくことだ。しかし心身障害の程度もさまざまであり、教科によって対応が難しかったり、教員不足だったり、問題がないとはいえず絶えず議論されているようだ。ハンナは、Glemmen videregående skole卒業と書いているが、これは一般の高校である。

Til topps med Downs syndrom
日本ダウン症協会
Norsk Nettverk For Down Syndrom
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          ▲ノルウェーのStave Church.(本文とは関係ありません)
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by bekokuma321 | 2016-11-24 23:56 | ノルウェー