2016年 11月 15日
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
もし日本で主権者教育が高校生になされているならばの話ですが、その主権者教育には「どんな選挙制度があるか、その比較やプラス・マイナス」を取り上げるべきです。現行の、小選挙区中心の選挙制度を前提した教育ではダメだと思います。
FEM-NEWSの読者に高校教員がいたら、僕に連絡してください。三井さんが作成したレジメをお渡します。そのレジュメにある「1: 小選挙区制は悪い制度である」 「2: 民意を反映する選挙は比例代表制」 を生徒に知らせて、こういう意見があるが、どう考えるかと、みなで議論をすることが今、きわめて大事だと思います。
議論の参考資料として、ノウェーの比例代表制選挙をわかりやすく説明した、「3~6:女子高校生議員」 「7: スクールエレクション」 「10: 選挙は人を選ぶのではなく政党を選ぶ」などを見せるといいと思います。
ノルウェーの投票は人に入れるのではなく政党に入れるのですから、候補者は名前や顔を売る必要が全くないため、候補者に1円の負担もかかりません。選挙期間もなく、戸別訪問や政策討論会がメインですから、日本の選挙戦での騒がしすぎる名前の連呼をしなくてもよい。地方議員は完全ボランティア(無報酬)ですから、さまざまな職業の人や学生が議員になって、多様な意見がとりいれられる。代理議員がいるから、現職議員は休職して出産、介護、病気治療などを当たり前にできる。
こういう具体的なノルウェーの事実を知ると、日本とノルウェー、どちらが人に優しい選挙制度なのか、を生徒たちは自然に理解すると思います。
「集団的自衛権」「TPP」「原発」といった課題を学校で扱うことは大切ではありますが、党派的に偏ることを恐れる教員たちが敬遠してしまいがちです。しかし、「どんな選挙制度があるか? その選挙制度のプラス・マイナスは?」は公共的領域の問題であり、政治的に「中立」ですので、学校で扱いやすいのではないでしょうか。
もちろん「全ての議会を人口比と同様に男女半々にする」ことを世界が目標にしているときに、日本では約370自治体にただの1人も女性議員がいないことを、生徒たちに知らせて、なぜなのか、どうすべきかを議論させて欲しいです。かならず選挙制度に行きつきます。
「選挙制度を変えること」と、理想的政治に一歩近づくこととは因果関係があります。もしこれを読んでいる高校教師のかたがいたら、頑張って下さいね
田口 房雄(元公立中学校・社会科教師)
連絡先:danjyohanhan-gikai(A)docomo.ne.jp (A)を@に変えてください。
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