イラク移民の少女が国会議員有力候補になれる国

来年はノルウェー国会議員選挙がある。それに向けて、今秋、県の政党は候補者リスト原案を固める。

最大の選挙区はオスロで、19議席ある。そのなかで最も票をとる政党は労働党。そのオスロ労働党がやっと候補者(原案)を決めたようだ。

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ノルウェー国会

オスロの国会議員定数19をめぐって8,9政党がしのぎを削る。比例代表制なので政党の獲得率に比例して議席数が決まるのだが、労働党はだいたい6議席をとっているので、6番目までは「安全地帯 safe seat」だ(注)。

そのオスロ労働党1番から6番まで、誰になるのか、さまざまな憶測が飛んでいた。というのも、首相だったイエンス・ストルテンベルグの引退に加え、ベテラン女性議員マリット・ニーバックが引退し、パキスタン系の女性国会議員ハディア・タジク(労働党副党首)が地方に移籍することになり、新人の入り込む余地が多いからだ。

ノルウェーのメディアや友人らの話によると、前首相に代わる1番は、党首ヨーナス・ガール・ストーレ(元外務大臣)と動かない。問題は、女性国会議員2人の空席を誰が埋めるからしい。少数派の女性を探しているのだという。

そして、今日、メディアでオスロ労働党の候補者リスト案が公表された。6番目までを見ると、性別は、男→女→男→女→男→女の順番となっていた。

1位ヨーナス・ガール・ストーレ(党首、前外相)は予想通りだった。2位マリアンヌ・マッテンシェン(国会議員)、3位ヤン・ブーリル(国会議員)、4位シーリ・ゲ・ストーレセン(国会議員)、5位エスプン・バース・アイダ(前外務大臣)、6位サイネブ・アル=サマライ(弁護士)だ。

感心したのは、6位にサイネブ・アル=サマライをすべりこませたことだ。

彼女は、典型的少数派イラク系ノルウェー人だ。7歳のとき、ノルウェーにやってきたイラク移民の家庭に育ったという。現在は弁護士として活躍し、オスロ市議会代理議員に選ばれている。ハディア・タジク(労働党副党首)もそうだが、サイネブ・アル=サマライは、移民家庭の子どもであっても最高レベルの教育を受けてきた。これは、ノルウェーでは教育費が小学校から大学院まで無料であるからだろう。

そして、繰り返しになるが、政党中心の比例代表制選挙だからこそ、彼女のような女性が国会議員の有力候補になれるのである。


Espen Barth Eide gjør comeback i norsk politikk
あざやかな歴史
何と爽やかなノルウェーの選挙!
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
小選挙区制は女性の声を捨て去る
2014衆院選 比例制に変えるしかない
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】政党は、候補者リストにできるだけ多くの候補者名を載せ、広範囲の集票を期待する。2013年の国政選挙で、オスロ労働党の候補者リストは25人(定数19+6)だった。男13人 (52.0%) 、女12 (48.0%) とクオータ制を守っている。 最高齢74 歳、 最年少20 歳、平均45歳と年代も広い。日本の実態からすると議員は市民の代表という基本を堅持しているように見える。しかし、ノルウェーの新聞には、政治家や政党関係の職業が多く、一般市民の代表とはいえないと厳しく批判した記事もあった。
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オスロ労働党が10月末に公表したオスロ選挙区の候補者リスト原案。7番から25番までは割愛。意見があれば1ヶ月以内に出せる。その後、「候補者選定委員会」で議論・決定され、年内には2017年秋の国政選挙候補が確定する
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by bekokuma321 | 2016-11-02 18:38 | ノルウェー