民進党代表選と「参院選東北5県の野党勝利」

民進党代表選がもうじきだ。候補者が3人になったが、2人目に続き、3人目もまた、「野党共闘」の見直しを掲げている。「野党共闘」なしに、政権交代への道を歩めると考えているとしたら、とんでもない思いあがりだと私には思える。

「東北」を見よ。東北6県中、5県で「野党統一候補」が勝利した。「野党共闘」のたまものだった。

さて、この東北6県中、唯一野党統一候補が落選したのは、秋田県だった。当選を決めた他の5県同様、秋田も野党統一候補であったにも関わらず、である。

その千載一遇のチャンスを逃したのは、民進党の松浦大悟さんである。松浦さんは、2012年の衆院選で、三井マリ子さんを公認候補にと説得して、秋田にひっぱってきた民主党秋田(当時。今は民進党秋田)の代表だ。

彼は、三井さんの選挙対策組織の代表となって選挙をとり仕切った。選挙後、三井さんは、松浦代表らの言動や会計処理に不審を抱く。度重なる質問を書き送っても回答を得られなかったことから、三井さんは彼の秘書の刑事告発に至る。秘書は「書類送検」された。

その捜査過程で、松浦代表が懇意にする民主党秋田の幹部らが、ポスター貼り労賃を横領着服したことが判明した。こちらは、警察によって検察庁に書類送検された。この2件の刑事事件は、秋田で、たびたび大きく報道された。

同時に三井さんは、民事訴訟を起こした。被告は松浦大悟さんだ。結局、松浦被告は、三井さんに対して行った“不適切な言動”を詫びたことから、「和解」で終わった。

その和解書面で、裁判長は、「(三井原告が)不適切な対応を受けて人間としての尊厳を踏みにじられたと主張したことは理解できないものではない」と述べて、三井さんに寄り添った。「松浦被告側は、選挙収支報告書を見せなかった」「政党交付金が入金される口座について説明したとはいえない」などとも書かれていた。

民事裁判は3年続いた。三井さんを支援する秋田県民と、女性運動つながりの私たち県外支援者は、裁判の開廷日ごとに、秋田市の官庁街でチラシ配布を続けた。マスコミも記者会見に来てくれて、報道されない日はほぼなかった。

その被告席に座った松浦大悟さんを、何ごともなかったかのように早々と参院選の「公認」に決めたのが民進党である。公認されたことによって松浦さんには、国民の血税であるウン千万円もの政党交付金が投入され、党幹部が次々に応援にはいった。

では、民進党前参議院議員による「女性蔑視」と見なして闘ってきた私たちの、この闘いは、何の意味も持たなかったのか。

いや、既述したように、参院選の野党勝利は、“秋田を除く東北5県”だった。この結果は、私たちの微力な運動が、秋田県民のハートに何らかの影響を与えたことを示唆している。

三井さんと同時期に、東京で立候補した民主党公認候補がいる。太田順子さんという女性の新人候補だ。彼女のホームページには、「民進党に抗議します」とある。少し長いが、正確を期してそのまま引用する。

「太田順子の口座には5百1万100円がありましたが、通帳が戻ってきた際の残金は20万9千260円でした。太田順子後援会には900万100円ありましたが、戻ってきた際は、67万7千244円でした。私は戻ってきた通帳の残金から、選挙事務所の電話代、レンタル備品代、選挙カーの修理代、そして精査のための弁護士費用等を支払いました。」

「選挙後、次の選挙に使える私の手元に残ったものは、8万円のパソコンと安価なコピー機と、百円ショップの事務用品だけでした。もともと、私は別選挙区で出馬予定でしたが、党の方針により解散後に東京11区にまわされたため、選挙期間は実質1か月もない状態であり、1か月弱で1,400万円以上が消失する選挙はおかしいと思っております。」

これらを読むと、政党交付金について無知な新人女性をくどいて、公認候補にしたてあげて、その公認候補に出た政党交付金を自分たちに都合のいいように使ったり貯め込んだりしているのは、旧民主党・現民進党の全党的な体質なのか、と疑いたくもなる。

そうは思いたくないし、信頼できる民進党議員もいる。しかし、政党交付金という公金に群がるハイエナのごとくに見える男性議員らの振る舞いは、その疑いが表れた時点で、党として真正面から事実を調査して、猛省のうえ、対処すべきである。

誰が代表となったら、こうした党内の重大問題にメスを入れるようになるだろうか。そうした視点からも、民進党代表選挙を見守りたい。

岡田ふさ子(さみどりの会* 事務局)

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  ▲裁判報告会にて、近江直人弁護士(三井代理人)の解説を聞く記者や市民(秋田市内)


参院選2016 みちのくの民意 
党として説明責任がある「秋田政党交付金裁判」

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(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。さみどりの会ホームページは選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイト。裁判は2015年11月和解で終わった
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by bekokuma321 | 2016-09-07 10:07 | 秋田