結婚と姓

ジューン・ブライドの言葉どおり、6月はヨーロッパでは結婚シーズンだ。ノルウェーもそうだ。

ノルウェー統計局が、結婚と姓について調査した。

女性の46%は、自分の姓をミドルネームにして、男性の姓を付け加えた。34%は、女性の前の姓から男性の姓にした。女性の20%は自分の姓を変えなかった。一方、男性の93%は、結婚しても姓を変えなかった。

報道によると女性が自分の姓を変える傾向が増えているという。その傾向に、こんな論争が起きている。

NRK(ノルウェー公共放送)のリブ・ネルヴィク(Live Nelvik) は、「この時代におかしいです」と驚きを隠さない。数年前結婚したばかりの彼女は、こう語る。

「私はリブ・ネルヴィクです。ですからリブ・ネルヴィクで通したい」

「私が私であることと名前は結びついています。名前はアイデンテティそのものです。ロマンチックな感情で名前を変えるのはばかばかしいです」

「友人からひどい話を聞きました。彼女は、結婚して、別の姓に変えた。でも離婚して、また元の姓に変えたのです。このような経験をしたら、誰でも、結婚したからといって姓を変えるべきではないと思うはずです。結婚が永遠に続くなんて、何の保証もないのです」

これに異論を持つ女性もいる。調査をしたノルウェー統計局のチューリッド・ノアックだ。

彼女は、「このごろは、60年代や70年代のように、姓の選択は男女平等の証であるという意味を持っていません。2人が同じ姓にすることは、それまでの同棲生活に区切りをつけて、一緒に新しい家族をつくったというシンボルにすぎません。それを最近の若い人は重要視しているのです」

実際、ノルウェーでは、カップルの30%が結婚せずに同棲している。20代では同棲のほうが多い。

日本は、まず、夫婦別姓を選べない。法律が夫婦同姓を強制している珍奇な国だ。女性が日本の議会にあまりにも少ないことをこれほど雄弁に物語る例はない(注)。

で、現実は? 日本女性の9割が男性の姓に変えている。リブ・ネルヴィク流にいえば、日本女性の9割が自分のアイデンテティを捨てている。

Bare bruden bytter navn
Navnebytte viser skifte fra samboerskap

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▲ノルウェーの結婚式

【注:ノルウェーは、1964年、個人氏名法が施行されて、女性は結婚後も元の氏を名乗れるようになり、子どもは父母どちらの苗字でもよくなった。1980年、個人氏名法が改正されて、出生後、半年以内に届け出がない子どもの苗字は母親の苗字となるとされた(明石書店『ノルウェーを変えた髭のノラ』p256~p257)】
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by bekokuma321 | 2016-07-02 01:14 | ノルウェー