日本会議的政治と闘った裁判の記録:『バックラッシュの生贄』

c0166264_131365.jpg『バックラッシュの生贄』(三井マリ子・浅倉むつ子編、旬報社)を読んだ。フェミニスト館長を雇止めしたバックラッシュ勢力を相手に裁判をして、最高裁で勝つまでの記録である。

私が著者の三井マリ子さんに初めて会ったのは、2001年8月に高知市で開かれた「全国フェミニスト議員連盟」の夏合宿だった。ボーイッシュでカッコいい女性という印象だった。

同年の春に愛媛県のある町の町議になった私は、4年に満たない町議時代に、三井さんを愛媛県知事にという運動が沸き起こり、私も様々な場所で三井さんと会う機会があった。私はその後、合併後の新町長選に立候補して落選。次に新町議選にも落選した。三井さんが大阪府豊中市の男女共同参画センター「すてっぷ」館長をしていた時期と私が町議をしていた時期は、だいたい一致している。

『バックラッシュの生贄』のあとがきで、三井さんは、提訴を決意した時に、かねてから気になっていたドイツのラーフェンスブリュックにある女性だけの強制収容所を訪ねたことを書いている。虐殺された女性たちの無念の場所に立った三井さんは、彼女たちから勇気と励ましを与えられたに違いない。

しかし、提訴までどれだけ三井さんが苦しんだか、身体中に湿疹ができ、それがアザのように残ったという事実が如実に物語る。人間は弱い動物だ。でも、どんなに弱い動物でも、闘わなければならないときはある。時代を覆う不正で理不尽な同調圧力に屈してしまっては、計り知れないほど大きな禍根を残すことになる。

三井さんを首にしようと画策した市議会議員やその後援会会長は、日本会議系列の人物だったという。日本会議まで視野に入れて闘ったことに、深い敬意と感謝の気持ちを表したい。

岩崎 美枝子(元地方議会議員)


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by bekokuma321 | 2016-06-26 15:19 | その他