イクメン議員辞職とマタハラ

妻の妊娠中に、別の女性と「不適切な行為」をしていたとして宮崎謙介衆議院議員(自民党)が議員辞職した。彼の不誠実な言動の数々を知ると、辞職は当然だと思った。

イクメンとして名をはせた彼の妻は改憲派の金子恵美衆院議員(自民党)だ。彼女は、彼に三行半をつきつけないのだろうか。

それはともかく、日本で育児休業をとれる男性はほとんどおらず、彼は、その旗振り役としてメディアで大受け。次の選挙は悠々当選と思われるほど名前を売った。

私は、男性も、どんな職業についていようと、育児休業をとって家事育児に大いに参加してほしいと考えている。だから、結婚後もほとんどの女性が働き続ける北欧の男性たちの、家事育児参加ぶり、それをサポートする法制度を紹介してきた。さまざまな職業の男性が、10週間以上も育児休業をとる。議員もその一員だ。

日本で、国会議員は、他の労働者に比べて余りに恵まれ過ぎている。給料(歳費)だけ見ても、相当のものだ。日本の国会議員は、年2200万円。アメリカの1500万円より多く、イギリス970万円の倍以上だ。特権階級といえる。だから、「ちょっと待ってよ、宮崎君、育休の前にやること、あるでしょ」と嫌みのひとつもいいたくなる。

その国会議員なら、日本で、やっと社会問題になったマタハラを知らないなどとは言わせない。働く女性の多くが、妊娠出産と言ったとたんに嫌がらせを受ける--マタ―ニティ・ハラスメントだ。

厚生省の調査では正社員が21.8%で5人に1人、派遣社員は48.7%で2人に1人が、「マタハラ」を経験している。「マタハラNet」の調査では、非正規で働いたことのある女性の4分の3が「出産後も働き続けたい」という希望がかなわなかったという。雇い止めにあったのだ。

日本には、正規職員と非正規職員が混在して働く職場が多くある。そんな職場では、正規職の男性が「育児休業をとった」ことで、勇気ある行動だと称賛され、その隣で働く非正規職の女性は、妊娠出産をあきらめたりする。同じ職場ゆえ、残酷すぎる。

女性が家庭と仕事を両立することのシンドサに少しでも思いをはせるなら、日本の国会議員として、まず、産休・育休がとれる女性が増えるよう、労働政策の変革にメスを入れるべきであろう。

イクメン議員辞職を機に、国会で、「産休・育休がとれない非正規を減らそう」という議論が広がってほしい。

ちなみに、北欧ノルウェーの「パパ・クオータ」(父親だけの育児休業期間)を私が日本に初めて紹介したのは、1995年の『ママは大臣 パパ育児』(明石書店)だった。男性国会議員で初めて育児休業をとったのは、1977年で、オッド・アイナル・ドールム(自由党)だった(『ノルウェーを変えた髭のノラ』より)。

c0166264_024034.jpg
  ▲イチゴを口の中で小さくほぐしてから子どもにあげるノルウェーのパパ(IT企業に働く彼は外交官の妻が働いている期間、育休をとった)

育休雇止めと闘って
MPs pay
妊娠した女性が差別される国、されない国
父の日に
世界で最も家事をしない男性は日本人
パパ・クオータ、7月1日から14週間に
ノルウェー家族政策の礎を築いたカリン・ストルテンベルグ
マタハラNet
[PR]
by bekokuma321 | 2016-02-15 00:45 | その他