女性の有償労働への促進をうたうUNDP報告

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12月14日、国連開発計画UNDPから人間開発リポートが発表された。

ノルウェーがまた1位となった。これでノルウェーが世界一の座をしとめたのは12回目となる。日本は20位。

「国連開発リポート2015年」は、労働に焦点をあてている。巻頭で、代表のへレン・クラークは、次のように指摘する。

「女性は、有償労働においても無償労働においても、すべての労働の分野で不利な立場におかれている。有償労働の分野においては、女性の進出は男性より少なく、女性の収入は少なく、女性の仕事内容は脆弱であり、幹部や決定の場への女性の登用は少ない。無償労働の分野においては、家事と家族の世話に占める女性の割合はとりわけ高い」

同報告書は、女性が有償労働に従事できるように、ノルウェーをモデルとして紹介している。下に翻訳・要約する。

c0166264_17534975.jpg「1970年~2010年、ノルウェーは、女性が有償労働に進出しやすくなるよう、女性の無償労働を減らす政策をとった。

1993年、両親が有給で育児休業をとれる期間を49週に拡充した。同時に父親だけがとれる育児休業(パパ・クオータ)の期間を伸ばしていき、2009年には10週間とした。

この政策によって、少なくとも8週間の育児休業をとる父親が、1996年には全体の8%だったにもかかわらず、2010年には41%となった。

さらに、1979年の男女平等法施行で、性差別が禁止された。妊娠、出産、休暇申請などによって職場で不利益を被ることがあってはならないとされた。さらに同法は、公的審議会や委員会などの公的決定の場の委員を任命する際、男女平等でなければならないと規定している。

次に2006年まで私企業の取締役会の構成が男女平等でなければならないとされた。こうした政策の結果、現在、ノルウェーはシンガポールと並んで、男女賃金格差が最も小さい。

以上のようなノルウェーの政策は、労働と家庭をより交換しやすくさせ、出生率をあげる一助となった」

日本の社会に最も必要とされる政策、それはノルウェーがすでに1970年代から推進している政策だ。なによりもまず今、日本が学ぶべきは、ノルウェーの労働政策、家族政策ではないか。

【写真上:国連開発リポート2015年の表紙。 下:6人目の出産を控えて仕事に向かうノルウェーのワーキング・マザーHelleはフルタイム労働者。彼女の夫が14週のパパ・クオータ中だった】

UNDP
妊娠した女性が差別される国、されない国
ノルウェーのワーキング・マザー
連載 クオータ制は平等社会への一里塚 第2回 それは政党の候補者リスト作りから始まった
ノルウェーで実践 男女比率割当制って?
あなたが自信をとりもどすために― ノルウェーを男女平等に導いた理論とパワー
なんて素敵なパパたち!
ヨーロッパを動かしたノルウェー「取締役クオータ」
世界一民主的な国
『ノルウェーを変えた髭のノラーー男女平等社会はこうしてできた』(明石書店)
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by bekokuma321 | 2015-12-15 17:41 | ノルウェー