やつらを通すな(ノー・パサラン)!

「ノー・パサラン! ノー・パサラン!」

安保法案に反対する若者たちが口にした、「やつらを通すな!」という意味のスペイン語だ。

「ノー・パサラン」は、スペイン、フランス、イギリス、ニカラグア、コロンビア、コソボ、エストニア、ロシア、香港…世界を駆け巡って、圧政に反対する抵抗運動のスローガンとして使われ続けて、今に至っている。日本で使われ出したのは、安倍政権が台頭したころらしい。

この言葉を私に教えてくれたのは、パリの女性団体「ペネロぺ」だ。2003年夏、「ペネロぺ」で日本の女性運動についてスピーチしたお礼に頂戴したポスターに書いてあった(下)。

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「セクハラは、もうたくさん!」「嫌がらせも、もうたくさん!」「搾取も、もうたくさん!」「私たちは、自分たちの意志で、手に入れたいものを手に入れる」というフランス語が並ぶ。

私は、右下に描かれたイラストに目を奪われた。メスマークつき握りこぶしをつき出して「ノー・パサラン!」と叫んでいる。

「ノー・パサラン!」は、ポスターをつくった団体名でもあった。ファシズム、性差別、人種差別、資本主義などあらゆる差別と搾取に抵抗して、社会革命をめざす。1984年、極右の台頭をきっかけにトゥールーズ(注)で誕生した。本部はパリのボルテール通りにある。

このスペイン語を初めて政治的運動に使ったのは、スペインの女性政治家ドローレス・イバルリだ。

詳しくは、「叫ぶ芸術ーポスターに見る世界の女たち:やつらを通すな!」をどうぞ。


(注)トゥールーズはフランス南西部の都市でスペインに近い。フランコ独裁政権のころ、スペインからの亡命者が押し寄せた。スペイン共和国派の首都(capital of Spanish republican exile)と呼ぶ人もいる。トゥールーズのスペイン人たちは、第2次大戦中のレジスタンス運動に多大な影響を与えたという。今も、スペイン語があちこちに飛び交う、フランス国内有数のスペイン系フランス人社会。
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by bekokuma321 | 2015-10-12 17:48 | ヨーロッパ