『鬚のノラ』―-声を出し続けなければならない

c0166264_2228698.jpg『髭のノラ』(三井マリ子著、明石書店刊)を読んだ。リズム感のよい読みやすい文章で、ノルウェーの女性史や現状が語られている。しかも、おしゃれにユーモアを混じえて、私たちの胸に訴えかける。

今でこそノルウェーは、世界1、2の男女平等の国だ。しかし、ノルウェーも、かつてはそうではなかった。『鬚のノラ』には、1970年代、妊娠中絶の合法化の運動を続けていた女性に対してこんな罵声が飛んでいたことが書かれている。

 「毒蛇女め」
 「今晩、お前を眠らせないようにしてやるぞ」 
 「お前は説教しているつもりだろうが、お前などは悪魔の誘惑者だ!」

日本でも、男ばかりで物事を決める不自然さや気持ち悪さを感じている女性は、今までもたくさんいたし、現在もいる。一方、いまだに「何で男女平等が大切なのか」って聞く人がいる。

だから、常に男女平等の重要性を声に出し続けなければいけない。

とはいえ、男女平等や女性の地位向上を言いづけることは難しい。ましてや本にして出版できる人はなかなかいない。私は、今回、三井マリ子さんの書いた『見わたせば あらッ 男ばかり』、『セクハラ110番』、『ママは大臣パパ育児』など、だいぶ前の本も再読した。三井さんの男女平等に懸ける想いと行動力、造詣の深さに脱帽した。

c0166264_20523796.jpgさて、女性参政権獲得から70年、女性差撤廃条約批准から30年、国連の北京女性会議から20年。先輩の女たちの血と涙と汗の歴史を振り返るたびに、「私たちはこのままで良いの?」と思う。

私の住む山口県の平生町(ひらおちょう)でも、やっと、この9月議会で女性議員の出産時の取り扱いを改善する文言がもりこまれた。これまでは、出産して休んでも病欠だったのだ。物事を男性で決めてきた典型的例だ。

平生町の人口は1万3000人。議会は12人だが、女性はわずか3人で、私はその女性議員の1人だ。ときどき、いまだに「議員イコール男性の健常者」なのだ、と感じる。

いろんな立場の女性がそれぞれの場所で異議申し立てをしなければならない。足を踏まれている女性の痛さを男たちに伝えて、目を覚ました男たちと一緒に男女平等の未来を作っていこうよ。

フレー フレー、ファイト ファイト 女たち!

細田 留美子 (山口県平生町議北京JAC山口代表) 

(北京JAC山口は、1995年の国連女性会議で採択された「北京行動綱領」を国内政策、地域政策で実現するために学習し、持続的に政策提言することを目的とするNGO)

【写真下:岩国市の会議で、北京JAC山口代表として挨拶する細田瑠美子町議。撮影:FEM-NEWS】

ノラの国の130年後: 書評『ノルウェーを変えた髭のノラ』
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『髭のノラ』を読んで
新潟日報「ノルウェー政界の男女平等:クオータ制が後押し」
書評 『ノルウェーを変えた髭のノラ』
女性たちの闘いに感動しました
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by bekokuma321 | 2015-09-28 21:04 | ノルウェー