難民問題

EUは、難民12万人をEU加盟各国の国力に応じて受入れる、と決定した。加盟国はかならず守らなければならない割り当て制(クオータ Quota)である。

クオータといえば、女性を政界に増やすための最適の方策だった。法律や政党内規則で、議員候補者または議会の議席の50%~30%を女性に割り当てる。ノルウェーが世界に先駆けて実行した。

難民に話題を戻すと・・・。すでに未曾有の数の難民が入国しているギリシャ、イタリア、ハンガリーの3カ国は難民危機に陥っている。その負担軽減のためEUが緊急に決定した。当初は16万人だった。

チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアの4カ国は、強制ではなく自主的にすべきだと、割り当て制に反対した。イギリスは、EUの難民クオータに最初から抜けた。独自に今年4000人、5年間で2万人を受け入れると表明している。

c0166264_222044.jpgEU加盟を拒否しているノルウェーとスイスだが、シェンゲン協定の下、難民受け入れを表明している。

さて、ノルウェー。

現在、保守中道連立政権だ。「進歩党」(極右と呼ぶメディアもある)は移民受け入れ反対派である。その影響かどうかは不明だが、難民受け入れ数が芳しくないと国連から批判されている。とはいうものの、ノルウェーから届くニュースから、受入れ体制が着々と進められていることがわかる。

政府は3年間で8000人を受け入れる見通しと発表した。ところが9月だけで2800人の難民がノルウェーにやってきた。移民局UDIよると、2万人がやって来そうだという。移民局の受付は難民であふれだしているという。

8月の時点で中継センターはどこも満員で全く余裕がなくなった。そこで移民局は、オスロ市に支援を求め、2400人分の食糧と宿泊施設の契約を結んだ。現在3400の緊急避難所を確保した。しかし、緊急避難所は、常駐できる宿泊所ではなく、そこに移るまで数日間滞在できる臨時の施設であり、さらなる準備が必要となる。政府は緊急予算を組んで対応することを決定した。

一方、ある記事によると、ロック歌手のボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)は、「金持ちノルウェーがわずか8000人だなんて、ナンセンス」と批判した。彼は、恒例の「抵抗の祭(Protestfestivalen) 」に招待されて、ノルウェーに滞在しているらしい。

市民の動きも活発だ。9月14日の地方選挙では、難民問題も争点だった。「進歩党」は全国で得票率を減らした。12日(土)にはシリア難民をもっと受け入れるべきだと政府に迫る7000人のデモがあった。「平和センター」の代表Hedda Bryn Langemyrは、市民の強い圧力で政党や政府を動かしたい、と語る(写真)。

思い出すのは、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争の頃だ。1990年代半ば、私はノルウェーに滞在していた。戦争でウン百万人の難民が出たと言われても、日本人の私には他人事だった。ところが、ノルウェーの地方自治体の中学校を訪問したら、ボスニアから来た難民の子どもが教室でいっしょに勉強していた。また友人宅には、ボスニアから来た男性がアルバイトに来ていた。「祖国では歯科医です」と私に言った。スーパーに行ったら、明らかにイスラム教の外国人だとわかる女性が、じっと商品を手にとって見ていた。

難民を受け入れるということは、それまで遠い知らない国だと思っていた国の人が、突然一緒に働いたり、同じ教室で学んだり、隣で買い物をしたりすることだ、と身をもって知った。

そして、都会だけの話でなく、全国の自治体が、通訳の支援、生活の支援、子どもの世話、さらにノルウェー語訓練などのサービスを持っていなければならないことも知った。ノルウェー人にとっては当たり前のことらしかったが、私には新鮮だった。

【写真:シリア難民を受け入れようと訴えるHedda Bryn Langemyr。Facebookより】

8000 Syria refugees insufficient, Norway Peace Council says
the guardian_refugees
Markering foran Stortinget: #OmkampForSyria
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by bekokuma321 | 2015-09-23 22:47 | 紛争・大災害