スクール・エレクション終わる

c0166264_21273225.jpgノルウェーから、労働党の大喜びする顔、顔、顔が届いた。労働党と緑の党が躍進し、保守党は敗北と大見出しがついている。

投票日は9月14日(月)だ。何かの間違いか? 

間違いではない。恒例のスクール・エレクションの結果だった。動画や写真を見ると、写っているのは、ほとんど若者だ。

スクール・エレクションは、中高生が模擬投票をして選挙結果を出す全国的プロジェクト。若者を政治的に目覚めさせる学校教育の一環で行われる。

主催は各校の生徒会だ。強制ではない。本番同様、学校内で政党の政策討論会が開かれ、選挙運動が行われ、投票所が設けられて、生徒たちは投票箱に支持政党のリストを入れる。本番と違うのは、リストは党の名前だけであることだ。

国会議員選挙や地方選挙の1週間前ごろに行われる。今年は地方選挙の投票日が9月14日(月)なので、スクール・エレクションは、昨日8日(火)に締め切られた。報道を見ると、皆、真剣な顔をして投票をしている。

締め切られたら、ただちに集計されて、政党ごとの投票率を出す。集計するのはノルウェー社会科学デ―タサービス(NSD)で、対象は高校生のみだ。全国526校のうち、参加したのは460校。 なんと87.1 %がエントリーした。

結果は、労働党は31.9%と前回から8.9%増の躍進となった。一方、現政権党である保守党は16.9%で前回から11.8%減、進歩党は10.5%で5.1%減となった(下の棒グラフ参照)。

さて、日本人にも人気の港町ベルゲン。この地は保守党が伝統的に強い。アーナ・ソールバルグ首相の選挙区でもある。大人たちだけでなく、高校生も保守党支持が多かった。しかし、選挙の真っ最中に、長年市長の座に就いている保守党のトル―ド・ドレブランの言動が厳しい批判にさらされた。この市長の汚職疑惑についてはFEM-NEWSで紹介したばかりだ。

この政治スキャンダルも要因のひとつだろうが、ベルゲン市内の高校生の保守党支持率は惨めなものだった。

労働党33.1 %に対し、保守党18.7%。前回は、労働党18.8 %、保守党33.5 %だった。まったく逆の数字となった。

ところで、日本も世界の潮流に逆らえず、選挙権が18歳からと改正された。しかし、肝心の政治教育は置き去りにされている。

もし、日本で、ノルウェーの高校のように、選挙を目前にして生徒会が政党から議員候補者を学校に招いて討論会を開いたり、生徒が政党ごとにブースを作って支持政党の政策ビラを配布したらどうなるだろう。そういうことをした高校の校長は、「学校に政治を持ちこんだ」として、教育委員会からおとがめがくるのではないか。

本番の選挙期間中でさえ、全政党の候補者が一堂に会しての政策討論会を日本の法律は許していない。法律が許しているのは個人演説会ーー候補者が1人でしゃべる――だけだ。本番の選挙でさえ許されないのだから、高校生の政党討論会は夢のまた夢か。

小選挙区制に変える時、たしか「政策本位の選挙」になるとか言ってたなぁ~。

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▲ノルウェーのメディアで公表された、スクール・エレクションの全国結果。左から、赤党、左派社会党、緑の党、労働党、中央党、自由党、キリスト教民主党、保守党、進歩党、その他(左から右に左翼から右翼の順に並んでいる)アフテンポステン紙より

【写真上:高校の体育館で、候補者たちを質問攻めにする女子高生。筆者が現地取材した2009年9月2日ウストレンディンゲン紙より。今年のウストレンディンゲン紙スクール・エレクション記事はSp ble skolevalgets vinner


Ap skolevalgets klare vinner
hordaland historisk skuleval for arbeiderpartiet
Rødgrønn jubel i årets skolevalg
Sirkuset i gymsalen(ベルゲンの高校での選挙演説会の写真から、9月8日の投票前に行われた選挙討論会の活発さがわかる)
スクール・エレクション
ノルウェーは今日、スクール・エレクション
ノルウェー選挙:スクール・エレクション
■参考1:スクール・エレクションについては「政治をタブーにしない教育」(明石書店『ノルウェーを変えた髭のノラ』 p215~p223)
■参考2:ノルウェーの地方選挙についてはノルウェー大使館ホームページ【ノルウェー地方選挙レポート 2011:4回シリーズ】
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by bekokuma321 | 2015-09-09 17:26 | ノルウェー