普通のおばちゃん「世界でもっとも住みやすい町」を読む

「ルポ 世界でもっとも住みやすい町」を、ネットで読みました。

三井マリ子さんが、ノルウェー最北の町フィンマルク県ヴァドソー市を取材して書いたルポルタージュです(『月刊 自治研』2012.1月号掲載)。

三井さんは、2011年2月、北緯70度4分のヴァドソー空港に降り立ちました。

なぜこの市に三井さんが取材に行ったか。ノルウェーの自治体の男女平等調査で、そこが女性にとって「住みやすさナンバーワン」になったことを知ったから、と三井さんは書いています。

なぜ北極圏の地に、2月の寒いときに行ったか。「最も厳しい寒さの地で、女たちが政財界でも家庭でも本当にハッピーに生活しているなら、ノルウェーの民主主義は本物だ。こう思って、あえて寒いときにやってきた」と、書いています。

読み進んでいくと いかに政治が大切か、いかに町づくりに女性の力が必要か、がわかってきます。ヴァドソー市や近隣の市は、議会に女性議員が40%、50%もいます。女性の声が町づくりに当たり前に反映されているのです。その結果、若い女性たちが戻ってきているのです。
 
2012年、松浦参議院議員に懇願され固辞していた三井さんですが、最終的に秋田移住を決意します。なぜ、負けがわかっている選挙に立候補したのか、普通のおばちゃんは不思議でした。

このルポを読んで、その背景が少しわかりました。三井さんは、「今 過疎化・高齢化の秋田県をなんとかしなければ、秋田は消えてしまう」「ノルウェーでできたのだから、住みやすさナンバーワンの秋田県をつくれるはずだ」と思ったのでしょう。

衆院選前の新聞記事でも、「北欧では零下20度の厳寒の地でも女性たちが生き生きと仕事をし、暖かい家庭を持っている。秋田でもできる。政策しだいだ」と三井さんは語っています。

選挙を終えた2013年1月、三井さんが秋田を去ったとわかってびっくりしました。普通のおばちゃんには どうして秋田を離れちゃったのか、理解できませんでした。

2013年2月、猛吹雪のなか大潟村で三井さんの講演会がありました。おばちゃんは心配で会場へ出向きました。げっそりやせた三井さんがそこにいました。

三井さんは、少子化を克服したノルウェーの制度や暮らしぶりを、パワーポイントを使って講演しました。すばらしい講演を聞きながら、おばちゃんは思いました。秋田の大事な宝を投げてしまった、と。

2014年1月、秋田地裁で裁判が始まりました。よくここまで一人でコツコツ調査したものだと感心しました。これからは、三井さんのお手伝いしたいと、さみどりの会に入会しました。
  
非公開の多かった裁判ですが、次回9月30日は公開になるようだ、と弁護士が言っています。まだ決定はしてないようです。

もし公開なら、法廷の傍聴席からこの目でしっかりと裁判を見届けたいと思います。

普通のおばちゃん 佐々木厚子 (秋田市、さみどりの会*)

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(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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【写真:ノルウェー・フィンマルク県ヴァドソー市の市役所前。2011年2月三井マリ子撮影】
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by bekokuma321 | 2015-08-24 11:26 | 秋田