警察官の発砲

昨年、ノルウェーの警察官が発砲したのは、わずか2回で、死んだ人は誰もいない。一方、アメリカでは、今年だけで600人以上が警察官の発砲によって亡くなった。

「アメリカの警察官は1日で、ノルウェーの9年分よりも多くの人を殺している」というショッキングな見出しの記事もある。

以上は、最近、アメリカや英国の有力紙に掲載されているノルウェーとアメリカを比較したニュースだ。

ノルウェーで警察官の発砲が極端に少ないのは、「ノルウェーは狩猟がさかんで、国民が銃の使い方に慣れ親しんでいる。その一方で警察官は特別の場合でなければガンを携帯しないという法律がある」からだという(ワシントンポスト紙)。

ノルウェーの警察官が拳銃を携帯していないことを知って驚いたのは、1995年ごろだった。その時、国の警察官僚のトップにあたる警察庁長官は女性だった。

警察行政は専門外なのでこれ以上の言及はさけるが、ノルウェーの犯罪防止にかける、信頼を土台にしたユニークな法制度と無関係ではないと思われる。

BBCは、ノルウェーの自由と平等に基づいた解放的刑務所を、「ノルウェー王冠の宝石」という表現で紹介していた。ノルウェーの再犯率は、ヨーロッパで最も低いという。日本の50%対して16%だ。

さて、そのノルウェーだが、わずか500万人の人口に、140万の銃が保持されているという。アメリカ同様、「銃社会」かもしれない。しかし、そのほとんどは趣味と実益を兼ねた狩猟用だ。

たとえば私の友人一家は全員、狩猟が趣味で、皆が銃を持っている。秋のハンターシーズンは、山小屋に寝泊まりして、獲物をしとめる。

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狩猟のための銃を所持するには国家試験がある。30時間におよぶ銃の使い方の訓練や理論をみっちりたたきこまれ、試験に合格しなければならない。合格したら、狩猟登録を申請して、狩猟免許をもらう。狩猟免許は警察署に届け出なくてはならず、さらに警察署で銃を買い求めるための申請用紙を書かされる。その申請用紙は、警察署で審査された後にOKが出されたら、申請者に送り返される。そこで初めて銃を買い求めることができる。

さらに毎年、狩猟シーズンの前に再訓練を受けて、免許の更新をしなければならない。そのたびにお金も取られる。拳銃へのアクセスが実に面倒だ。

銃を所持する理由は自己防衛である、とする全米ライフル協会が政治的な力を持つアメリカとは、大きな違いがある。

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▲写真上は、ノルウェーで友人がしとめたエルク。下2枚は免許更新のために訓練に参加している女たち、男たち。

Norwegian cops fired their guns twice last year and didn’t hit anyone either time
Norway's police only fired two bullets last year... and no one was killed
再犯率の最も少ない国の刑務所
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by bekokuma321 | 2015-08-09 17:37 | ノルウェー