ポスター貼り横領着服事件

「民主関係者3人不起訴、秋田地検  衆、参院選で横領容疑など」 という記事が秋田さきがけ新聞に載っていました(2015年7月1日)。

これを見た私の友人たちから、「犯罪の事実がわかっているのに不起訴っておかしい」との声がたくさんあがっています。私も同感です。

そもそも、この事件は、三井マリ子さんが衆院選後、選挙を担った松浦大悟議員秘書に、「選挙運動収支報告書」を見せてほしいと言っても見せてもらえなかったことに端を発しています。

マリ子さんは、しかたなく自分で秋田県選管に出向いて報告書を見せてもらいます。そこで疑念を抱きます。調査をするなかで、聞いたことも見たこともない銀行口座が開設されていることを発見したマリ子さんは、私文書偽造・同行使・詐欺として、告発します。

警察の捜査過程で、別の事件が浮上します。それが、今回不起訴となったポスター貼り事件です。ポスター貼りをしていない人たちに、1人1万円ほどを支払ったようにされていたのです。嘘の領収書を作って払ったように見せかけて、実際は自分の懐に入れていた人が何人かいたのです。

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捜査段階の新聞には、ポスター貼りなどしないのに、自分名義の「領収書」を警察から見せられ三文判を押されていたとわかった人、ポスター張りは手伝ったが報酬などもらっていなかった人などの怒りが、報道されていました(松浦大悟参院選でも同じ不正が発覚)。

つまり、ポスター貼りのとりまとめ役だった民主党秋田の幹部が、選挙資金からおカネを横領着服したのです。横領着服だけではありません。ウソの記載をした選挙収支報告書や、そのもとになった架空の領収書を何十枚も選管に出していたのです。

何も知らなかったにせよ、最終責任者であるマリ子さんは、どれだけ苦しい月日をすごしたことか。

2つの刑事事件は、2014年2月、秋田地方検察庁に書類送検されました。ひとつは、松浦参議院議員秘書(マリ子さんの選挙会計)の私文書偽造・同行使。詐欺事件で、もうひとつが、今回のポスター貼りにともなう民主党幹部らの横領着服事件です。

横領着服した3人は横領・着服を全面的に認めたそうです。嫌疑は十分なのです。ところが、起訴されなかったのです。

一方、ポスター張りをしてもないのに、ポスター貼りをしたとされて、その氏名や住所、もらってもいないカネを受け取ったとされた人たちがたくさんいます。横領着服に利用された人たちの憤慨は計り知れません。これでは、その人たちの怒りの矛先は最終責任者であるマリ子さんに向かいかねないのです。

巨額のお金をごまかしている他の政治家と比べ些細な金額というかもしれません。額の大きさではなく、人の名を勝手に領収書に書いて、そのカネを懐に入れるなんてあまりに悪質です。マリ子さんの衆院選の後の参院選でも同じ不正があったのですから、常習性さえ感じます。しかも、横領したカネの原資は国民の税金です。

マリ子さんの選挙では、最初から余りカネを使わないで貯め込もうとして、ポスターの枚数をできるだけ少なくしたり、運動員を最低人数に抑えたりしていました。名前すら知られてなかった新人マリ子さんにはポスターが命です。それなのに、ポスターは最初から枚数が極端に少なかった。実際、選挙区を車で移動した私は、他候補のポスターは一定間隔で貼られているのに、マリ子さんのは1枚もなかったことを覚えています。

加えて、ポスター貼り横領事件でわかったのですが、貼るべきポスターでさえ、実際は貼られなかったのです。選挙カーで回っていたマリ子さんは、自分のポスタ-のない掲示板を見て、「吹雪ではがれたのだろう」と思ったそうですが、最初からマリ子さんのポスターを貼ってなかった掲示板が何百枚もあったということになります。

マリ子さんは、「秋田のため、女性のため」と、秋田移住をして勝ち目のない選挙に立候補しました。その裏で、こんな不祥事がいくつも行われていたことに、何と言っていいか。諦めるしかないのかなと思いつつも、やはり諦めきれません。憤慨しています。

なぜ、どういう判断で不起訴になったのか判らないことが一番、頭にきます。その点、現在、秋田地裁で行われている民事裁判は、内容の報告があるので、状況や進展がわかります。

なんとしても民事は勝たなければならない――憤慨を希望に変えようと、心に決めました。

大倉 由紀子 (さみどりの会*)

【写真:2012年12月は豪雪。公営掲示板の下のほうにあった候補者のポスターは雪に埋もれていた。三井候補の支援者に雪かきしてもらった】

(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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by bekokuma321 | 2015-07-20 14:38 | 秋田