20年前を思い出して

c0166264_22442297.jpg 三井マリ子VS松浦大悟裁判に関しては、FEM-NEWS等で大体知っていたつもりでしたが、「訴状」も前の「陳述書」も読んでいないので、「陳述書2」を読んで初めて全体像が分かった気がします。

私がとくに興味を持ったのは「8 後援会会計が出納責任者に」の章です。

これを読んで、選挙運動の出納責任者になっている人を、三井マリ子本人が(以後マリ子と呼ぶ)選管に行って「選挙運動収支報告書」を見るまで知らされていなかったことに、とても驚きました。

マリ子が初めて衆議院議員選挙に挑んだのは1993年、それまでの東京都議会議員の座を蹴って、しかも無所属での立候補でした。

当時は「政党交付金」なるものがありませんでした。しかも、無所属ですから全ての選挙資金は友人や知人をはじめ、支持者からの寄付に頼るしかありませんでした。

私はマリ子の同級生として、マリ子の選挙区である杉並に住んでいたこともあり、マリ子が都議に初めて立候補したときから事務所の会計をはじめ、あらゆる仕事を手伝っていました。

後援会の名は「三井マリ子と新しい政治を創る会」でした。衆院選に出ることになり、都議時代からあったこの後援会の口座を受け皿にして寄付を集めました。大学の同級生や同窓生を中心にさまざまな運動をしたように記憶しています。そして私は、寄付者への領収書発行などの事務にも当たりました。

結果的に私は、「後援会の会計」と「選挙運動の出納責任者」を一人で引き受けました。誰から頼まれたわけでもなく、自然にそうなったと思います。

落選という形で選挙は終わりましたが、三井マリ子を政界にと期待する支持者はたくさんいました。落選後の赤字解消のために催した上野学園 石橋メモリアルホールでのオペラ・コンサートは大盛況でした。事務所を閉じる時も沢山の仲間が集まり、ワイワイと大勢で片付け作業をしたことを思い出します。

選管への「選挙運動収支報告書」は、出納責任者である私が作成しました。後援会のほうは、いずれ又、彼女が選挙に出ることを考えて、そのまま維持し、毎年、入出金の少ない収支報告書を書いては選管に提出し続けました。その度にマリ子本人のチェックを受けたことは勿論です。当たり前すぎて、言うまでもないことです。

後援会を閉じたのは、数年後、「もう政界復帰はしない」というマリ子の意思を確認した上でのことでした。

その後、マリ子は、女性議員増の鍵となる「クオータ制」を広めるため奔走します。クオータ発祥の地ノルウェーから現職の男女平等オンブッド(オンブズマンのこと)を招聘して国際会議を開催しましたが、すべて自分たちの手で資金を集めて成功させました。私も含め大勢が企画運営にがんばったことを思い出します。

さらに、その後、大阪の男女平等推進施設の館長になったり、地方都市の男女平等オンブッドになったりもしたので、マリ子は、政界以外の場で、男女平等社会を実現する活動を続けていくものと思いこんでいました。

なので、2012年10月、マリ子から秋田で衆院選に立候補するという手紙を受け取ったとき、俄かには信じられなかったのは事実です。

秋田には知り合いが一人もいなかったため、マリ子に協力したくてもカンパぐらいしかできませんでした。それに突然の秋田移住、突然の解散総選挙でしたから、秋田の民主党の方々が責任を持ってやって下さると信じて、遠い東京から見守るしかありませんでした。

そして落選。さらに裁判!

「陳述書2」に記載されている、落選後にマリ子が受けた対応は、私には信じられないことが多く、ただ驚いています。

しかし、マリ子は、泣き寝入りせず、諦めず、しっかりと事実を調査し、提訴し、理路整然と文書で書き著わし、法廷で闘っています。それがマリ子の真骨頂だと、「陳述書2」を読んで改めて思います。

ところで、2013年11月に提訴した時の損害賠償請求額は2758万円1759円でしたが、2014年5月に、裁判官の勧告で供託金300万円が返還されたため、300万円が争点から省かれることになり、請求額は2428万1759円に変更されたということなのですね。

関連の報道によると、返還金300万円は、立候補した趣旨にしたがって、「秋田おばこのデモクラシーを考える会」を立ち上げて、秋田の女性議員増のための調査や広報に使うとされています。マリ子らしいと思います。

裁判の過程で、銀行口座開設に関わる不法行為だけでなく、政党助成制度の不備や、公職選挙法のザル法ぶりが、世に明らかにされることでしょう。

マリ子の闘いが、本人の受けた損害が賠償されるだけでなく、日本の法律や制度が改善されるなど、よりよい社会への道すじを開くことになると、期待しています。

勝訴を切に祈ります!!

高橋 三栄子(三井マリ子友人、さみどりの会*)

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 1995年から政党の公認候補には政党交付金が政党本部から候補者名義の銀行口座に振り込まれるようになった。政党交付金の原資は全国民1人250円の税金(▲秋田銀行前の三井マリ子、2015年6月24日)

【写真左上:「陳述書2」は甲151号証として、6月24日、原告代理人の近江弁護士から秋田地裁の齊藤顕裁判長に提出された】

(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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by bekokuma321 | 2015-07-19 23:19 | 秋田