吐き気をもよおす傲慢さはどこから来るか

7月16日、衆院本会議で、安全保障関連法案が可決された。自民・公明、次世代の党に属する議員が賛成した。民主党、維新の党、共産党、社民党の議員は退席した。

これで戦地に自衛隊の派遣ができるようになる。

憲法学者は国会でそろって憲法違反だと断じた。世論調査でも法案に反対が多い。共同通信「反対」58・7%。毎日新聞「反対」58%。朝日新聞「反対」56%。性別で統計をとったら、女性にはもっと「反対」が多いはずだ(なぜかどの新聞も性別で「反対」をとらない)。

しかし、与党自民党は、専門家の批判も民意もどこ吹く風だ。女性の意見など歯牙にもかけない。

吐き気をもよおす、安倍政権の、この傲慢さはいったいどこから来るのか。

c0166264_1215735.jpg「小選挙区になって自民党候補どうしが争うことがなくなり、公認を受けたら集票は任せきりという議員も増えた。地盤を受け継ぎ、後援会長としか会わない2世や3世議員もいる」という小熊英二の意見に答えがある。

小選挙区制度が今日の事態をつくってしまった。もっとも多くの票をとった一人しか当選しないという小選挙区制だ。この小選挙区制という選挙では、民意は議席に反映しない。

「48%の得票率で76%の議席を占有できるという小選挙区制の“マジック”だった。いいかえると、自民党は、小選挙区に投票した人の、2人に1人弱の得票で、じつに衆議院の4分の3の議席を得たことになる。」(毎日新聞2015.1.5)

”マジック”という言葉でごまかされないぞ。半分以下の票しか得てないのに、8割近い議席をとるなんて絶対におかしい。まともじゃない。歪んでいる。

小選挙区制導入の前に、小選挙区制が導入されたら、今日のようになると、警告した本がある。『小選挙区制が日本をもっと悪くする』(阪上順夫著)。20年以上前に書かれた本だ。

小選挙区制では、選挙戦が激化し、金権政治を生む。小政党、女性候補は不当に排除され、大政党が議席を独占する。投票率低下のなか、与党が圧倒的多数となり、提出法案は次々に可決されていく。有事立法は強行採決で可決し、防衛費が増え軍事化が進んでいくーーと、阪上は書く。

そして、「これはもちろん架空の話である」と謙遜気味に付け加える。ところが、そのとおりになってしまった。

さきほど、危機にひんしている憲法を、そっと覗いたーー我が愛する憲法は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」で始まっている。

すべての基本は、選挙で代表者を選ぶことにかかっている。だから、正当な選挙制度でなければならない。しかし、小選挙区制は、民意が議席に反映しない歪んだ選挙制度であり、信じがたいほど不公平な選挙制度である。

小選挙区制は正当でない。だから現議員は、正当に選挙された私たちの代表者ではない。

【写真は澤地久枝さんのアイデアに賛同した金子兜太さんが書いた。プリントして7月18日(土)午後1時、同じポスターをかかげて安保法案に反対の意思を示そう】
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by bekokuma321 | 2015-07-17 01:36 | その他