映画「スティング」 秋田版

6月、三井マリ子原告は「陳述書2」を裁判所に提出した。その中身はサスペンスドラマのようだった。

三井マリ子VS松浦大悟が始まって1年半。ここに至って、被告側は、とんでもない証拠を出してきたのだ。

証拠とは、2012年の衆院選後5日目の夜分、三井さんを急襲した松浦大悟参議院議員らによって隠しどりされた録音とそのテープ起こし原稿だ。

松浦議員の秘書から自宅兼事務所としてあてられた借家に三井さんは一人いた。選挙の過労も抜けてない時期だ。その上、選挙中痛み止めを服用して頑張っていた足の捻挫がひどくなり、病院から養生するように言われていたという。そこに、5人がいきなりやってきた。

この隠しどりテープの存在を知って、映画「スティング」のように、だましの大舞台に三井さんは、何も疑わず、すっぽりとはまったのでは、と思えた。

そう考えると腑に落ちる――歩く人さえまばらな野中の一軒家のような事務所や、選挙中でさえ1日50 人(全体で250人)雇えたのに、三井さんには6人しかいなかったこと、ポスターに選挙区の生まれであることや都議2期の経歴など重要情報がなかったこと、三井さんの友人としてボランティアをしていた私を選挙を仕切っていた人が「帰んなさいよ」と追い帰したこと・・・などなど。

テープ起こし原稿の表紙には、「秋田県民主党第3総支部に関する会議」とタイプ打ちされていた。三井さんへの「夜襲」を「会議」であるというのだ。「会議とは、日程と場所と議題を決めて開くもの」。松浦被告側の強弁ぶりには驚くしかない。

「松浦議員たち5人は、初めから会話を隠しどりする準備を整えて、一人いた私を急襲しました」と、「陳述書2」は書く。

会話を録音するつもりで急襲したのだから、選びに選んだ台詞は当然だ。しかし、いかように言葉を選んでも、内容は、「12月いっぱいで借家を去れ」「いっさい連絡するな」という冷酷な追い出し宣告であることに間違いはない。

秋田を追われた三井さんが何もしなければ、この「秋田版スティング」は、シナリオ通りだった。しかし、三井さんは、1週間後、反撃に出た。

「陳述書2」から離れるが、今でも思い出す光景がある。初回の裁判での松浦被告「意見陳述」の奇妙な態度だ。

三井さんは、裁判官の目を見つめるように、裁判官側に向かって陳述した。松浦さんは違った。傍聴席に向かって立った。大きめのパネルを自分の前に立てて、「さあ、見てください」と言わんばかりに、傍聴席にパネルを見せて話し続けた。彼は、なんと裁判官に背を向けて陳述したのである。

TVキャスターは、訃報を伝える時には神妙な表情で、スポーツ選手の優勝を伝える時には、はしゃいだ明るい表情で報道する。職業上から磨かれた演技だろう。TVキャスターとしての演技が、法廷でも現れたのではないか、と私は感じた。

岡田ふさこ   さみどりの会(*)事務局

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(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。c0166264_15134969.jpg
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by bekokuma321 | 2015-07-10 09:47 | 秋田