2015年 06月 26日
隠しどりしていた
異例の長時間裁判だったようです。
今回、提出された三井マリ子さんの「陳述書2」を読みました。その中に、今回、松浦被告らが隠しどりした録音テープとテープ起こしが裁判所に提出された、とありました。
衆院の投票が終わって5日目の夜、マリ子さんは1人、自宅兼事務所にいました。そこに約束もなく松浦被告ら5人が入ってきて、マリ子さんを追い出しにかかったのです。今回、松浦被告が提出した録音は、その「恐怖のつるしあげ」をされたあの夜のものだそうです。
えー、なんで今頃、ととても驚きました。
要するに、彼らは、後で訴えられたりしないようにと、レコーダーをどこかに隠し持ち、録音していたんですね。周到な計算づくで行われたのは明らかです。その卑劣な行為に、言葉がありません。
マリ子さんに対して、誰がどういう言葉を使って、追い詰めるかを、台本をつくって、いやセリフも準備していたのではないでしょうか。
次から次へと具体的証拠を提出されて、それに対して具体的証拠で反論できない被告は、ことここに至って、隠しどりテープを証拠として提出してきたのです。そして、被告らは、「ここは12月まで、それまで出ていくように」「あなたがいると票が減る」「今後いっさい連絡しないように」などマリ子さんに言っていないと言いだしたのです。
突然5人に取り囲まれてのつるしあげに、マリ子さんがうろたえたのは当たり前です。1字1句正確なほうがおかしいです。
実際のテープ起こし(隠しどりの)を読むと、被告らは、何度も何度も「12月いっぱいで…」と繰り返していて、出て行けと同じ趣旨の発言をしています。
さらに松浦被告らは、「いや、関わらないでもらいたいんです。やっぱり、票が減りますので」「もう電話はかけてこないで」「今後は一切かかわらないということですので」とも言っています。
どう聞いても、これは「12月いっぱいで家を出て行け、後は一切関係ない、連絡はするな」ということです。
「お前の役目は終わった。もう邪魔だ」とばかりにマリ子さんを追い出し、後は自分たちに都合よく会計処理をするという魂胆が、隠しどりの新テープでさらに明らかになったと思います。つまり、最初から、資金の貯め込みを図ったと言わざるを得ないことが、隠しどりテープでますますはっきりしたのです。
隠しどりのテープを出してはみたものの、これは墓穴を掘ったということですね。
「陳述書2」は、とてもわかりやすく一気に読めました。上の隠しどりテープのほかに、松浦被告らの“犯罪的行為”がこれまでの証拠ひとつひとつから、はっきりと浮かび上がってきました。
松浦被告の秘書は、たくさんの銀行口座を駆使して、おカネを自由自在に出し入れしていました。100万円単位の巨額のおカネが、こともなげに動いているのです。「たかだか100万円 引き出しただけで」などという言葉を平然と使っていたことも、一般人の感覚とはかけ離れすぎています。
この裁判は、私文書偽造・同行使・詐欺罪の疑いで、松浦被告の秘書が書類送検されて不起訴になった事件と密接な関係があります。この裁判(民事)が解明されると、刑事事件の再審がやりやすくなるのではないでしょうか。
大倉 由紀子 (さみどりの会 *)
【写真上:秋田県増田町の支援者から「庭に咲いていた百合です」と贈られて喜ぶ三井さん。写真下:裁判の真実を秋田県民に知ってもらおうとチラシまきをする伊藤さん、亀田さん、岡田さん。どちらも2015年6月24日秋田市】
(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。