なぜ手のひらを返して追い出したのか

三井マリ子さんの裁判の準備書面を読んで、私の個人的疑問と感想を書きます(敬称は略)。

●松浦大悟参議院議員(当時)が、三井に「磐石の態勢」「全身全霊」「24時間体制」で支援すると言って立候補させ、落選したら手のひらを返して追い出したのはどうしてか。自分なりに背景を考えた。

2012年夏、秋田3区では、現職の衆議院議員京野公子が離党し、小沢一郎の「国民の生活が第一」に移った。そのため、松浦大悟は、民主党秋田県連代表だっただけでなく、民主党秋田3区総支部長も兼務していたようだ(読売新聞2012.10.17)。

日本の政党支持者は、政策からというより個人的関係性からのことが多く、秋田3区の民主党も、衆議院議員だった京野の支援者が多かったはずだ。だから松浦が、三井に「盤石の態勢で支援する」と勧誘したというが、そもそも「盤石の態勢」などありえない話だった。

秋田3区は、自民党候補の当選が確実視されていて、しかも全国的に民主党壊滅かという時だったから、候補者探しは難航しただろう。

しかし民主党から3区の候補者を出さなければ、3区の民主党票は他党に荒らされる。候補者がいないと、民主党の寺田学(秋田1区)でさえ小選挙区はむろんのこと比例区の当選すら危うい。こういう中、民主党秋田県連代表かつ秋田3区総支部長松浦は、誰かを勧誘しなければならない使命をおびていた。

そして予想通り自民党候補が圧勝した。当然この結果を松浦も予想していた。当初から、松浦は、党の使命という表向きの理由に加えて、半年後の参院選での自分の再選に有利に働くように行動したと思われる。

松浦は、毎年、政党交付金を1000万から4200万円も交付されてきた。その政党交付金から、2009年548万円、2010年404万円、2011年666万円、2012年637万円と貯め込んできた(「準備書面11」、p 10。写真下は一例)。この経験から、三井に出た政党交付金1300万円をできるだけ使わずに貯めようとしたのは、予想できる。これが裁判の主な争点だ。

さらに、2012年当時、民主党規約では「落選したら総支部解散、総支部長解任」となっていたので、松浦は、最初から三井は落選後秋田を去ると思っていたはずだ。

ところが、三井は、この民主党規約を全く知らされていなかった。知らされていたら、いかに甘い言葉で松浦に勧誘されようと断っただろう。

落選覚悟で秋田に移住した三井は、1回の選挙で秋田を去ることなど思ってもなかったため、落選後「今後も秋田で政治活動を続ける」と報道に発表し、翌日新聞に載った(秋田魁新報2012.12.17)。さぞ、松浦側は困っただろう。

一方、選挙後、民主党は、落選者があまりに多かったことから、特別措置をつくって、参議院選まで総支部続行、総支部長続投と規約を変えた。「準備書面」によれば、松浦の秘書はこのように変更されることを知っていながら、三井に知らせなかった

こうした経緯が、松浦に、嘘をついてまで三井を秋田から追い出させたのではないか。

佐藤 毅(秋田市民)

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▲2012年松浦大悟代表の秋田県参議員第1総支部「使途等報告書」。収入は政党交付金1900万円に加えて前年の支部基金666万4192円。支出は1928万9191円で、支部基金637万5840円となっている。支部基金とは、政党交付金を使わずに残したカネで、2011年666万4192円(上から2つ目の数字)、2012年637万5840円(上から9つ目の数字)、と記されている。

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「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
女性記者の目
三井候補秋田追放事件を究明する裁判
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by bekokuma321 | 2015-05-31 20:15 | 秋田